「エコキュート 苦情」って出てくるけど、エコキュートを使うと近所迷惑になるのかな…
そうお考えではありませんか?
エコキュートでなる音には賛否両論があります。しっかり原因を知った上で、エコキュートの購入を検討したいですよね。
そこで今回は、エコキュートに関する苦情の原因について詳しく解説いたします!
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エコキュートの騒音苦情はヒートポンプが原因!?
電気代の安い夜間に沸かしたお湯を使うことで光熱費を下げることができるエコキュートは販売開始以来順調にシェアを伸ばしています。
光熱費の面以外にも、冷媒にフロンではなく環境にやさしいCO2を使用している、停電・断水時にも数日分の生活用水が貯められているといった部分でも人気を後押ししています。
しかし、エコキュートを導入した方の中には騒音問題により体調が悪くなった、ご近所の方から苦情がきたという声も中にはあります。
エコキュートから出される音は40db(デシベル)前後であり、これは図書館と同程度の音です。にも関わらず騒音トラブルが起きる原因はヒートポンプにあります。
ヒートポンプユニットからは約12.5ヘルツ(1秒間に12.5回の振動)の低周波音がなりますが、この低周波音を不快に感じる方がいるというのが実態です。
低周波音とは、身近なところでは冷蔵庫から「ブーン」となる音がそれに当たります。
エコキュートの性格上、夜間に活発に動くため睡眠時にエコキュートから出される低周波音が気になり近所の方から苦情が入ることがあるようです。
エコキュートの低周波は人体に悪影響も
エコキュートから出される低周波音は人体にも悪影響を及ぼす場合があり、「不眠」「頭痛」「動悸」「イライラ」「耳鳴り」「食欲不振」といった症状が現れる人もいます。また、自律神経失調によって「吐き気」「脱毛」「胸の圧迫感」「幻覚」といった症状が出る人もいるようです。
そして、エコキュートから出される低周波音によって実際に体調を崩し、裁判になった例もあります。
2014年12月25日の日本経済新聞によると、「夫妻は、2012年10月に消費者事故調に原因の調査などを申し出た。並行して、隣家の住民などを相手に損害賠償を求める訴えも起こしていたが、設置されたエコキュートを撤去するなどを条件に2013年11月に和解が成立。和解に基づき撤去した後は症状が治まったという。」とあります。
(引用:日本経済新聞『エコキュートの音、健康被害に関与の「可能性高い」』2014年12月25日)
この裁判では和解が成立しましたが、この和解は原告である夫妻の全面勝利と言ってもいい結果です。そして、この結果を受けて消費者庁でも経済産業省に対して再発防止に向けた対策を求めています。
しかし、各メーカーとしても完全に低周波音を防ぐことは難しく、ご近所の方からエコキュートの音のことで苦情がきた場合には各々で対策を強いられるのが現状です。
メーカー別エコキュートの騒音チェック
エコキュートの苦情の原因となるヒートポンプユニットですが、一般的にはタンク容量と季節によって音の大きさは変わります。
ここでは、タンク容量460リットルと370リットルそれぞれの中間期(外気温16度程度)と冬季(外気温7度程度)で比較したエコキュートの運転時の音の大きさを比較します。
まずは、参考として日常生活の音の大きさを示します。
30db |
ホテルの室内 |
40db |
図書館の館内、夜間の住宅地 |
50db |
高層住宅地域(昼間)、書店の店内、エアコンの室外機 |
60db |
銀行の窓口周辺、博物館の館内 |
70db |
新幹線の車内、主要幹線道路周辺(昼間) |
80db |
飛行機の機内、ゲームセンター店内 |
90db |
パチンコ店内 |
(参照:環境省「生活騒音パンフレット」)
結果から言えば、エコキュートの音の大きさは各メーカーとも40db程度であり、生活騒音として苦情が出るほどのものではありません。しかし、微かな振動を伴う低周波音によって不快指数が増すということが考えられます。
三菱製エコキュート
370リットル |
中間期:38db/冬季43db |
460リットル |
中間期:42db/冬季45db |
三菱製のエコキュートは460リットルの冬季で45dbとなりますが、これは霊園や昼間の戸建て住宅地、夜間の高層住宅地と同程度であり、基本的には苦情の原因となるレベルではありません。
ダイキン製エコキュート
370リットル |
中間期:38db/冬季44db |
460リットル |
中間期:40db/冬季45db |
ダイキン製のエコキュートは460リットルの冬季で45dbとなりますが、これも三菱製のエコキュートと同様に霊園や昼間の戸建て住宅地、夜間の高層住宅地と同程度であり、基本的には苦情の原因となる騒音レベルではありません。
日立製エコキュート
370リットル |
中間期:38db/冬季43db |
460リットル |
中間期:42db/冬季43db |
日立製のエコキュートは460リットルの冬季で43dbとなりますが、これは三菱や代金のエコキュートよりもさらに小さい音であり、音の大きさだけであれば苦情の原因となるほどではありません。
パナソニック製エコキュート
370リットル |
中間期:38db/冬季43db |
460リットル |
中間期:42db/冬季45db |
パナソニック製のエコキュートは460リットルの冬季で45dbとなりますが、これも三菱やダイキンのエコキュートと同様に霊園や昼間の戸建て住宅地、夜間の高層住宅地と同程度であり、基本的には苦情の原因となる騒音レベルではありません。
どのメーカーのエコキュートも最大45db程度であり、苦情の原因となるような大きな音を出しているわけではありません。にも関わらずエコキュートが原因で苦情が来るのは前述したように低周波音による影響が大きいです。
そのため、エコキュートの騒音苦情を受けた場合にはエコキュートの音自体はもちろんのこと、低周波音を抑えることが非常に重要です。
エコキュートの騒音苦情対策4選
エコキュートの騒音問題は各メーカーでも取り組んでいるものの完全に低周波音をなくすことはできず、ご近所から苦情があった場合には自身で対策を取る必要があります。
また、これからエコキュートを設置する方は、苦情が来ないようにあらかじめ対策を取ってから設置する方がいいでしょう。
個人でもできるエコキュートの騒音苦情対策は主に以下の4つです。
- 寝室からの距離を15m程度話す
- 防音壁や防音シートなど物理的に防音対策をとる
- 隣近所にはエコキュートの設置の際にあらかじめ説明する
- 騒音だけでなく廃棄にも注意する
それぞれのエコキュートの苦情対策について詳しく解説していきます。
寝室からの距離を15m程度離す
エコキュートの騒音苦情対策1つ目は、隣近所の寝室から15m程度離すという対策です。
エコキュートが夜間にお湯を沸き上げるという性格上、エコキュートの音が気になるのは夜間であり、テレビなどをつけてない静かな就寝時ということになります。
就寝時にエコキュートの音が気になり上手く寝られずに睡眠不足や頭痛に悩まされるといったケースが苦情として多いのが実態です。
そのため、エコキュートを隣近所の寝室から離すことで苦情が来る可能性は大幅に軽減できます。
もし15mも離して置くことができる場所がないという場合でも寝室のすぐ横に置くようなことはないようにしましょう。
苦情がきた後であれば、エコキュートの設置場所を移動する旨をご近所の方に伝え、音が気にならない場所を一緒に検討してもらうのも手です。一緒に考えてもらうことで移動後の苦情は抑えることができます。
防音壁や防音シートなど物理的に防音対策をとる
エコキュートの騒音苦情対策2つ目は、防音壁や防音シートなどで物理的に防音対策を取るという方法です。
例えば、防音シートであればエコキュートの設置後であっても貼ることができます。
防音シートはホームセンターやインターネットなどで簡単に購入でき、ヒートポンプユニット部分に貼り付けることで効果が出ます。防音シートを貼る際の注意点として、ファンや排気口などを防音シートで塞がないようにしましょう。
次に防音壁ですが、防音壁は壁を作ればなんでもいいというわけではありません。代表的なコンクリート製の壁では逆に音が反響してしまい逆効果になるので、吸音効果の高い素材で作られた防音壁を設置する必要があります。
また、防音壁はエコキュートから設置場所が近すぎると、エコキュートの効率が落ちてしまうので設置位置にも注意が必要です。
その他にも、ヒートポンプユニットの下に防震ゴムを敷くことで振動を抑えることも効果的です。
エコキュートの騒音苦情の原因となる低周波は揺れを発生させないことも大きな対策となるので、防震ゴムは有効な対策となります。
騒音苦情対策の1つ目に紹介した「隣近所の寝室から15m程度離す」と併せて実施した方が確実ですが、すでに設置しており移動させるのが難しい場合もあります。エコキュートの移動が難しい場合には上記の対策だけでも行うようにしてみましょう。
隣近所にはエコキュート設置の際にあらかじめ説明する
これからエコキュートを設置する場合には、隣近所にエコキュートを設置する旨をあらかじめ説明して置くことが大切です。
そして、可能であれば寝室の位置を確認し、設置予定場所に近くないかを確認してから設置するとトラブルをあらかじめ回避することができます。
しかし、他人の家の寝室の位置を聞くことは非常にハードルが高く、またエコキュートの設置位置はキッチンや浴室、洗面所といった水場に近い位置に設置することが効率的です。
寝室の位置を聞けなかった、効率を考えると設置場所を動かせそうにないという場合には先に解説した物理的な防音対策を取るようにしましょう。
ただし、隣近所の寝室の位置は聞けないにしても、「エコキュートを設置すること」「なかには騒音を感じる場合があるが、できる限りの騒音対策は取っている」という旨の説明はしておくようにしましょう。
騒音だけでなく排気にも注意する
エコキュートの騒音対策ももちろん大切ですが、盲点となりがちなのがエコキュートの排気問題です。
エコキュートの排気は外気温のマイナス10度程度の冷風が吹き出すので、冬の時期になると氷点下の冷風が排気されることも考えられます。
氷点下の冷風が窓や床下の通気口などに一晩中吹き付けられると、朝起きた際に想像以上に部屋が冷やされることになります。騒音問題だけでなくこのような排気の問題もあるので、エコキュートの設置場所は慎重に検討する必要があります。
まとめ
エコキュートの音による苦情の原因はヒートポンプユニットにあり、微細な振動を伴う低周波音による影響が大きいです。
エコキュートの騒音による苦情を受けないためには、設置前にご近所の方にあらかじめ説明し、その上で設置場所を慎重に検討することがいいでしょう。
しかし、設置後であっても防音壁や防音シート、防振ゴムといった対策が打てるので苦情がきた場合にはすぐに対策できるようにしましょう。
エコキュートは効率よくお湯を沸かすことができ光熱費を削減できるだけでなく、環境にもいいものです。ご近所の方に迷惑をかけないようしっかりと対策をとった上で導入するといいでしょう。