「石油給湯器に凍結防止機能ってついてる?対策も必要?」
石油給湯器の冬場の使用を前に、凍結防止に関して疑問に思っている方も多いでしょう。
石油給湯器には自動運転による凍結防止機能が備わっていますが、その機能内容を理解した上で、自動運転以外の対策も行う必要があります。
この記事では、自動凍結防止運転を作動させる方法とご自身で行うべき凍結防止対策3選を解説するとともに、実際に凍結してしまった場合の対処法も掲載中です。
さらに、凍結の対処時にやってはいけない3つの注意点まで分かります。
この記事が、石油給湯器の凍結防止に悩んでいる方のお役に立てば幸いです。
目次
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石油給湯器の自動運転機能による凍結防止とは
寒冷地でも使用されることの多い石油給湯器には、自動運転による凍結防止機能が備えられています。
ただし、適切な方法で扱わないと凍結防止機能が作動しないこともあるため、注意が必要です。
ここではまず、石油給湯器の自動運転による凍結防止機能を正しく作動させる3ステップをチェックしましょう。
1. 電源プラグをコンセントから抜かない
石油給湯器の自動運転凍結防止機能を作動させるためには、電源プラグからコンセントを抜かないことが最も重要です。
配管内やタンク内にお湯が残っている状態で電源を切ってしまうと、凍結防止機能が作動せずにお湯が凍結してしまいます。
電源プラグを差し込んだままにすることで、石油給湯器に搭載された凍結防止ヒーターが作動し、給湯器内の給水経路を保温できます。
これにより配管等などの凍結を防ぎ、冬場でもお湯を使い続けることが可能です。
2. 浴槽の循環口より10cm以上水を残す
追い焚き機能付きの石油給湯器で自動運転凍結防止機能を使うためには、浴槽に水を残しておくことも重要です。
浴槽の循環口より10cm以上の水を残しておくことで、浴槽内の水をふろ配管まで循環させ、ふろ配管の凍結を防ぐことができます。
ただし、特に冷え込みの厳しい時期ではこの対策のみでは不十分なことも多いです。
後述する「自動運転機能以外の凍結防止対策」から「夜間の通水を行う」も合わせて行ってください。
3. 凍結する外気温になると自動的に凍結予防を行う
1および2のステップを確実に行っていれば、外気温が凍結が懸念される温度に下がる前に自動運転機能が作動し、石油給湯器の凍結を防げます。
ただし、給湯器が故障していると自動運転機能が作動しないケースもあります。
給湯器の定期的なメンテナンスを行い、凍結防止機能などが正常に運転するかを随時確認することが重要です。
特に毎年冬に入る前の点検は、欠かさずに行いましょう。
石油給湯器の自動運転機能以外の凍結防止対策3選
ここまで、石油給湯器の自動運転凍結防止機能とその正しい使い方を見てきました。
自動運転以外では凍結防止対策として不十分なこともあるため、他の対策も合わせて行うのがおすすめです。
ここでは、自動運転機能以外に行いたい凍結防止対策を3つチェックしましょう。
夜間の通水を行う
石油給湯器の凍結を防ぐためには、夜間の通水を行うのも効果的です。
夜間は外気温が落ち込み特に凍結しやすい時間帯のため、蛇口から水を出し続けることでより効率よく凍結を防ぎたいものです。
厳寒期には、下記の手順に従って通水を行いましょう。
- リモコンのスイッチをオフにする
- お湯側の蛇口を開く
- 1分間に約400ccの水(約4~5mm)を流す
この凍結防止対策は、機器本体だけでなく配管やバルブなどの凍結予防にもつながります。
なお、シングルレバーの混合栓の場合は、レバーをお湯側にして蛇口を開いてください。
保温材やヒーターで配管を保温する
さらなる凍結防止対策としては、保温材やヒーターを用いて配管を保温する方法もおすすめです。
下記のような対策を行うことで、より冷え込みの厳しい時期でも凍結をしっかりと予防し、翌朝にお湯をいつも通りに使うことができます。
- 水道管に凍結防止ヒーターをつける
- 配管を保温材で保護する
- 配管に冷気が当たらないように壁などを設置する
上記のような対策は、自動運転機能や通水のみで効果が不十分な時には特におすすめです。
また、数年間給湯器を使っているものの今年初めて凍結したという場合にも有効です。
ただし、自動運転機能は必ずオンにしたままにし、夜間は適宜通水による凍結防止対策も行ってください。
長期間使用しない時は水抜きを行う
旅行などで長期間家を空ける場合には、石油給湯器の水抜きを行って凍結を防ぐことも重要です。
給湯器の水抜き方法をご紹介!凍結時に本当に必要かどうかも解説いたします!
配管内に水が残ったままで長期間家を空けてしまうと、配管内の水が凍結して配管の破裂や機器の損傷につながる恐れもあります。
石油給湯器の水抜きの手順は、下記の通りです。
- 石油給湯器のリモコンの運転スイッチを切り、給水元栓を閉める
- お風呂や台所などすべての給湯栓を開けて水抜きをする
- 給水元栓を閉め風呂側の水抜きに移る
- 浴槽の水を排水し運転スイッチおよび追い焚きスイッチをONにする
- お湯または水がふろ循環アダプターから出てくることを確認する
- 排水が終わったら追い焚きスイッチをOFFにする
- 再度追い焚きスイッチをONにして1分ほど待つ
- 排水が完全に終わったら運転スイッチを切る
- ふろ往水抜き栓・ふろ戻水抜き栓・ふろ水抜き栓・ポンプ水抜き栓を開ける
- 石油給湯器の電源プラグをコンセントから抜く
再び給湯器を使う場合には、上記の水抜きとは石油給湯器側およびお風呂側でそれぞれ逆の手順を行い、通水を行います。
給湯器を安全に使い続けるためにも、冬場に数日〜1週間以上家を空ける際には必ず上記の方法で水抜きを行ってください。
石油給湯器が凍結した場合の対処法5ステップ
ここまで石油給湯器の凍結防止対策を具体的に見てきました。
既述の対策を行い忘れてしまうこともありますし、対策が不十分で凍結してしまうこともあるでしょう。
続いて、石油給湯器が凍結した場合の対処法5ステップをチェックしてください。
1.水もお湯も出ないかお湯だけ出ないかを確認
石油給湯器が凍結してしまった場合はまず、水もお湯も出ないのか、お湯だけ出ないのかを確認してください。
お湯だけ出ない場合や高温のお湯が出ない場合には凍結ではない可能性も高く、温度は上がりにくいものの外気温の上昇を待つことで正常にお湯を使えるケースもあります。
一方で、外気温が急に下がった翌日に蛇口から水もお湯も出ない場合には、給湯器の凍結が疑われます。
元栓が回るか回らないかで、下記の2パターンに分けられます。
- 給水元栓が回らない:元栓の凍結
- 給水元栓は回るが水もお湯も出ない:元栓以外での凍結
上記のうち、元栓以外の凍結に関しては基本的に外気温の上昇を待つことになります。
一方で、元栓の凍結に対しては元栓周辺にぬるま湯をかける対策も有効です。
いずれの場合も、水漏れがある場合は配管の破裂なども疑われるため、水漏れの有無も必ず確認してください。
2. エラー表示を確認
続いて、給湯器のリモコンにエラー表示が出ていないかを確認しましょう。
エラーコードの解除方法は、メーカーや機器ごとに異なります。
凍結に関するエラーのみが出ているのか、その他の症状に関するエラーが出ているのかを確認してください。
その上で取扱説明書の指示に従い、エラーコードを解除しましょう。エラーコードを解除したら、リモコンの運転をOFFにしてください。
給湯器本体のコンセントを抜く必要はありません。
3. 気温上昇で自然解凍するのを待つ
次のステップとしては、外気温が上昇して自然解凍するのを待つことになります。
夜間の冷え込みによって凍結した場合、午前中から午後にかけて外気温が上がり、自然解凍するケースも多いです。
ただし、一日中冷え込みが厳しい時期などは、一度凍結してしまうとなかなか解凍しないこともあります。
給湯器の凍結への対処法としては、自然解凍を待つ方法が最も安全です。
ただし、すぐにでもお湯を使う必要がある場合には、ステップ4に移ってください。
4. 給水元栓の凍結にはぬるま湯をゆっくりかける
日中も冷え込みが厳しい場合や、今すぐにお湯を使う必要に迫られている場合など、自然解凍を待てないケースもあります。
そのような場合には、給水元栓にぬるま湯をかけて凍結に対処するのも一つの手です。
手順は下記の通りです。
- 給水元栓の周りにタオルを巻く
- 30~40度ほどのぬるま湯をヤカンなどからタオルにゆっくりかける
- 給水元栓が回ることを確認し開けていた蛇口を閉める
- 元栓の周りに巻いたタオルを外す
- ぬるま湯で濡れている箇所を乾いた布で拭く
上記の手順や温度を守らないと、配管の破裂などにつながる恐れもあります。
後述する「石油給湯器の凍結対処法における注意点3つ」も確認し、安全な方法で凍結に対処してください。
5. 水が出るようになったら水漏れがないかを確認
自然解凍またはぬるま湯による対処で水が出るようになったら、水漏れがないかを必ず確認しましょう。
給湯器本体や周辺の配管から水漏れしている場合、配管の破裂などの疑いもあります。
配管が破裂した状態で給湯器を使い続けるのは危険です。給水配管のバルブを止めて、水漏れの対処を行ってください。
水道業者や給湯器交換業者などに連絡をし、適切に対処することが重要です。
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石油給湯器の凍結対処法における注意点3つ
石油給湯器が実際に凍結してしまった場合には既述の正しい方法で凍結を解消したいものです。
しかし、手順を間違えると機器の安全を損ないご自身に危害が加わる恐れもあります。
石油給湯器の凍結対処法に関する、重要な3つの注意点を確認しておきましょう。
凍結した配管に熱湯をかけない
石油給湯器の凍結に対処する際は基本的に自然解凍を待つのが望ましいですが、早急にお湯を使いたい場合にはぬるま湯を給水元栓にかける対策も有効です。
ただし、この対策を行う際に熱湯をかけるのはNGです。
熱湯をかけると配管の損傷につながりやすく、修理費用がかさんでしまいます。
凍結によって配管が破裂するケースもありますが、破裂していなかったにもかかわらず熱湯をかけることで破裂させてしまうこともあるのです給水元栓にかけるお湯の温度は、必ず40度以下にしてください。
解凍に使用したぬるま湯は必ず拭き取る
既述のぬるま湯による対策を行ったあとは、必ずぬるま湯で濡れた箇所を拭き取ることが重要です。
給水元栓や配管にかかったぬるま湯は外気温で冷えてしまうため、再び凍結する原因にもなりかねません。
ぬるま湯で解凍を行った場合は、必ず水滴が残らないように乾いた布でしっかりと拭き取ってください。
給湯器に降り積もった雪は不完全燃焼の原因になる
外気温の冷え込みによる配管の凍結に加え、給湯器本体に降り積もる雪にも注意する必要があります。
給湯器の給気・排気口・排気筒に積もった雪は、不完全燃焼や異常着火の原因にもなりかねません。
降雪があった際には必ず給湯器周辺の積雪も確認し、必要に応じて雪を除去してください。
石油給湯器が凍結して故障した場合の対処手順2ステップ
石油給湯器の凍結に際して、安全を期して適切な手順を踏んでいても、配管が破裂したり給湯器が故障して使えなくなったりすることも多いです。
続いて、石油給湯器が凍結に伴い故障してしまった場合の対処手順2ステップを見ていきましょう。
故障の症状や水漏れの有無などを確認
石油給湯器が凍結により故障した場合にはまず、故障の具体的な症状や水漏れの有無などを確認します。
給湯器の故障といっても、お湯のみが使えなくなったのか、給湯器が全く作動しなくなったのかなど、症状は異なります。
リモコンにエラーコードが出ている場合、エラーを解除して正常に動作するケースもあります。
また、水漏れの有無も必ず確認しましょう。
給湯器や配管から水漏れしている際には、配管が破裂した可能性が高いです。
そのまま給湯器を使用し続けるのは危険なため、すぐに使用を中止しましょう。
給湯器専門業者に修理・交換を依頼する
給湯器の故障の症状や水漏れの有無を確認したら、給湯器専門業者に連絡をしてください。
その上で、チェックした症状をできるだけ具体的かつ仔細に伝えることが重要です。
その上で業者に自宅を訪問してもらい、給湯器の点検へと進みましょう。
点検の結果、一部の部品交換や修理で住むこともあれば、石油給湯器本体の交換が必要なケースもあります。
専門業者や家族とも相談しながら、予算に合う形で修理や交換を行うことが重要です。
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石油給湯器 凍結でよくある質問
最後に、石油給湯器の凍結に関してよくある2つの質問をチェックしましょう。
コロナとノーリツの石油給湯器では凍結対処法が異なる?
コロナ製の石油給湯器に関してもノーリツ製の石油給湯器に関しても、凍結対処法は基本的に同じです。
本記事でお伝えした対処法の手順を守り、安全を期して実施してください。
なお、エラーコードの解除法はメーカーおよび型番ごとに異なるため、取扱説明書の指示に従いましょう。
また、解凍時に熱湯をかけない点やぬるま湯は必ず拭き取る点など、注意事項はメーカー問わずに必ず守りましょう。
石油給湯器が凍結で故障した場合の修理・交換費用相場は?
一部の修理であれば費用は2~3万円以下で済むケースも多いですが、石油給湯器本体の交換であれば20~30万円以上の費用がかかります。
給湯専用であれば比較的費用は安いですが、オートタイプやフルオートタイプ、省エネ性の高いエコフィール であればより価格は高いです。
石油給湯器 凍結 まとめ
この記事では、石油給湯器の凍結に関して詳しく見てきました。
石油給湯器の凍結を防ぐためには、下記の対策を行うことが重要です。
- 電源を抜かず浴槽に水を残して自動運転機能を作動させる
- 夜間の通水を行う
- ヒーターや保温材を活用する
- 長期間家を空ける時は水抜きを行う
上記の対策を施しても、石油給湯器が凍結してしまうこともあります。
実際に凍結してしまった場合には自然解凍を待つのが最も安全ですが、すぐにお湯を使いたい場合などは熱湯ではなくぬるま湯をかけて対処しましょう。
また、凍結に対処できない場合や凍結に伴って給湯器が故障した場合には、水道業者や給湯器専門業者に任せるのがおすすめです。
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