「石油給湯器の灯油代とガス給湯器のプロパンガス代はどっちが安いの?」
給湯器選びに際して、どの燃料代が安いのか気になっている方も多いでしょう。
この記事では、石油給湯器の灯油代とガス給湯器のプロパンガス代のどちらが安いのかを比較するとともに、石油給湯器とガス給湯器の初期費用やおすすめの人の違いも解説します。
さらに、プロパンガスのガス代が高い時の対策3選や給湯器の選び方のポイント3選もお伝えするので、安くて自分に合った給湯器をすんなり選ぶことができます。
この記事が、給湯器のコストに悩んでいる方のお役に立てば幸いです。
目次
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石油給湯器とガス給湯器の違いとは
石油給湯器とガス給湯器を比較して選ぶ際には光熱費の安さが気になりますが、そもそもどのような給湯器なのかも知っておきたいものです。
石油給湯器とガス給湯器の仕組みの違いおよびそれぞれのメリット・デメリットをチェックしましょう。
石油給湯器 | ガス給湯器 | |
燃料 | 灯油 | 都市ガスorプロパンガス |
メリット |
・火力が強い |
・瞬間的にお湯を沸かせる ・設置スペースを取らない ・初期費用が安い ・メンテナンスしやすい |
デメリット | ・広い設置スペースと灯油の補充が必要 ・初期費用がガス給湯器より高い ・燃料音がやや大きい |
・石油よりランニングコストが高い(特にプロパンガス) ・屋内設置時は排気設備が必要 |
おすすめな人 | ・ランニングコストの安さを重視する人 ・ガス関連のトラブルが嫌な人 ・寒冷地にお住まいの人 |
・初期費用を安く抑えたい人 ・コンパクトな給湯器を希望する人 ・燃料切れしない給湯器を希望する人(都市ガスの場合) |
石油給湯器の特徴
石油給湯器は、灯油を使ってお湯を作るタイプの給湯器です。灯油ボイラーと呼ばれることもあります。
灯油を霧状にして燃焼させる噴霧式や、内蔵された気化器でガス化して燃焼させる気化式の2つが主流です。
また、給湯スタイルとしては水道直圧式と貯湯式があります。
いずれのタイプでも、灯油タンクを設置することになるため、広いタンクスペースを必要とします。
また、灯油タンクの補充が必要な点もネックです。
一方で、火力の強さやランニングコストの安さはメリットとなります。
北海道などの寒冷地では広く用いられているタイプの給湯器であり、寒冷地での安全性も高いです。
- メリット:火力が強い、給湯コストが安い、寒冷地で広く用いられている
- デメリット:広い設置スペースと灯油の補充が必要、初期費用がガス給湯器より高い、燃料音がやや大きい
- おすすめな人:ランニングコストの安さを重視する人、ガス関連のトラブルが嫌な人、寒冷地にお住まいの人
ガス給湯器の特徴
ガス給湯器は、ガスを燃料としてお湯を沸かすタイプの給湯器です。現在使用されている給湯器の約6割以上がガス給湯器と言われています。
ガスの種類としては、都市ガスとプロパンガスの2種類があります。
また、給湯タイプとしては瞬間式と貯湯式の2種類があり、瞬間式の方が主流です。
ガス給湯器は瞬間的にお湯を沸かすことができ、機器がコンパクトな点がメリットです。
また、他の給湯器に比べて初期費用が安い点も人気の理由となっています。
一方で、灯油に比べて給湯コストが高い点や、屋内に設置する場合は給排気設備が必要な点はデメリットです。
設備に不備があると一酸化炭素中毒などを起こす恐れもあるため注意が必要です。
- メリット:瞬間的にお湯を沸かせる、設置スペースを取らない、初期費用が安い、メンテナンスしやすい
- デメリット:石油よりランニングコストが高い(特にプロパンガス)、屋内設置時は排気設備が必要
- おすすめな人:初期費用を安く抑えたい人、コンパクトな給湯器を希望する人、燃料切れしない給湯器を希望する人(都市ガスの場合)
石油給湯器(灯油ボイラー)とガス給湯器の初期費用を比較
石油給湯器とガス給湯器のどちらを選ぶか決める上では、初期費用を比較しておきたいものです。
石油給湯器とガス給湯器では、一般的にガス給湯器の方が初期費用が安い傾向にあります。
石油給湯器とガス給湯器の価格相場および工事費用相場を比較すると、下記の通りです。
本体価格 | 工事費用 | |
石油給湯器 | 15~35万円 | 5万円程度 |
ガス給湯器 | 10~25万円 | 5万円程度 |
ガス給湯器の中でも安い機器を購入した場合、初期費用を15万円以下に抑えられるケースもあります。
一方で、石油給湯器は20万円以上の初期費用がかかることも多く、ハイスペックな機器の場合には35~40万円近い初期費用が発生します。
このように、石油給湯器とガス給湯器の初期費用を比較するとガス給湯器の方が安く、初期費用を抑えたい人や予算があまりない人にはガス給湯器がおすすめです。
ただし、上記費用はあくまで目安であり、号数や給湯能力、その他スペックによって同じタイプでも価格差があります。
灯油(石油給湯器)とプロパンガス・都市ガス(ガス給湯器)の光熱費を比較
石油給湯器とガス給湯器のどちらを選ぶか決める上では、月々の光熱費がどれくらいかかるのかも気になるものです。
石油給湯器の給湯器にかかる灯油代と、ガス給湯器のプロパンガスまたは都市ガスのガス代を同条件で比較すると、下記のようになります。
給湯にかかるコスト(月) | |
石油給湯器 | 5,000円〜6,000円 |
ガス給湯器 | 都市ガス:5,500円~7,000円 |
プロパンガス:7,000~10,000円 |
上記のように、ガス給湯器は石油給湯器に比べてランニングコストが高く、特にプロパンガスを使用している場合の給湯コストは高くなります。
このことから、月々のランニングコストを抑えて長期的に節約したい人には、ガス給湯器よりも石油給湯器の方がおすすめです。
ただし、機器によっても本体価格や節約率は異なります。
ご自身の予算や使用目的、使用頻度なども考慮し、最適な給湯器を選びましょう。
プロパンガスのガス代が高い場合の対策3選
石油給湯器に比べてガス給湯器は燃料代が高く、特にプロパンガスを使用している場合にはガス代がかさみやすいです。
寒冷地では特にお湯を多く使う冬場にはガス代が高額になりやすく、どうにかガス代を抑えたいと考えている方も多いでしょう。
ここでは、プロパンガスのガス代が高い場合の対策を3つ見ていきましょう。
ガス会社を変更する・都市ガスに変更する
プロパンガスのガス代が高い場合には、ガス会社を変更する、または都市ガスに切り替えるという対策が考えられます。
都市ガスは導管が通っているエリアでしか利用できませんが、都市ガスはガスボンベで供給するものです。
そのためガスボンベの供給コストが発生し、都市ガスよりも単価が高くなる傾向にあります。
そのため、単価の安い都市ガスに変更することでガス代を節約できます。
ただし、導管の引かれていないエリアでは別途引き込み工事などが必要となる点に注意してください。
また、プロパンガスは都市ガスよりも前に自由化されており、ガス会社を変更することでコストを削減できることも多いです。
ガス会社の中には電気とのセット割引などを提供している会社もあります。
複数のガス会社を比較して積極的に契約変更することで、ガス代を年間2~3万円以上節約できるケースもあります。
石油給湯器に買い替える
ガス給湯器のプロパンガスの費用が高い場合には、給湯器の種類を石油給湯器に切り替える対策も挙げらます。
既述の通り、ガスと灯油では灯油の方が費用が安く、石油給湯器に買い替えることで給湯にかかるコストを約3分の2程度に抑えられるケースも多いです。
特にプロパンガスから石油給湯器に切り替える場合には節約率が高くおすすめです。
ただし、新たに給湯器を購入する費用を考慮しなければならないこと、そしてガス給湯器に比べて石油給湯器の方が初期費用が高いことは理解しておきましょう。
エコキュートに買い替える
給湯器の種類を切り替えてより大幅な節約をしたい場合には、ガス給湯器からエコキュートに買い替えるのもおすすめです。
エコキュートに切り替えた場合の節約率はさらに高く、プロパンガスからの切り替えで給湯コストを3分の1以下に削減できるケースが多いです。
ただし、エコキュートは石油給湯器以上に初期費用が高く、70万円近い費用がかかるケースも多いです。
そのため本体価格をランニングコストで回収するまでには5年以上の年月がかかる点を理解しておきましょう。
エコキュートを交換できないのは、どんなケース?設置スペースの問題など
灯油(石油給湯器)・プロパンガス(ガス給湯器)よりもエコキュートが安い?
(出典:パナソニック)
給湯器にかかる給湯コストをできるだけ安くしたい方にとっては、エコキュートを選ぶという選択肢もあります。
エコキュートは大気熱をヒートポンプユニットに取り込み、電気の力でお湯を沸かすタイプの給湯器です。
石油給湯器の灯油やガス給湯器のプロパンガスまたは都市ガスのように燃料を必要とせず、給湯コストは3つの中で最も安いです。
ただし、エコキュートは初期費用が3つの中で最も高い点がネックとなります。
エコキュートと石油給湯器・ガス給湯器のランニングコストと初期費用を比較すると、下記の通りです。
給湯コスト(月) | 初期費用 | |
石油給湯器 | 5,000円〜6,000円 | 20~50万円 |
ガス給湯器 | 5,500円~7,000円(都市ガス)・7,000~10,000円(プロパンガス) | 10~30万円 |
エコキュート | 約2,000円 | 40~70万円 |
上記の通りエコキュートに切り替えた場合の月々のランニングコストは、石油給湯器の灯油代やガス給湯器の都市ガス代に比べて2分の1以下に抑えられるケースも多いです。
ガス給湯器でプロパンガスを使用している場合の節約率は、より高くなるでしょう。
しかし、エコキュートの高価な機器本体の価格差を回収するためには、安全に4〜5年以上使い続ける必要があります。
また、エコキュートは石油給湯器やガス給湯器に比べて広い設置スペースを必要とする点などもデメリットです。
エコキュートを導入する場合には、給湯コストの安さというメリットだけでなくデメリットも考慮する必要があるでしょう。
灯油やガス給湯器、エコキュートなどを選ぶ際のポイント3つ
給湯器を選ぶ上では灯油やガス、電気などの燃料別タイプをまずは選ぶ必要がありますが、その上で使用目的や家族人数に合った製品を選ぶことも重要です。
石油給湯器やガス給湯器などどのタイプにおいても重要となる3つのポイントを、チェックしてください。
使用目的やライフスタイルに合った種類の給湯器を選ぶ
給湯器を選ぶ際には、使用目的やライフスタイルに合ったタイプを選ぶことが重要です。
給湯器は機能別に給湯専用・オートタイプ ・フルオートタイプに分けられます。
3つの違いは、下記の通りです。
- 給湯専用
- オート:お湯はり・追い焚き・保温までが自動
- フルオート:お湯はり・追い焚き・保温・足し湯・配管洗浄など全てが全自動
フルオートタイプは設定した水位まで自動でお湯はりができたり、自動で配管洗浄まで行えるなど機能が豊富です。
その反面、オートタイプや給湯専用に比べて費用が1.5~2倍程度高くなります。
例えば石油給湯器の場合、給湯専用であれば20万円台前半で購入できる製品が、同シリーズのフルオートの場合40万円以上かかるというケースもあります。
費用と性能の違いを考慮し、家族とも相談しながら予算と目的に合った給湯器を選んでください。
家族人数に合わせて十分なタンク容量を選ぶ
給湯器の選び方のポイントとしては、家族人数に合わせて十分な容量を選ぶことも挙げられます。
家族人数に対して小さい給湯器を選ぶと、下記のようなトラブルを起こしかねません。
- 同時使用により水勢が弱くなる
- (貯湯式の場合には)お湯切れを起こす
一方で、使用湯量が少ないにも関わらず容量の大きな給湯器を選ぶと、初期費用が無駄にかさんでしまいます。
このような点を考慮し、どのタイプの給湯器を選ぶ場合でも、人数に合った容量を選びましょう。
例えば、石油給湯器では3万キロ/4万キロ(給湯能力)から選ぶのが一般的ですが、4人以上の家庭では4万キロを選ぶのが無難です。
また、ガス給湯器の場合には16号・20号・24号などの号数を選びますが、4人以上の家庭では24号を選ぶのがおすすめです。
給湯器の号数とは?計算方法や失敗しない選び方も解説いたします!
寒冷地では寒冷地仕様の給湯器を選ぶ
寒冷地における給湯器選びでは、寒冷地仕様の給湯器を選ぶことも重要です。
冬場に外気温がマイナス10度以下になる寒冷地で一般向け給湯器を使用すると、給湯器が壊れてお湯を使えなくなることもあります。
寒冷地仕様の給湯器であれば、下記のような機能が搭載されているため、寒さの厳しい地域でも安全に使い続けられます。
・マイナス10度以下でも運転可能
・凍結防止ヒーターが内蔵・配管凍結防止運転機能が搭載されている
希望する給湯器が寒冷地仕様かどうか分からない場合には、給湯器を購入する業者に尋ねるのも一つの手です。
厳しい寒さの中でも安全に給湯器を使い毎日安心してお湯を使い続けるために、寒冷地では必ず寒冷地向け給湯器を選んでください。
寒冷地におすすめなエコキュート3選!選び方や寒冷地仕様の違いも解説
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灯油とプロパンガス どちらが安い まとめ
この記事では灯油とプロパンガスのコストの違いおよび石油給湯器とガス給湯器の違いを詳しく見てきました。
灯油とプロパンガスの給湯コストを比較すると、灯油の方が安いです。
一方で、給湯器本体の価格は石油給湯器よりもガス給湯器の方が安いため、予算や長期的な節約率、使用目的にも合わせて給湯器を選ぶことが重要です。
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