「オール電化に必要なアンペア数って、一体どのくらい?」
オール電化への切り替えを検討しており、契約する電気量が気になっている方も多いでしょう。
この記事では、オール電化に必要なアンペア数の目安をエコキュートの場合も含めてお伝えします。
さらには電化製品ごとの使用アンペアの目安や現在のアンペア数を確認する方法、オール電化でのアンペアに関する注意点も必見です。
この記事が、オール電化への切り替えやエコキュートの使用に関して悩んでいる方のお役に立てば幸いです。
目次
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そもそもアンペアとは?
オール電化への切り替え時に気になるアンペアですが、そもそも何を表す単位でしょうか。
アンペアとは、電流の量を表す単位で「A」と表記します。
家庭での電力の契約においては、家全体で一度に使える電気の量を表すものです。
一般的な家庭では、10~100Aほどで利用されることが多いです。
一般的な電化製品を単体で使う上ではさほど気にする必要のないアンペアですが、複数の電化製品を同時に使用する際には注意が必要です。
電化製品の同時使用により契約している電力の容量を超えてしまうと、ブレーカーが落ちてしまいます。
例えば、契約しているアンペアが20Aの場合、15Aの電子レンジと15AのIHクッキングヒーターを同時に使用することはできません。
オール電化に切り替えて複数の電化製品を同時に使いたい場合、特に家族の人数が多い場合には、契約容量を大きくする必要があります。
オール電化に必要なアンペア数の目安
契約するアンペア数は電化製品の同時使用時にネックとなるものですが、オール電化ではどのくらいのアンペア数が必要でしょうか。
一人暮らしの場合・二人暮らしの場合・エコキュート使用の場合に分けてアンペア数の目安を確認しましょう。
一人暮らしの場合
一人暮らしの場合、最低でも20~30Aが必要となります。
一人暮らしでもテレビ・IHクッキングヒーター・リモコンなどの電化製品を同時に使用するケースは多いです。
特に夏・冬などのエアコンを多く使用する時期や、電子レンジとIHクッキングヒーターを同時に使用する頻度が多い場合では、30A以上の電気量が必要です。
一人暮らしでは基本的に30Aを選ぶのがおすすめですが、同時に使用する電気量が多いという方は、余裕をもって40Aで契約しておくと無難です。
二人暮らし以上の場合
二人暮らし以上の場合、最低でも30Aが必要ですが、場合によっては50~60Aあると安心です。
二人暮らしの場合でも同時に使用する電気量が一人暮らしとさほど変わらないケースもあり、30Aでも十分な方もいます
一方で、複数人で暮らしている場合には、同時に複数の電化製品を使用する場面は必然的に増えるため、50~60Aを契約していると安心でしょう。
例えば、キッチンで一人が電子レンジとIHを同時に使って料理をしている時に、もう一人がドライヤーなどを使用している場合には、容量不足になるケースも多いです。
このような場面に備えて、二人暮らし以上では50~60A以上を契約するのがおすすめとなります。
エコキュートの場合
オール電化でエコキュートを使用している場合には、エコキュートを使用していない場合に比べて使用電気量が増えます。
エコキュートのアンペア数の目安は16~19Aです。
IHクッキングヒーターは20~30A・電子レンジは15Aが目安であり、これらを同時に使用する際に備えて通常よりも大きな電気量の契約が必要です。
エコキュートを使用している場合でも、1~2人暮らしで使い方に注意すれば、60Aで問題なく使用できるケースもあります。
ただし、調理中などにブレーカーが落ちるのを避けるためにも、人数やライフスタイルに応じて、60~100A程度で安心できる容量を選ぶのが無難です。
オール電化での電化製品ごとの使用アンペア目安
オール電化で電化製品を快適に使用するためには、各電化製品ごとの使用アンペアも知っておきたいものです。
エコキュートおよびその他の電化製品の使用アンペア目安を確認してください。
エコキュートの使用アンペア
エコキュートによる湯沸かしには、16~19Aを必要とします。
エコキュートが稼働するのは基本的に夜間であり、他の電化製品を使う確率は低いです。
しかし、お湯切れによって日中に稼働する際に調理を行うと、容量不足になるケースもあるため、注意が必要です。
その他の電化製品の使用アンペア
その他の電化製品の使用アンペア目安は、下記の通りです。
電化製品 | アンペア数の目安 |
電球 | 0.5A |
洗濯機 | 2.0A |
こたつ | 2.0A |
テレビ(液晶42型) | 2.1A |
冷蔵庫(450L) | 2.5A |
掃除機 | 弱2.0A/強10.0A |
ヘアドライヤー | 12A |
電気炊飯器 | 13A |
アイロン | 14A |
電子レンジ | 15A |
エアコン |
・冷房:5.8A/立ち上がり時14A |
なお、使用している電化製品のアンペア数が分からないケースもあるでしょう。
そのような場合は、電化製品に記載された消費電力(W/kW)を確認し、アンペア数を計算します。
アンペア数は「消費電力(W) ÷ 電圧(V)」で算出されます。
家庭の電化製品に使用する電源は100Vまたは200Vであり、消費電力が1500Wの電子レンジを100Vの電源で使用した場合のアンペアは下記の通りです。
1500W ÷ 100V = 15A
各電化製品のアンペアが分からない時は、上記の方法で計算をし、容量を超えないかどうかを判断してください。
アンペア数の電気料金の違い
場合によっては契約するアンペア数の変更が必要なケースもありますが、やはり気になるのは電気料金でしょう。
オール電化の場合、アンペア制だがオール電化ではない場合に分けて、電気料金の違いをチェックしてください。
オール電化住宅の場合
オール電化住宅での年間平均電気料金は、約19万円程度とされています。
ただし、電力会社及び契約プランごとにアンペア数に応じた電気料金は変わります。
例えば、東京電力の電気基本料金は「従量電灯B」および「スマートライフS」の両方で、10A/286円となっています。
つまり、アンペア数を10上げるごとに基本料金が286円加算されます。
他の例では、10Aまで基本料金が定額になる電力会社・プランも存在します。
これに、使用量に応じた電気料金が発生する仕組みですが、オール電化向けのプランでは夜間の電気料金が安いケースも多いです。
ご自身が契約しているアンペアとともに時間帯で電気料金が変わるのかなどのプラン内容も確認し、必要に応じて契約を変更しましょう。
アンペア制でオール電化ではない場合
既述の通り、東京電力のスマートライフSはオール電化向けのプランですが、オール電化住宅ではなく従量電灯Bを契約している場合にも、10Aごとに286円の基本料金が発生します。
また、オール電化向けのプランでは夜間の電気料金が安いなど、時間帯によって料金が変わるプランも多いですが、一般的な契約プランでは時間帯によって電気料金が変わらないケースが多いです。
なお、アンペア制ではない場合、60Aまで料金は変わりません。
そのため、特別な事情がない限り、60Aで契約しておくのが無難と言えます。
現在のアンペア数を確認する方法2つ
アンペア数の変更が必要なケースもありますが、変更するかどうかは現在のアンペア数によっても異なります。
現在のアンペア数を確認する方法は、主に下記の2つです。
分電盤で確認する
現在のアンペア数は、分電盤で確認できます。
分電盤の中にあるブレーカーに書かれている数字や色をチェックすることで、ご自宅で契約している現在のアンペア数が分かります。
ブレーカー内に50Aと書かれていたら、契約しているアンペア数は50Aです。
また、電力会社によってはブレーカーのラベルが色分けされているケースもあります。
なお、アンペア制を採用していないエリアでは、一般的な住宅で50A・オール電化住宅では60Aまたは100Aに設定されているケースが多いです。
請求書・検針票で確認する
現在契約しているアンペア数は、請求書や検針票でも確認可能です。
毎月送付される電気代の請求書や検針票には、必ず契約中のアンペア数の記載があります。
現在では紙の請求書なしで支払いを済ませるケースも多いですが、請求書や検針票がない場合には、オンラインでも確認ができます。
電力会社の会員ページにログインをして、契約内容を確認してみてください。
オール電化でアンペア数を変更する際の工事と費用
オール電化でアンペア数を変更する場合には、工事が必要となります。
どんな工事や手続きが必要となり、どれくらいの費用がかかるのかを確認してください。
アンペア数変更に必要な工事と手続き
アンペア数を変更するためには、契約している電力会社に連絡をして変更希望の旨を伝える必要があります。
電話でアンペア変更の旨を伝えるか、インターネット上で契約内容の変更を行ってください。
東京電力であれば、「0120-995-001」への電話、またはTEPCOホームページから「現在のご契約に関するお手続き」より「ご契約内容の変更(アンペア、郵送先変更のお手続き)」より行えます。
契約変更を依頼すると、電力会社の職員が訪問し、旧ブレーカーの撤去および新ブレーカーの設置を行ってくれます。
工事は1時間以内に終わるケースも多いです。
なお、同工事中は停電状態となることを、あらかじめ理解しておきましょう。
アンペア数変更にかかる費用
アンペアの契約変更を電力会社に依頼した場合、費用は基本的に無料です。
しかし、幹線の張替えや単二から単三への切替が必要な場合には有料のケースもあります。
単二から単三への切替工事の費用相場は、7~15万円程度です。
オール電化のアンペア数に関する注意点4つ
オール電化においては電化製品を同時使用する場面も多く、アンペアの変更が必要なケースもあります。
オール電化のアンペア契約変更前に知っておきたい、4つの注意点をチェックしてください。
アンペア数の変更は原則1年に1回
オール電化で契約電力量を変更する際には、アンペア数の変更は原則1年に1回であることに注意してください。
そのため、電気使用量の多い夏と冬のみアンペアを上げて、それ以外の季節は小さい容量に戻すといったことはできません。
アンペア数の変更は1年に1回のみであることを念頭に、ライフスタイル・家族構成に合わせた契約変更を行ってください。
アンペアや電気料金は電力会社ごとに異なる
アンペアや電気料金が電力会社ごとに異なる点にも、注意が必要です。
第一に、アンペア制を採用しているかどうかは電力会社によります。
アンペア制を採用している電力会社は、下記の通りです。
- 北海道電力
- 東北電力
- 東京電力
- 中部電力
- 北陸電力
- 九州電力
関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力では、使用量に応じた最低料金を支払う制度を採用しています。
また、アンペア制の電力会社でも、電力会社・プランごとにアンペア数に応じた電気料金は異なります。
例えば、東京電力の従量電灯Bでは、10Aの料金単価が258円です。
20Aでは572円、30Aでは858縁となります。
このような電力会社およびプランごとの電気料金/アンペアを確認し、ライフスタイルや予算に合った契約を行いましょう。
オール電化ではクッキングヒーターのアンペアに注意する
オール電化では、クッキングヒーターのアンペアにも注意が必要です。
オール電化では電化製品を一つ増やすだけで電力の負担が大きくなり、契約容量を超えてしまうケースもあります。
オール電化ではIHクッキングヒーターを使用することが多いですが、クッキングヒーターは1口あたり20~30Aが必要となります。
調理中にブレーカーが落ちてしまうとかなり不便なため、クッキングヒーターの使用電力が大きいことを念頭に、余裕をもった電力量の契約を行うのがおすすめです。
エコキュートは湯切れによる使用電力増加にも注意する
エコキュート使用の場合には、エコキュートのお湯切れによる使用電力の増加にも注意してください。
既述の通り、エコキュートによる湯沸かしには16~19A程度の電力を使用します。
通常エコキュートによる湯沸かしは電気料金の安い夜間に行われるため、他の電化製品を使用との兼ね合いでブレーカーが落ちる可能性は低いです。
しかし、貯湯タンクが湯切れした場合には、日中であっても自動的に湯沸かしを行います。
これにより、電気料金がかさむだけでなく、使用電力が増えることで、他の電化製品も使用している場合にブレーカーが落ちる可能性も高まります。
オール電化でエコキュートを使用している方は、エコキュートが日中にお湯切れし、他の電化製品との兼ね合いで契約電力を超えるケースに、十分に注意してください。
余裕のある電力の契約を行った上で、日中にお湯切れしないような計画的な使い方をするのがおすすめです。
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オール電化 アンペア まとめ
この記事では、オール電化のアンペアについて詳しく見てきました。
オール電化での契約アンペア数の目安は下記の通りです。
- 一人暮らし:30~40A
- 二人暮らし:50~60A
- エコキュート:湯沸かしに16~19Aを使用 →60A以上が目安
なお、電化製品ごとのアンペア数が分からない場合には「消費電力(W) ÷ 電圧(V)」で計算することができます。
家族人数やライフスタイルに合わせて余裕のあるアンペア数を契約し、快適なオール電化生活を送ってください。