「ヒートポンプ給湯器がおすすめと聞いたけど、何が良いの?」
給湯器選びを迷っており、ヒートポンプ給湯器が気になっている方も多いでしょう。
この記事では、ヒートポンプ給湯器の仕組みや種類、導入するメリットをお伝えします。
さらに、ヒートポンプ給湯器のデメリットやおすすめな人の特徴まで分かるため、ご自身がヒートポンプ給湯器を購入すべきか客観的に判断できます。
この記事が、給湯器選びに悩んでいる方のお役に立てば幸いです。
目次
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ヒートポンプ給湯器とは?
ヒートポンプ給湯器とはどんな給湯器なのか、まずはその仕組みと寿命をチェックしましょう。
ヒートポンプ給湯器の仕組み
ヒートポンプ給湯器は、空気中にある大気熱と電気を利用してお湯を沸かす給湯器です。
従来の電気式給湯器は電気のみを利用してお湯を沸かしていましたが、ヒートポンプ給湯器は大気熱も取り込むため、より少ないエネルギーでお湯を沸かせます。
従来の電気温水器などに比べると、消費するエネルギーは約3分の1まで削減可能です。
ヒートポンプ給湯器は、下記の2つの構造に分かれています。
- ヒートポンプユニット:大気熱を取り込んで熱を作り出す機構
- 貯湯ユニット:ヒートポンプユニットとつながっており、作ったお湯を貯めておく部分
(出典:三菱電機)
ヒートポンプユニットには、熱交換器やコンプレッサーなどが組み込まれています。
空気中からくみ上げた熱をコンプレッサーで圧縮して高温化し、熱交換器で水に熱を伝えてお湯を作るという仕組みです。
ヒートポンプユニットや貯湯ユニットはサイズが大きいため、基本的には屋外の設置スペースが必要です。
ヒートポンプ給湯器の寿命
ヒートポンプ給湯器の寿命は、約10年が目安です。
使い方によっては15年程度まで使えるケースもあり、従来のガス給湯器などに比べると長持ちしやすいです。
ただし、使用年数が長くなるにつれて不具合や故障は起きやすくなるため、定期的なメンテナンスは必須と言えます。
また、ヒートポンプ給湯器は光熱費が安い反面初期費用がかさむため、大切に扱って長く使用し、長期的な節約を実践したいところです。
ヒートポンプ給湯器の種類とメーカー
(HITACHI製のエコキュート)
ヒートポンプ給湯器は、電気だけでなく大気熱も利用する給湯器で、効率よくお湯を作ることが可能です。
そんなヒートポンプ給湯器は、業務用の製品と家庭用の製品に分かれます。
業務用はホテルや病院などの大きな施設で使われるもので、家庭用と比べるとタンクの大きさや給湯量が桁違いです。
私たちが一般的に使用する家庭用は、下記の3種類に分かれます。
- 給湯専用:給湯のみが可能
- セミオートタイプ(オートタイプ):自動お湯張り・自動追い焚き・手動たし湯が可能
- フルオートタイプ:自動お湯張り・自動追い焚き・自動たし湯・自動配管洗浄が可能
上記の通り、「給湯専用 < セミオート < フルオート」の順に多機能になり、価格も高くなります。
家庭用のヒートポンプ給湯器は主に「エコキュート」の名前で販売されており、主要メーカーには下記の通りです。
- 三菱電機
- パナソニック
- ダイキン
- コロナ
- 日立
三菱電機の「バブルおそうじ」機能(自動で配管部分などを洗浄する)やパナソニックの「AIエコナビ」機能(センサーで浴室に来た人を感知し、加熱開始する)など、メーカーごとにもエコキュートの特徴は異なります。
ヒートポンプ給湯器を選ぶ際は、既述の機能別のタイプやメーカーごとの特徴、家庭人数に合わせたタンク容量を考慮してご自身に合ったものを選びましょう。
ヒートポンプ給湯器のメリット4選
ヒートポンプ給湯器の概要が分かったところで、他の給湯器と比べた際のメリットを4点チェックしましょう。
給湯効率が高く大幅な節約が可能
ヒートポンプ給湯器は、給湯効率が高く電気代を節約できる点がメリットです。
既述の通り、ヒートポンプ給湯器は従来の電気温水器などに比べて約3分の1のエネルギーでお湯を作れます。
また、基本的には電気料金の安い深夜の間にお湯を沸かします。
そのため、電気代に関しても3分の1〜4分の1程度節約できるケースが多いです。
例えば、電気温水器を使用していた際の電気代が約5,000円/月だったのに対し、エコキュートに切り替えたことで約1,500円/月になったケースなどがあります。
この場合、年間の電気代は約60,000円(電気温水器)に対して約18,000円(エコキュート)と、かなりの節約を実践できます。
このように、給湯効率が高いため大幅な節約が可能な点は、ヒートポンプ給湯器の大きな強みです。
ガスを使わないためエコ
ヒートポンプ給湯器のメリットとしては、ガスを使わないためエコである点も挙げられます。
ヒートポンプ給湯器は、再生可能エネルギーである大気熱を活用しており、使用電力も抑えられます。
そのため、エコライフのためにガスを極力使いたくない方や、ガス給湯器の臭いが嫌だった方でも安心して使用できるでしょう。
ガスを使わない環境に優しい給湯器を探している場合、ヒートポンプ給湯器はおすすめだと言えます。
オール電化住宅に最適
ガスを使わず電気代のみが発生するヒートポンプ給湯器には、オール電化住宅に最適というメリットもあります。
ガスから電力への一本化を行う際には、ガス給湯器などからヒートポンプ給湯器に買い替えることが可能です。
また、ヒートポンプ給湯器は基本的に夜間の安い電気料金でお湯を沸かすため、従来の電気温水器などに比べても電気代を節約できます。
オール電化住宅に適している上に、電気代の節約を実践できるのは、ヒートポンプ給湯器ならではの強みです。
オール電化住宅への引っ越しなどを検討している方にも、ヒートポンプ給湯器はおすすめです。
非常時の生活用水として使用可能
ヒートポンプ給湯器の意外なメリットとしては、非常時の生活用水として活用できる点が挙げられます。
ヒートポンプ給湯器は、貯湯式の給湯器であり、事前に作ったお湯をタンク内に貯めておけます。
最低でも270Lのお湯を貯めることができますが、容量の大きいものでは460Lのお湯を貯湯可能です。
そのため、地震に伴う停電時などにも、一定期間はお湯を使うことができます。
また、断水時にもタンク内のお湯を非常時用取水栓から取り出すことが可能です。
そのため、蛇口やシャワーから水が出ない非常時でも安心でしょう。
このように、非常時にも役立つ点もヒートポンプ給湯器のメリットの一つです。
ヒートポンプ給湯器のデメリット4選
ヒートポンプ給湯器を購入する前に、そのデメリットも知っておきたいものです。
購入前に理解しておきたい主なデメリット4点をチェックしましょう。
本体価格が高く初期費用がかさむ
ヒートポンプ給湯器は本体価格が高く、初期費用がかさむ点がデメリットです。
下記のように、従来型のガス給湯器や電気温水器と比べるとエコキュートの本体価格は高めです。
- エコキュート:30~70万円
- ガス給湯器:15~40万円
- 電気温水器:10~25万円
このように給湯器本体の価格には差があり、エコキュートを導入する際にはまとまったお金が必要です。
年間で数万円の光熱費を削減できるため、長期的に見ると初期費用の元を取ることもできるでしょう。
しかし、予算の関係で初期費用を捻出するのが難しい場合には、他の給湯器を使用した方がよいケースもあります。
ヒートポンプ給湯器を購入する前には、このような初期費用の高さを考慮しておきましょう。
広い設置スペースが必要になる
広い設置スペースが必要になる点も、ヒートポンプ給湯器のデメリットです。
既述の通り、ヒートポンプ給湯器はヒートポンプユニットと貯湯ユニットから成り立っており、屋外の広いスペースが必要です。
一般的なエコキュートの場合、貯湯タンクの大きさは幅630mm × 奥行き730mm × 高さ2,100mmなど、かなりのスペースを要します。
容量が大きければ、より広いスペースが必要になるでしょう。
容量の小さい製品や薄型の製品でも、壁掛けタイプのガス給湯器などに比べると、設置スペースを奪われてしまうものです。
そのため、屋外の十分なスペースを確保できることが、ヒートポンプ給湯器導入の条件だと理解しておきましょう。
夜間の稼働音が気になる
ヒートポンプ給湯器のデメリットとしては、夜間の稼働音も挙げられます。
ヒートポンプ給湯器は電気料金の安い深夜にお湯を作ることで、電気代を節約できます。
しかし、夜間に稼働することで家族の睡眠が妨げられたり、近所迷惑になったりする可能性もあるため、注意が必要です。
特に閑静な住宅街で設置する場合や、寝室に近い場所にしか設置スペースがない場合では、近隣とのトラブルに発展しやすいです。
夜間の稼働音がトラブルを招く可能性も考慮し、設置場所などを工夫しましょう。
湯切れの心配がある
ヒートポンプ給湯器は、貯湯式のためお湯切れの心配がある点もデメリットです。
タンク内に沸かしたお湯を貯めて使用する仕組みのため、来客などにより常時より多くのお湯を使う際にはお湯が足りなくなるリスクもあります。
その結果、すぐにお湯が使えなくない・電気料金の高い時間帯にお湯を作って電気代がかさむなどの事態も考えられます。
そのため、あらかじめ十分な容量の給湯器を選ぶことや、常時より使用湯量が増えるケースを想定しておくことが重要です。
ヒートポンプ給湯器がおすすめな人とは?
ヒートポンプ給湯器のメリット・デメリットを踏まえ、購入がおすすめなのは下記に該当する方です。
- オール電化の人
- 設置場所が確保できる人
- 初期費用の予算があり長期的に節約したい人
ヒートポンプ給湯器の購入に際しては、広い設置スペースが必要な点や初期費用がかさむ点などがネックです。
屋外の十分なスペースと予算を確保できる方であれば、効率よい給湯による長期的な節約の恩恵を受けられるでしょう。
また、オール電化住宅でエコライフや節約を実践したい方にも、ヒートポンプ給湯器はおすすめです。
既述のメリット・デメリットの両方を理解し、メリットの方が大きいと感じた方は、ご自身に合った種類のヒートポンプ給湯器を選んでみてください。
ヒートポンプ給湯器と一口に言ってもさまざまな製品があるため、信頼できる業者に相談して慎重に給湯器を選ぶことも重要です。
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また、下記の通り各メーカーのエコキュートを豊富に取り揃えています。
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ヒートポンプ給湯器とは まとめ
この記事では、ヒートポンプ給湯器について詳しく見てきました。
ヒートポンプ給湯器とは大気熱と電気を利用してお湯を作るタイプの給湯器であり、エコキュートの名前でも知られています。
初期費用の高さや設置スペースなどがデメリットですが、給湯効率が高く節約できる点や非常時の生活用水として使える点など、メリットも多いです。
ヒートポンプ給湯器にはさまざまな種類があるため、信頼できる専門業者に相談して、ご自身の家族構成やライフスタイルにあった商品を購入することが重要です。
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