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エコキュートの交換ができないケース
オール電化住宅の普及にともない、エコキュートの交換相談を多くいただいております。基本的にはどのようなご家庭でも対応可能ですが、まれにお見積りを出すのが難しいケースもあります。
そこで、エコキュートを交換できないケースについて、事例をまじえながら分かりやすく紹介します。
エコキュートを交換するには設置条件を満たす必要があります。
エコキュート本体の外形寸法はもちろん、メンテナンスの実施や機器の能力を十分に発揮させるためのスペースの確保が非常に重要です。
お見積りを依頼される前に、可能な範囲で必要な設置スペースについて確認しておくとスムーズでしょう。ご不明な点がございましたら、何なりとミズテックまでお問い合わせください!
設置スペースがない場合
ポイント エコキュートの設置に必要な据付条件4つ!
- ヒートポンプユニット外形寸法
- 貯湯ユニット外形寸法
- 通風路
- メンテナンススペース
上記の据付条件を満足しない場合、設置スペース不足となるため、エコキュートを設置することができません。
エコキュートは、お湯を沸かす「ヒートポンプユニット」と沸かしたお湯を貯湯する「貯湯タンクユニット」で構成されており、この2つの機器を設置するスペースが必要となります。
①ヒートポンプユニット メーカー各社外形寸法(目安)
メーカー | 370L 外形寸法(高さ×幅×奥行) |
460L 外形寸法(高さ×幅×奥行) |
---|---|---|
パナソニック | 約680×870×340mm | |
三菱 | 約715×875×320mm | |
ダイキン | 約635 or 735×900×300mm | |
コロナ | 約690×900×300mm 約720×885×300mm 約650×900×300mm ※機種によって上記3サイズに分かれます |
|
東芝 | 約715×820×320mm | |
日立 | 約720×910×365mm |
②貯湯ユニット メーカー各社 外形寸法(目安)
メーカー | 370L 外形寸法(高さ×幅×奥行) |
460L 外形寸法(高さ×幅×奥行) |
---|---|---|
パナソニック | 角形1810×600×680mm | 角形2170×600×680mm |
薄形1843×1078×440mm | 薄形2199×1078×440mm | |
三菱 | 角形1820×630×760mm | 角形2160×630×760mm |
薄形1900×1120×430mm | ※薄形2150×1120×430mm | |
ダイキン | 角形1825×630×730mm | 角形2175×630×730mm |
薄形1813×1075×438mm | 薄形2173×1075×438mm | |
コロナ | 角形1860×630×730mm | 角形1850×700×795mm |
薄形1890×1090×450mm | 薄形2225×1090×450mm | |
東芝 | 角形1760×630×730mm 角形1800×630×730mm |
角形2094×630×730mm 角形2140×630×730mm |
薄形1970×1000×435mm | – | |
日立 | 角形1771×650×730mm | 角形2101×650×730mm |
薄形1890×1090×450mm | 薄形2225×1090×450mm |
各メーカーの外形寸法をご覧いただきました通り、エコキュートはお湯を作る機器の中でも特に設置スペースを必要とすることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
また、機器を置くために、外形寸法よりも大きなスペースが必要なのはもちろん、通風路とメンテナンススペースの確保が別途必要となります。
- 通風路とは ヒートポンプユニットの吹出側に対して少なくとも3方向を開放し、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの壁からの離隔距離のことを示します。
- メンテナンススペースとは 通風路と合わせて機器の点検等を実施するためのスペースのことを示します。
③各メーカーが示す通風路、ならびに④メンテナンススペース
ご家庭の設置環境で下記のパターン1~3から当てはまる必要な離隔距離とパターン4のメンテナンススペースを確認してみましょう!
■パターン1 ヒートポンプユニットの前方(吹出側)に障害物がなく1方向に障害物がある
■パターン2 ヒートポンプユニットの前方(吹出側)に障害物がなく2方向に障害物がある
■パターン3 ヒートポンプユニットの前方(吹出側)含む2方向に障害物がある
■パターン4 ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニット間、貯湯タンクユニット前面メンテスペース
項目 | 最低限必要な離隔距離(mm) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
パナソニック | 三菱 | ダイキン | コロナ | 東芝 | 日立 | ||
パターン1 | A | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
パターン2 | B | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
C | 100 | 150 | 100 | 100 | 100 | 100 | |
D | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | |
E | 300 | 300 | 300 | 300 | 300 | 300 | |
パターン3 | F | 100 | 100※2 | 100 | 100 | 100 | 100 |
G | 200 | 350※2 | 600※2 | 300 | 300 | 300 | |
パターン4 | H | 300 | 600 | 300 | 300 | 300 | 300 |
I | 600※1 | 600 | 600※1 | 600 | 500 | 600 | |
J | 300 | 100※3 | 300※3 | 300 | 300 | 300※3 |
※1 800mm以上推奨
※2 前方障害物の高さと風向ガイドによって離隔距離が異なります。表中の距離は最大限厳しい値を適用
※3 貯湯ユニット上方には三菱200mm、ダイキン45mm(200mm推奨)、日立45mm(薄型200mm)以上の離隔距離が必要
搬入経路がない場合
エコキュートの中で最も外形寸法の大きい【貯湯タンクユニット】が設置スペースまで搬入できない場合、エコキュートを設置することはできません。
貯湯タンクユニットの搬入は、「作業員による運搬方法」と「ユニック車(クレーン)などによる吊り上げ方法」の2通りがあります。
一部メーカーのカタログには、作業現場での搬入は吊り上げによる作業を基本とする旨が記載されています。しかし、実際の現場では十分な作業人員を確保した上で作業員による運搬方法が一般的です。
そのため、貯湯タンクユニットの搬入は作業員による運搬と考えておきましょう!
さて、次にエコキュート設置場所までの運搬ルートですが、貯湯タンクユニットが安全に運搬できるスペースが確保できるルートから搬入します。
■作業員による設置場所までの主な搬入ルート
ルート① 建物の外壁に沿って運搬ルート② 家の中を通過して運搬
ルート③ 隣接するご近所様の敷地から運搬
ルート①の方法が一般的です。
ただし、ルート①による搬入が難しい場合はルート②やルート③を検討します。
電気温水器やエコキュートを設置されているご家庭でも、機器設置後の増築や倉庫の設置などにより通路が狭くなっており、搬入スペースがない場合があります!
下記の運搬に必要なスペースをもとに、ルート①と②を事前に確認しておきましょう!
ルート③は最終的に業者の判断にお任せして下さい。
貯湯タンクユニットは、前面を上向きにして図のように寝かせた状態で搬入します。
貯湯タンクユニットの幅よりも通路幅Bが長ければ搬入が可能。
■通路が直角の場合(式:A²+B²>C²)通路幅Aの二乗+通路幅Bの二乗が、貯湯タンクユニットの長辺Cの二乗よりも長ければ搬入が可能。
いずれの場合も幅ぎりぎりではなく、作業員1名程度が通路を通れるほどのゆとり幅が必要です。
万一、作業員による運搬が困難な場合はユニック車を利用した吊り上げによる設置を検討します。ユニック車を利用する場合、貯湯タンクユニットを立てた状態で吊り上げるため、エコキュートの据付条件を満たしていれば設置することができます。
ただし、風の強い日にユニックを使用すると、建物の外壁に貯湯タンクユニットがぶつかる危険性があります。そのため、当日の気象状況によっては設置を延期する場合があります。
外気温が-25℃を下回る極寒地の場合
外気温が-25℃を下回る場合、凍結によって故障する恐れがあるため、地域によっては設置ができない場合もあります。
温泉地帯などで腐食性ガスの影響を受ける場合
温泉地帯や浄化槽周辺などの腐食性ガスの影響を受ける場所では、部品の劣化等によってエコキュート本体の故障原因となるため、設置することができません。
エコキュートの交換工事に消極的な業者もある
特にマンションの場合、エコキュートの設置を断る業者もあります。
- マンション毎に配管の仕様が異なる
- アンカーボルトの打ち直しができないマンションが多い
- ベランダ設置の場合、経路が狭いとぶつける可能性がある
マンションの場合、エコキュートの交換工事は業者にとってリスクが大きいのです。
■理由① マンション毎に配管の仕様が異なる
エコキュートに使用する配管材料は、配管の仕様や性能を勘案した上で選定します。
特にマンション等の集合住宅では、屋内の壁面内に配管することが多いため、配管のメンテナンス(交換)を考慮して材質を選定しなければなりません。
しかし、施工現場では配管の材料として適さないケースに遭遇することがあります。
エコキュートの交換と同時にヒートポンプ配管も交換する手順を踏みますが、通常ヒートポンプ配管として適さない材料のフレキシブル管が使用されている場合があります。
目に見える露出した状態の配管であれば、一式交換することが可能です。しかし、マンションの場合は配管の大部分が壁面内にあるため、配管の交換ができません。
ヒートポンプ配管の材料:【銅管】【架橋ポリエチレン管】【アルミ三層管】
※配管接続部の位置ずれの対処として長さ約1m以内でフレキシブル管を使用することは可能
■理由② アンカーボルトの打ち直しができないマンションが多い
エコキュートの貯湯タンクユニットは、地震や災害による転倒防止のため、必ずすべての脚部をアンカーボルトで固定します。
しかし、据え付けられている貯湯タンクユニットの脚部と交換する貯湯タンクユニットの脚部の位置がずれてしまった場合、アンカーボルトの打ち直しが必要となります。
マンションでは管理規約によってアンカーの打ち直しが禁止されていることも珍しくありません。
そのため、脚部の位置がほぼ同じ場所にある機種を選ばなければならず、エコキュートの交換に対して消極的になってしまうのです。
■理由③ ベランダ設置の場合、経路が狭いとぶつける可能性がある
エコキュートがベランダに設置されている場合、機器の搬入が玄関を通ってベランダまで搬入しなければなりません。
マンションは、玄関スペースが戸建てと比べて小さく設計されていることが多いです。そのため、搬入経路が非常に狭く、搬入の際に壁などにぶつけてしまう可能性が高くなってしまいます。
施工に対するリスクは極力なくしたいところです。しかし、マンションの場合はどうしてもリスクをなくすことが難しく、交換を断る業者も少なくありません。
エコキュートの寿命と交換時期
エコキュートが故障した場合、部品を交換することで、従来の能力を十分に発揮することができるようになります。
部品交換を毎回行うことで、能力が十分に発揮できると判断されるのであれば、理論上「寿命」を迎えることはありません。
しかし、エコキュートも機械です。必ず故障し、遅かれ早かれ寿命を迎えてしまいます。
エコキュートは「ヒートポンプユニット」と「貯湯タンクユニット」の2つの機器で構成されており、ヒートポンプユニットは約5~15年、貯湯タンクユニットは約10~15年とそれぞれ寿命時期が異なります!
寿命 | ヒートポンプユニット:約5~15年 貯湯タンクユニット:約10~15年 or 各メーカーの補修用性能部品の保有期間:10年 |
---|
ヒートポンプユニットはお湯を作る言わば心臓部分!
お湯を作る際、常時稼働しているため、大きな負荷がかかります。その分寿命を迎える時期が早くなってしまうのです。
また、エコキュートメーカー各社が保有している補修用性能部品の保有期間は、当該機器の製造終了から10年です。
そのため、エコキュートの購入から早くて10年後には部品の交換ができずに、寿命を迎える可能性があることも認識しておきましょう!
ヒートポンプユニットや貯湯タンユニットの寿命時期は、各ご家庭でのエコキュートの使用頻度や入浴剤の利用などによって大きく変わります。
したがって、明確な寿命時期をお伝えすることは難しく、日頃のお手入れや使い方によって平均的な寿命よりも短くなってしまう事例も少なくありません。
ミズテックが経験してきた 短寿命となるエコキュートの使い方!
- 深夜だけに限らず、日中帯も含めてお湯を沸かす頻度が多い
- 各メーカー推奨品以外の入浴剤(発砲系・石鹸など)を使用している
- 定期的なお手入れをおこなっていない
- 温泉水や地下水、井戸水を使用している(水質基準に不適合な水)
一般的にエコキュートの交換時期は約10年~15年と言われています。
ただし、エコキュートは他の給湯器と比較すると製品化されてから約20年と歴史が浅く、蓄積データが少ないのです。
そのため、寿命時期についてはあくまでも目安程度とお考え下さい!
エコキュートの寿命について、もっと詳しく知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください。
エコキュートの寿命は10年~15年|短くなる原因やのばすコツを徹底解説
修理や交換が必要なエコキュートの状態とは
要注意 修理や交換が必要な状態!
- エラーコードが度々表示される
- ヒートポンプユニット配管から水漏れしている
- お湯が出ない
- 浴槽のお湯が溢れて止まらない
- 温度が安定しない
5つのケースは日頃からよくお問い合わせをいただく症状です。
不具合の状況によっては修理や交換が不要な場合もあります。
そのため、「お湯が出ない」「温度が安定しない」からと、すぐにエコキュートが故障した!と思わず、まずは詳しく調査して原因を特定することが大切です。
■ケース① エラーコードが度々表示される
ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットをはじめ、出湯やお湯はり、追い焚きを行う過程で不具合が発生した場合、不具合箇所やその原因を示すエラーコードが表示されます。
■エコキュートの故障によるエラーコードの表示例(一部のメーカーから抜粋)
メーカー | エラーコード | 原因 |
---|---|---|
パナソニック | H76 | リモコン通信異常、故障など |
ダイキン | H37 | お湯はりサーミスタ不具合など |
三菱 | P37 | ふろ循環ポンプ異常 |
エラーコードが表示された場合、何らかの外的要因(配管凍結や断水等)による一時的な不具合で表示される場合もあります。
そのため、リセット操作で復旧できる場合もあり、普段通りお使いいただくことが可能です。
しかし、リセット操作を実施してもエラーコードが表示される場合は、故障の可能性が高いです。
万一、故障している場合は該当箇所の修理または機器交換が必要となってしまいます。
エコキュートの修理 | 修理費用の相場や故障の対処方法
https://www.mizu-tech.co.jp/blog/5500/
■ケース② ヒートポンプユニット配管から水漏れしている
エコキュートのトラブルの中でも、多くのお問い合わせをいただくケースが【水漏れ】です。
水漏れが発生する主な場所は、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの間を接続する【ヒートポンプ配管】の接続部分!
ヒートポンプ配管の施工方法が露出配管であり、ヒートポンプユニット側の配管接続部分が太陽に当たりやすい環境にあることが一般的です。
そのため、経年劣化や凍結が起こりやすく、水漏れを起こしてしまう可能性があります。
さらに、ヒートポンプ配管の他、貯湯タンクユニットに接続する【ふろ配管】や【給水配管】、そして【給湯配管】があり、これらの配管接続部分からの水漏れケースもまれに発生することがあります。
水漏れについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください!
エコキュートの水漏れ!原因と対処法、修理の必要性を解説
■ケース③~⑤ 【お湯が出ない/浴槽のお湯が溢れて止まらない/温度が安定しない】
ケース③~⑤はエコキュートの内部部品の故障で発生する事象です。
内部部品(一例)の故障が原因で発生!
- 電装基盤
- 温度センサー
- 水位センサー
- 循環口金具
ただし、必ずしもエコキュートの故障とは限らず、水栓の故障などエコキュート本体以外の不具合も少なくありません。
その他、日頃のお手入れ不足によって発生する不具合のケースもあります。
エコキュートの交換を検討中の方は、まずはお気軽にご相談を!
エコキュートの交換は設置に関する条件をクリアしていなければならず、簡単に交換できないケースもあります。
エコキュートの不調が気になって悩んでいる方や、時期的にそろそろ交換を検討したいと考えている方は、早めにミズテックまでご相談下さい!
エコキュート専門業者「ミズテック」では、エコキュートの交換だけではなく、高い技術力が必要な修理にも対応しています。
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エコキュートについての疑問や悩みごとは、土日祝日でも迅速に対応できるプロの業者「ミズテック」までご相談下さい!
エコキュートの商品選びは、以下の記事を参考にされてください。
【最新版】エコキュートおすすめメーカーを徹底比較!