「話題のエコキュートに切り替えたいけど、マンションでも設置できるの?」
マンションにお住まいの方で、エコキュートの設置が可能なのか気になっている方も多いでしょう。
結論から述べると、マンションでもエコキュートを設置することは可能です。
ただし、可能な機種は限られており、設置時に注意すべき点も数多く存在します。
この記事では、マンションで設置可能なエコキュートと交換費用の相場、設置時の注意点を解説します。
さらに、気になる騒音対策や具体的なおすすめのエコキュートもご紹介します。
この記事が、エコキュート導入をためらっている方のお役に立てば幸いです。
目次
マンションでのエコキュート設置は可能!
結論から述べると、マンションでのエコキュート設置は可能です。
ただし、可能なケースは限られており、いくつかの条件を満たす必要があります。
まず、マンションなどの集合住宅に設置できるエコキュートの種類が限られています。
下記のメーカーからは集合住宅での設置も可能なコンパクトタイプがリリースされており、マンションでの設置に向いています。
- 三菱
- パナソニック
- コロナ
上記メーカーの具体的なおすすめ製品は「マンション用エコキュートのおすすめ3選」でご紹介します。
また、たとえメーカー側が「集合住宅向け」「コンパクトタイプ」としてリリースしている製品でも、他の条件を満たさないと設置できないため注意が必要です。
マンションでエコキュートを設置するために満たすべき条件とは、下記の通りです。
- エコキュートの設置に必要なスペースが確保されている
- 管理組合・大家から設置の許可を得ている
エコキュートは夜間に稼働するため、騒音問題に発展するリスクなどのデメリットもあります。
マンションでの設置が可能なエコキュートもありますが、製品だけでなく設置環境の確認も必須と言えるでしょう。
マンション用エコキュートの交換費用・価格相場
一般的なエコキュートの価格相場は30~70万円ほどです。
集合住宅用で容量の小さいエコキュートであれば、20~40万円程度で購入できるケースも多いです。
また、エコキュートの交換工事には10~15万円程度の費用がかかります。
マンション用エコキュートの交換にかかる費用は、戸建て住宅向けの大容量タイプに比べて安いと言えます。
ただし、コンパクトタイプであっても高機能のものは価格が相場より高くなる点には注意が必要です。
また、メーカーによってはマンション向けは給湯専用タイプの製品しかない点や、戸建て住宅向けのエコキュートに比べると給湯効率が落ちてしまう点などに、注意が必要です。
マンションでエコキュートを設置する際の注意点3つ
続いて、マンションでエコキュートを設置する際の注意点を見ていきましょう。
設置後のトラブルを防ぐためにも、下記の3つの注意点を必ず確認してください。
広い設置場所を確保する
マンションでエコキュートを設置する際にはまず、広い設置場所を確保することが重要です。
ガス給湯器などであれば、壁掛けタイプの製品もあり、マンションでも省スペースでの設置が可能です。
しかし、エコキュートはお湯を作るために大気熱を集めるヒートポンプユニットと、作ったお湯を貯めておく貯湯タンクから構成されています。
たとえコンパクトタイプであってもガス給湯器などに比べると、下記のように大きな機器が必要となります。
(出典:三菱電機)
上記のような機器を設置するためのスペースを確保しないことには、マンションにエコキュートを導入することはできません。
広い庭のある戸建て住宅であれば簡単にスペースを確保できますが、マンションでは設置が難しいケースも多いです。
マンションであっても一階に住んでおり広い専用庭があるケースや、ベランダやバルコニーに広いスペースが確保できるケースであれば、マンション用エコキュートを設置しやすいでしょう。
また、もともと電気温水器を使用しており、すでに貯湯タンクを設置するスペースがある場合もエコキュートを設置しやすいです。
一方で、広いスペースがないケースやガス給湯器から切り替えるケースでは、工事が大掛かりになる傾向にあるため、注意が必要です。
事前に大家さん・管理組合に連絡する
マンションでエコキュートを設置する際には、事前に大家さん・管理組合に連絡することも重要です。
マンションでエコキュートを導入する場合には大掛かりな配管工事などが行われるケースも多く、か大家さん・管理組合の許可が必須となります。
搬入時・施工時の騒音に加え、設置後の使用時の騒音なども想定されるため、マンションによってはエコキュート設置の許可が降りないケースもあります。
また、耐震性などの問題から許可が降りない可能性も考えられます。
許可を得ずにエコキュートを導入すると、契約違反に当たる可能性も高いので、注意が必要です。
たとえ賃貸ではなく分譲マンションであっても、工事が共有部分に及ぶことや騒音などのトラブルを踏まえ、必ず管理組合の許可を得る必要があります。
エコキュートは初期費用が高いからこそ、設置後に契約違反となったり近隣住民とトラブルになったりするケースを避けるべく、事前に大家さん・管理組あに連絡をしましょう。
設置後の騒音や水漏れにも備える
設置スペースが確保でき、管理組合から許可が降りた場合でも、騒音や水漏れなどに備える必要があります。
エコキュートは電気料金の安い夜間に稼働してお湯を作るため、ご自身や近隣住民が寝ている時間帯に低周波の稼働音が発生します。
この低周波音によって、ご自身や近隣住民の睡眠が妨げられる可能性もあるので、注意が必要です。
最悪の場合では、健康被害を理由に訴えられる可能性もあります。
他にも、エコキュートの故障や施工不備などによって水漏れが起きた場合、階下に迷惑をかける可能性もあります。
このようにエコキュートの設置後にもさまざまなトラブルが考えられるため、下記のような対策を前もって行うことが重要です。
- 防音シートや防振ゴムで騒音を防ぐ
- 水漏れ防止機能搭載のエコキュートを購入する
- 故障による異常音や水漏れを防ぐために定期メンテナンスをする
長く快適にエコキュートを使い続けるためにも、設置後の騒音・水漏れ対策を必ず行いましょう。
マンションでエコキュートを設置する際の騒音対策3選
マンションでエコキュートを設置するハードルは、戸建て住宅に比べて高いことが分かりました。
なかでも騒音問題は自分だけでなく近隣住民に影響を与えるものであり、最悪の場合は訴えられる可能性も考えられます。
マンションにおけるエコキュートの騒音を防ぐためにはまず、設置時の対策が重要です。
ここでは、具体的な3つの騒音対策を見ていきましょう。
隣室から距離を空けて設置する
マンションにおけるエコキュートの騒音を防ぐためには、隣室から距離を空けて設置することが重要です。
隣室の寝室とエコキュートの距離が近い場合には、隣室の住民の眠りを妨害する可能性が高くなります。
そのため、隣室との距離、特に寝室との距離を考慮して適切な場所にエコキュートを設置しましょう。
十分なスペースが確保できているとしても、隣室との距離を考慮すると設置が難しいケースもあります。
したがって、マンションでは隣室に迷惑をかけない場所に十分なスペースがある場合にのみ、エコキュートの設置が可能と言えます。
防音シートや防振ゴムを活用する
騒音を防ぐためには、防音シートや防振ゴムなどを活用することも重要です。
防音シートを活用することで、エコキュートの稼働音が反響するのを軽減できます。
また、エコキュートが稼働している時は振動も発生します。この振動を防ぐのに、防振ゴムが有効となります。
近くにエアコンの室外機などがある場合には、共振によって騒音が大きくなってしまうものです。
このような騒音の悪化を防ぐためには、設置場所を工夫するとともに防音シートや防振ゴムなども活用しましょう。
防音シートや防振ゴムは、エコキュートを購入した販売店や業者から購入できる他、ネットショップでも購入が可能です。
手軽に入手できるアイテムを活用して騒音を最小限に抑えることで、マンションでエコキュートを快適に使い続けることにつながります。
定期的に点検をして故障を防ぐ
マンションにおけるエコキュートの騒音を防ぐためには、定期的な点検によって故障を防ぐことも重要です。
正常な状態でも設置場所によっては夜間の運転音が気になるケースもありますが、故障している場合には騒音が悪化してしまうケースもあります。
エコキュートを使用していて、普段はしないような騒音がした・エラーなどが頻発した場合には、故障が考えられます。
このような場合には、早急に業者に連絡をして点検・修理してもらうことが重要です。
また、異常が出てからではなく1年に1度くらいの頻度で定期メンテナンスを受けることで、事前に故障を防ぎやすくなります。
業者によってはアフターサービスの内容は異なるため、マンションでエコキュートを導入する際には、保証内容・アフターサービスの内容が手厚い業者を選ぶことも重要です。
マンション用エコキュートの選び方3つ
マンションでのエコキュートの騒音対策が分かったところで、マンション用エコキュートの選び方を見ていきましょう。
集合住宅向けのコンパクトタイプを選ぶ
マンション用エコキュートを選ぶ際にはまず、集合住宅向けのコンパクトタイプを選ぶことが重要です。
エコキュートの主要メーカーである三菱・パナソニック・コロナでは、集合住宅向けのエコキュートをリリースしています。
設置スペースの限られているマンションでも導入しやすいように、幅と奥行きを抑えた省スペースの製品や、容量の小さい1~2人用の製品などがあります。
このような集合住宅向けのエコキュートを選ぶことで、一般的なエコキュートを設置しづらいマンションでも限られたスペースを活用して導入することが可能です。
また、タンク容量が185Lなどのエコキュートであれば一般的なモデルに比べて価格も安いため、単身者や2人暮らしの方でもエコキュートに買い替えやすいでしょう。
各メーカーのマンション用エコキュートのおすすめは「マンション用エコキュートのおすすめ3選」で詳しく後述します。
運転音の小さいタイプを選ぶ
マンション用エコキュートを選ぶ上では、運転音の小さいタイプを選ぶことも重要です。
エコキュートの運転によって発せられる低周波音は騒音トラブルを引き起こすケースもあります。
しかし近年では、従来モデルよりも運転音が改善された製品も多く登場しています。
最新モデルで運転音の小さいエコキュートを選ぶことが、騒音トラブルを防ぐことにつながるでしょう。
また、騒音トラブルをより効果的に防止するためには、防音シートや防振ゴムなども同時に活用することが重要です。
せっかくエコキュートを購入したのに騒音トラブルで使い続けられなくなる、といったケースを避けるために、製品を選ぶ段階から騒音対策を意識しましょう。
水漏れ防止などの機能で選ぶ
マンション用エコキュートを選ぶ上では、水漏れ防止などの機能で選ぶことも重要です。
エコキュートの使用に伴うマンションでのトラブルとしては、故障による階下への水漏れなども挙げられます。
このような事態を防ぐためには、水漏れ防止機能などが備わっているエコキュートを選ぶのがおすすめです。
例えば、三菱の「エコキュートライト」などであれば、エマージェンシーストップ機能が搭載されており、水漏れ時にはただちに給水を止める機能が備わっています。
水漏れ防止機能などの機能面も考慮してエコキュートを選び、かつ定期的なメンテナンスも行い、不具合や故障を事前に防ぎましょう。
マンション用エコキュートのおすすめ3選
続いて、具体的なマンション用エコキュートのおすすめ製品を見ていきましょう。
三菱のエコキュート
(出典:三菱電機)
三菱電機は、集合住宅向けのエコキュートとして「エコキュートライト」や「コンパクトエコキュート」などをリリースしています。
エコキュートライトは薄型かつ小型の貯湯ユニットをメーターボックス内に納め、ヒートポンプユニットのみをベランダに設置することが可能な製品です。
さらに、水漏れ時に給水をストップする「エマージェンシーストップ」機能も搭載されているため、水漏れによる階下や隣室とのトラブルを防止できます。
また、コンパクトエコキュートとして「ローボディタイプ」もリリースされています。
ローボディタイプは貯湯ユニットの高さが1,250mmと低いため、従来の370Lの貯湯ユニット一つ分のスペースに貯湯ユニットとヒートポンプユニット両方を収納できます。
さらに三菱のエコキュートには、「バブルおそうじ」というふろ配管自動洗浄機能が搭載されている点も魅力です。
パナソニックのエコキュート
(出典:パナソニック)
パナソニックの「Vシリーズ コンパクトエコキュート」は195Lという小さい容量ながら高機能を備えた製品です。
従来の300Lという一般的な容量に比べて設置面積を約40%もスリム化できるため、マンションで1~2人暮らしをしている方にもおすすめです。
また、屋外設置用または屋内設置用を選べる点も心強いでしょう。
機能面としては、コンパクトタイプにも関わらずフルオート機能であり、自動給湯機能や追い焚き機能なども活用できます。
コロナのエコキュート
(出典:コロナ)
コロナも、集合住宅用のエコキュートを提供しています。
なかでも、貯湯量300Lの「CHP-S30AY1-12」や貯湯量185Lのエコキュートライト「CHP-18AX5-2」などが人気です。
CHP-S30AY1-12は幅600mm×奥行き610mmというスリム設計ながら、フルオート機能を実現しています。
さらに、水漏れ時に便利なエマージェンシーストップ機能が搭載されている点も心強いです。
また、185Lのタイプの設置面積は300Lタイプの約68%ほどにスリム化されています。
単身者は2人暮らしでよりコンパクトなエコキュートを求めている方におすすめです。
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マンション エコキュートまとめ
この記事では、マンションでのエコキュート設置に関して詳しく見てきました。
マンションでもエコキュートを設置することは可能ですが、集合住宅向けの製品を選ぶ必要があります。
また、管理組合の許可を得ることも必須であり、あらかじめ騒音対策・水漏れ対策などを行うことも重要です。
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