最近はECサイトで給湯器本体が安く販売されていることもあり、給湯器をはじめさまざまな家具や家電製品などの本体購入と施工業者を分けて考えるお客さまもいらっしゃいます。今回は施主支給と呼ばれる分割発注のメリット・デメリットについてご案内します。
目次
給湯器本体の購入と工事を別で依頼する施主支給とは?
施主支給とは、家を建てる人が照明器具やシステムキッチン、給湯器、エアコンなど生活に必要な機器やインテリア製品を自分で購入し、設置や施工だけを住宅会社や建設会社、工務店などの施工業者に依頼する方法をいいます。
以前は家を建てるときやリフォームするときは、設備も施工もまとめて1つのところに依頼するスタイルが中心でしたが、インターネットの普及により、個人でもインテリアや電化製品などを自由に選んで簡単に購入できるようになりました。
国内のメーカーだけではなく輸入品も手に入るので、こだわりのある家づくりをしたい人たちにも人気です。
商品の単価が高いものは、1台だけインターネットで購入しても送料無料になる場合もあるため、給湯器の仕入れから搬入、設置までを1つの会社に依頼する必要性が薄れてきたことも施主支給が増えてきたことの理由の1つでしょう。
施主支給を利用するのは、一般の個人の顧客よりも物件オーナーが多い点も特徴です。物件オーナーとしていくつか給湯器を購入したり交換したりした経験があるうえ、付き合いのある施工業者を持っています。給湯器の種類や、室内の間取りなどもある程度わかっている人の利用が多い傾向にあります。
インターネットサイトの中には、給湯器単体で購入できるところや、給湯器と取り付け工事を一緒に注文するなどのオプションがあるものもあります。「給湯器を安く購入したいけれど、施工を依頼する業者はよくわからない」という場合は、オプションで施工も依頼できるサイトで購入するといいでしょう。
また、衣類や食品、書籍、DVDや電子機器など日常生活の幅広い商品を扱う大手のショッピングサイトでも、リンナイ、パロマ、ノーリツ、パーパス、ハウステックなどのさまざまなメーカーの給湯器を購入できます。サイズも1分間に16リットル給湯能力のある16号から、20リットルの20号、24リットルの24号まで3種類すべて揃っていて、自由に選択できます。
オートとフルオートの追い焚き機能や床暖房に対応している機種もあります。設置方法も壁掛け、据え置き、浴槽隣接、PS標準設置、PS扉内設置と揃っているので、どんな場所に設置したいかで適した機種を選択できます。インターネットで販売している給湯器の種類は豊富で、気に入ったものを選べるでしょう。
施主支給とは別に給湯器を用意して設置する方法としては、リースもあります。給湯器をリースすれば、定期的なメンテナンスや、故障した場合に違うものと交換するサービスを受けられます。
またプロパンガスを使用しているタイプなら、プロパンのガス会社に給湯器の用意や設置などを依頼することもできます。
施主支給で給湯器を設置するメリット
施主支給で給湯器を設置するメリットはいくつかあります。
好きな機種を選べる
施主支給の大きなメリットは、好きな給湯器を選べる点です。メーカーや型番、給湯能力、設置方法、追い焚きや床暖房などの対応機種など、さまざまな給湯器の中から、自分の予算や設置する場所、大きさなどを考えて最適なものを選べます。
個人宅で給湯器を購入する場合は、費用を抑えたいなら価格の安いもの、家族の人数が多いなら給湯能力の高いもの、寒い地域では床暖房機能付きのものなど、使い勝手のいいものを選ぶといいでしょう。
また、物件オーナーが給湯器を購入する場合も、「賃貸物件の給湯器が壊れてしまったからなるべく早く交換したい」「古い単身用の物件の給湯器なので、安いもので済ませたい」「以前使っていたメーカーの商品は故障が多かったので別の給湯器に変えたい」などそれぞれのシチュエーションにあわせて、自由に給湯器を選べます。
工務店や施工会社に給湯器と施工を一緒に依頼すると、会社によっては取り扱っているメーカーが限られていたり、欲しい機種の在庫がなく取り寄せになり時間がかかってしまったりすることがあります。
施主支給なら、自分の好みの給湯器を選んで、早く手に入れられるメリットがあります。
費用が安くなる
給湯器を工務店や施工業者などから購入すると、驚くような高い価格になる場合があります。これは、メーカーから商社に卸し、さらに問屋、販売店、施工会社などさまざまな会社を通して施主に販売するためです。
それぞれが少しずつ利益を取っているため、最終的な購入価格が高くなってしまいます。しかしインターネットなどを通して直接購入すれば、これらの流通経路を通さずに給湯器を手に入れられます。施主支給で、給湯器を自分で準備すれば半額くらいまで費用を抑えられる場合もあるのです。
従って、給湯器と取り付け工事を別にすることで、トータルの費用を安く抑えられます。給湯器は、さまざまなインターネットショップで取り扱っているので、同じメーカーや型番でも販売価格は違います。いろいろなサイトを比較してもっとも安い商品を購入できます。ネットサーフィンする前に、比較サイトで給湯器の価格を調べると、安く販売しているサイトをスムーズに見つけられるでしょう。
また、施工費用も請け負う業者によって違うので、いくらで給湯器の取り付けをしてもらえるのかあらかじめ見積もりを取っておくことをおすすめします。物件オーナーの場合、いつも利用している会社があるなら、そこに依頼するといいでしょう。
施主支給で給湯器を設置するデメリット
施主支給を選んだ場合のデメリットもあります。
手間と時間がかかる
施主支給の場合、自分で機材を揃えなければいけません。どんなメーカーのどんな商品がいいのか、どこが安いのかなどを自分で調べて、適した商品を比較して購入する必要があります。個人で給湯器を施主支給する場合は、取り付ける場所や使い勝手に合わせて給湯器の特徴や設置方法、給湯能力などを自分で判断して商品を選定する点が難しいといえるでしょう。
給湯器を取り付ける場所が自宅ではない場合は、購入した給湯器を取り付けるところまで運ばなければいけません。工事日までに商品を調達して、検品をして、取り付け場所まで運ぶのは施主の仕事です。
施工業者や工務店にすべてを依頼すれば、給湯器を持ってきて取り付けてくれるので、施主は一切手間がかかりません。
また、施主支給の場合は即日に取り付けができません。「今使っている給湯器が壊れてしまった」といった場合には、業者を通した方が在庫があればその日に取り付けてくれることもあります。施工支給は時間もかかることを覚えておきましょう。
保証が短い
工務店などに依頼すれば、取り付け後に給湯器を使用していて不具合や故障があったときにも対応してくれるアフターサービスがついている場合が多くあります。一方給湯器を自分で購入した場合、ネットのショッピングサイトの保証をつけられるところもありますが、基本的にはメーカーの保証だけになります。
物件オーナーが給湯器を施主支給する場合は、取り付けは以前から依頼している業者に頼むことが多いので、その後故障や不具合があっても修理を依頼できます。しかし個人で施主支給を選ぶときは、使用期間中のメンテナンスをどうするか考えておいた方がいいでしょう。
夜中や真冬、年末年始など多くの業者が休業する時期に給湯器が故障した場合、施主自身で緊急で修理してくれるところを探して対応しなければいけません。給湯器の購入費用が安く抑えられても、使用期間中の保証が短いことが多いので注意が必要です。
総額では高くなる場合も
給湯器の保証は、延長できます。5年や10年の保証をつけることもできるので、施主支給する場合は、保証を厚くしておくと安心です。しかし、保証期間を長くすればその分価格が上がります。
結局、施主支給で支払った総額と、工務店や施工業者で商品を購入し取り付けまですべて依頼した金額とそれほど変わらない場合も。給湯器の価格だけではなく、取り付け費用、人件費、保証期間なども考えて施主支給を選ぶかどうかを決めなければいけません。
施主支給で給湯器を設置する際の注意点!
施主支給をする場合の注意点についてお伝えします。
施主支給を断られる場合がある
施主支給は、施主側にとっては費用を安く抑えられるメリットがありますが、その分施工業者にとっては利益が少なくなるため、施主支給を断られるケースもあります。
施工業者から見ると、施主支給は売り上げが減る以外にも自分のところで仕入れた給湯器ではないため、工事の前に商品の規格、型番、仕様などを把握して準備する必要があります。また、施主が給湯器を購入して設置場所まで運んでくる日時などの調整もしなければなりません。大工さんのほかの工事との日程の調整など、手間がかかります。
利益が少ないうえに、施工業者で行わなければいけない手間が増えるため、施主支給を行っていない施工業者もあります。施主支給を行うところでも、扱う商品や機器を限定している、条件などをつけている場合などもあるので、商品の注文前に給湯器の取り付けをしてくれるかどうかを相談するといいでしょう。
施工業者によって工事費のみで請け負ってくれる場合や、一般的な工事費より割高で請け負ってくれるところなどさまざまなので、見積もりを出してもらうと安心です。給湯器選びだけではなく、施主支給を請け負ってくれる施工業者選びも施主がやらなければいけないのです。
施工業者とトラブルになりやすい
個人の施主で意外と知らないのが、施主支給で設置したものは施工業者での保証対象外ということです。取り付けを施工業者が行ってくれても、用意したのは施主なので、使用してからの不具合や故障について、施工業者は一切責任をとってくれません。
例えば、給湯器の購入から設置までを施工業者に頼んだ場合、あとで給湯器の調子が悪くなったときにすぐに対応してもらえたり、ちょっと気になることを相談して無料で対応してもらえたりするアフターサービスがありますが、施主支給の場合はそのようなことはしてもらえません。
修理や不具合をみてもらう場合は、正規の料金がかかります。
また、施主支給を依頼したときに、すべての部品が揃っていなくて何度か施工業者が足を運ばなくてはいけなくなった場合、最初に聞いていた工事費とは別に手間賃や出張費などがかかることもあります。
また施工業者によっては、予定していた日に施主支給が終わらなかったためにできなかった別の工事費を請求することもあるようです。
施主支給を嫌がる業者も少なくないので、施主支給を依頼する場合は、不具合が起きた場合の責任は施主にあることを理解し、設置後のトラブルや故障の際はどこに依頼するかもあらかじめ決めておいた方が安心でしょう。
保証&アフターフォローまで考えてご判断ください
施主支給は、自分の好きな商品やメーカーのものを選べて、直接インターネットで購入できるため、商品自体を安く購入できることも多くあります。
しかし自分で商品を調べて購入し施工業者を選んで取り付けを依頼するということは、慣れていない個人が行う場合は、トラブルになりやすいデメリットがあります。結果として工務店や施工業者に最初から頼んだ方がスムーズで、保証やアフターサービスも充実していた、ということになる場合も少なくありません。
価格重視で施主支給を考えている人は、保証やアフターサービスのことも含めてどちらが得かを考えてみましょう。また、品質を重視したい人も、誠実で腕のいい施工業者を選ぶのは大変です。
給湯器購入と設置を考えるなら、まずはミズテックに相談してみてください。費用だけでなく、契約の内容、保証期間、アフターサービスなども含めて比較検討し、どこで給湯器を購入、設置を依頼するのがもっともお得かを考えてみましょう。