「ガス給湯器からポタポタと水漏れしている」「どこに連絡すればよいのか分からない」「とりあえず応急処置のやり方を教えてほしい」
上記のように急なトラブルに見舞われる方も多いのではないでしょうか。
給湯器からポタポタと水漏れが発生した場合は、利用を控えるようにしましょう。
その上で、修理を依頼したり、適切な応急処置を行ったりしましょう。
この記事では、ガス給湯器から水漏れが発生した原因や対処法を解説していきます。
目次
給湯器から水漏れする原因4選
ガス給湯器から水漏れが起こる原因は、主に4つあります。
順番にわかりやすく解説します。
原因1:水抜き栓からの水抜き
水抜き栓から水抜きされるところを水漏れしていると勘違いしてしまうケースが考えられます。
一般的にガス給湯器は、以下のような目的で水抜きが行われることがあります。
- 凍結による配管損傷を防ぐために水を抜くため
- 給湯器内部の圧力を下げる(減圧する)ために水を抜くため
- 点検するために配管内にある水を抜くため
これらのために、ガス給湯器には「水抜き栓」が設けられており、そこから水滴が垂れていても、しばらく使ってみて止まるようであれば、そのまま使い続けても問題なく、故障を心配する必要はありません。
ただし、水抜き栓から落ちる水が止まらなかったり、あまりにも量が多すぎたりする場合は、別の問題が発生している可能性があるため、点検・修理を依頼することをおすすめします。
以下の記事では、故障時における給湯器の水抜き方法を紹介しているので、ぜひご覧ください。
⇒給湯器の水抜き方法をご紹介!凍結時に本当に必要かどうかも解説いたします!
原因2:給湯器内部の部品劣化
給湯機内部の部品が劣化し、水漏れしているケースも考えられます。
たとえば、パッキン(水漏れを防ぐためのゴム状の部品)の劣化が挙げられます。パッキンは、10年ほど使用すると硬化し弾力を失うため、水漏れを防ぎにくくなります。
また、配管・熱交換器などに劣化がみられる場合も、水漏れの原因になりやすいです。
特に、給湯器を買ってから10年以上経っている場合は、各箇所にて経年劣化している可能性が高いため、気になる人は点検を依頼しましょう。
ほかにも、
- 経年劣化による配管(銅管)の穴あき
- 経年劣化に伴う熱交換器の破損
- 暖房機能付き給湯器における給水機の破損
これらの不具合が確認できる場合も、部品交換もしくは本体交換が必要になる可能性があるため、専門業者への点検依頼をおすすめします。
原因3:凍結による配管の破裂
凍結によって配管が破裂し、水が漏れだしているケースもあります。
- 配管内に溜まっている水が凍り、膨張する
- 配管が破裂する
- 気温の上昇に伴い解凍が起こり、破裂した箇所から水が漏れる
「凍結」と聞いて、「うちは寒冷地ではないから大丈夫」と考えてしまいがちですが、実は凍結による配管破裂は、暖かい地域でよく起こるものです。逆に寒い地域では、あらかじめ凍結予防措置が取られていることが多いため、凍結は起こりにくいとされています。
凍結による水漏れは、「セルフで対応できるケース」と「業者に依頼しなければならないケース」があります。
まず、「セルフで対応できるケース」は、配管の変形や破損が見られないうえに、給湯器接続部の金具(ナット)の増し締め、もしくは接続部分に使用されているゴムパッキンの交換作業で解決するケースがあります。
もし、配管の変形や破損が認められたり、原因不明のトラブルに見舞われたりした場合は、業者に依頼しましょう
とはいえ、これらの緊急を要するトラブルに遭わないためにも、日ごろからのセルフチェックや、業者への定期点検を依頼することをおすすめします。
ちなみに、あらかじめ凍結を防ぎたいという人向けに、こちらの記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
原因4:初期不良・施工不良
一部の給湯器では、初期段階で動作不良を起こしたり、給湯器の設置状況・設置環境が不適切だったりすると、水漏れトラブルの原因になることもあります。
その場合は、取り付け工事を依頼した業者やメーカーに一度問い合わせてみましょう。保証期間内であれば、無償で修理してもらうことが可能です。
給湯器から水漏れしていた時の応急処置方法
給湯器から水漏れしたときは、以下の手順を踏まえながら処置しましょう。
- 給湯器の使用を止めて、リモコンにエラーコード(数字)が表示されている場合は、メモしておく
- リモコンの電源をオフにする(コンセントを抜いておいてもよい)
- どこから水漏れしているか探して、水の量や色を確認する
- 水漏れが止まらない場合は、「給水元栓」を閉める
エラーコードが表示されているほか、水漏れした原因が特定できない場合は、無理に処置しようとせずに、専門業者へ連絡しましょう。
応急処置後に連絡するところ
水漏れの応急処置が完了したら、点検や修理をしてもらいましょう。ただし、住んでいる環境によって連絡先が異なるため、注意しましょう。
一軒家の場合は、給湯器メーカーや給湯器専門の修理業者に連絡するのが一般的ですが、賃貸の場合は大家さんもしくは賃貸の管理会社へ連絡しましょう。
特に賃貸では、入居者側に責任ある・なしにかかわらず、管理元に連絡しましょう。仮に故障の原因が入居者側にない場合は、管理元が点検や修理費を支払ってくれることがあります。
給湯器から水漏れが危険な理由
給湯器の水漏れは、ごくまれにあるトラブルのひとつであり、トラブルの状況によっては、DIYで解決できることもあります。
とはいえ、水漏れをそのまま放置しておくのは危険です。というのも、ガス給湯器本体がダメージを受けるだけでなく、以下のような二次被害が発生するリスクがあるからです。
- 一酸化炭素中毒が起こる可能性がある
- ショートして発火する恐れがある
- 階下に浸水する恐れがある
この章では、それぞれの二次被害について解説します。重大な事故の原因となる可能性があるため、しっかりと頭に入れておきましょう。
一酸化炭素中毒が起こる可能性がある
まずは、ガスの不完全燃焼による「一酸化炭素中毒」です。
一般的なガス給湯器は、機器内部にあるバーナーを点火させて、内部の配管に通っているお水を温めてお湯を作り出す、「直圧式」を採用していることが多いです。
このときにバーナー部分に水がかかってしまうと点火しづらくなり、不完全燃焼が起こります。その結果、一酸化炭素が発生してしまうのです。
一酸化炭素は無色・無臭であるため、室内に充満していても気付きにくく、
大気中の一酸化炭素濃度が0.02%を超えてくると、軽い頭痛や吐き気を引き起こします。さらに濃度が上がると、最悪の場合死に至るケースもあります。
一酸化炭素中毒を防止するために、多くのガス給湯器では、ガスの不完全燃焼が検知されると、安全装置によって自動的に停止するようになっています。
しかし、この安全装置に何らかの不具合が生じてしまうと、正常に作動しない可能性があるため、原因不明の水漏れが確認できた場合は、使用を控えましょう。
電気系統へかかりショートする恐れがある
水漏れが起こると、給湯器内部の電気系統がショートして発火する恐れもあります。
給湯器の内部にはさまざまな電気部品が使用されているため、水やほこりが侵入できないようにカバーがされています。しかし、水漏れの場所や量によっては、カバー内部へ浸水してしまうこともあるでしょう。
すると、電気系統がショートを起こし、故障や火災の原因になる恐れがあります。
通常、電気系統がショートを起こしていると機器が判断した場合、自動的に停止するようになっています。
とはいえ、万が一水漏れに気付いたときは、念のためコンセントプラグを抜いておくことをおすすめします。
マンションの階下に浸水する恐れがある
給湯機の水漏れが発生した場合、階下に浸水してしまう恐れもあります。
特にマンションやアパートなどの集合住宅に住んでいる場合、住民トラブルに発展する可能性もあります。そのため、給湯器の水漏れをできるだけ早く特定し、適切な対策を講じることが重要です。
給湯器からの水漏れは修理?交換?
給湯器の水漏れが発覚した後、原因の元になる部分の修理、もしくは本体ごと交換するなど、対策しておく必要があります。
ただし修理か交換のどちらになるかは、給湯器の使用年数や保証の有無によって異なります。
1.給湯器本体の保証が切れている場合
一般的に給湯器本体には保証期間が設けられており、期間内であれば無料で修理をしてくれます。
しかし、保証が切れた後に修理すると、別途修理代がかかります。
給湯器本体の保証期間の基準は、以下のとおりです。
- 通常商品:1年
- BL認定商品(優良住宅部品):2年
- メーカー独自の保証延長制度:3~10年(ただし延長分の料金が必要になるケースあり)
メーカーや機種によって保証期間は異なりますが、修理する部分があまりに多いと、交換した方が費用を抑えられるケースもあるため、注意しましょう。
2.給湯器を8年以上使っている場合
一般的に給湯器の耐用年数(寿命)は、およそ10年〜15年と言われており、各メーカーもこの年数を目安にして交換を推奨しています。
10年以上前の機種になると、使われている部品が生産終了しているケースもあり、部品を特注するとなると別途費用がかかることがあります。
そのため8年以上使っている機種は、耐用年数を考慮しながら、性能や部品の面から検討し、交換することも視野に入れましょう。
3.凍結が原因の水漏れの場合
寒冷地や急激に気温が下がる地域では、給湯器やその配管が凍結して水漏れを引き起こすことがあります。このような場合、新しい給湯器であっても古いものでも、内部の配管が破裂してしまうため、給湯器全体の交換が必要となることがほとんどです。
給湯器から水漏れした場合の修理費用と交換費用の目安
修理と交換のどちらかを選べる場合は、料金の比較がひとつの判断基準になります。
ただし、先述した使用経過年数や補助金の存在を考慮するならば、
交換する方法もあります。
ここでは、給湯器の水漏れが発生した場合の修理費用、および交換費用の相場を紹介します。
給湯器の修理費用
給湯器の修理にかかる費用相場は、水漏れ発生個所や状況によって異なりますが、少なくともおよそ7,000円からとなります。
一部では15万円程度になるケースもありますが、これほど高額になると交換のほうがお得に済ませられるでしょう。
修理箇所 | 一般的な費用相場 |
電装系 | 7,000~45,000円程度 |
安全装置 | 7,000~38,000円程度 |
水量制御系 | 9,500~38,000円程度 |
燃焼系 | 14,000~43,000円程度 |
給湯器の交換費用
水漏れの進行具合によっては、「修理」よりも「交換」の方がお得に済むケースもあります。
あくまでも目安ですが、給湯器の交換費用の相場は、およそ10万円~25万円ほどかかります。
【交換費用の相場】
給湯器タイプ | 対応人数の目安 | 費用相場(目安) |
16号(給湯のみ) | 1人~2人 | 91,000~185,000円 |
20号(オート・フルオート) | 3人~4人 | 178,000~250,000円 |
24号(オート・フルオート) | 4人以上 | 198,000~260,000円 |
給湯器の修理業者の選び方!4つのポイント
水漏れした際の連絡先になる給湯器の修理業者は、会社ごとにサービスや料金面が異なります。
対応がよい修理業者を選ぶ基準としては、以下の4つのポイントを重視するとよいでしょう。
1.対応は素早くしてくれるかどうか確認しよう
水漏れなどのトラブルが発生した際、素早く対応してくれる業者であるかが重要です。
相談した時間が業務時間外で対応してくれないと、点検や修理が終わるまでお湯が使用できないことになります。
迅速に対応してくれる業者かどうかは、
- 電話やメール、公式サイトの相談受付時間
- 土日祝対応であるか否か
この2点を重視するとよいでしょう。
土日祝日に対応で、幅広い時間帯に駆け付けてくれる修理業者を選ぶようにしましょう。
2.給湯器の修理・交換実績件数をチェック
修理業者を選ぶ際は、修理や交換の実績件数を公式サイトで確認しておきましょう。
修理や交換実績件数が多い業者であれば、技術力やサービスの質に定評があり、迅速にトラブルに対応してくれるかもしれません。
3.見積内容をチェック
修理業者に相談したとき、修理や交換にかかる費用を見積りとして提示してくれることが多いです。
このときに、見積り内容をしっかり確認しておかないと、修理不足や追加料金のトラブルにつながることもあります。
見積りが出た際は、料金に対する作業の内訳がきちんと明記されているか確認しましょう。一部の業者は、内訳を明記せずに、あとで料金を割り増しするといったケースもあります。
加えて、見積り内容や公式サイトの料金説明において、追加料金の発生がないかも確認しましょう。
4.保証内容をチェック
修理や交換に関して、どのような保証が付くか、公式サイトや相談の段階で確認しましょう。
保証内容が充実していないと、修理や交換後に何らかの不具合が発生したとき、別途作業費用が掛かるということにもつながります。
保証内容の例としては、
- 修理や交換をした際、商品や工事費に対して、修理業者独自の保証期間が付いてくる
- 修理や交換後のトラブルや疑問に対して、アフターフォローをしてくれる
などといった保証があれば、気兼ねなく依頼できるでしょう。
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給湯器の水漏れについてよくある質問
ここでは、水漏れした際に、多くの人が気になる質問にお答えしていきます。
給湯器の修理はDIYでできる?
一般的に、DIYによる給湯器の修理は難しいとされています。
配管の保護テープの巻き直しや保温用ヒーターの取り付け等であればDIYも可能ですが、それ以外の作業を自力で行うのは危険を伴うため、おすすめしません。
さらに、給湯器内部の部品は非常に精密なので、専門業者でないと取り扱いが難しく、DIYで無理やり直そうとすると、かえって故障につながる恐れがあります。
そのため専門的な作業はDIYで行わず、プロに任せるようにしましょう。下記のブログにて、DIYによる給湯器交換の危険性について解説しているので、よろしければこちらもチェックしてください。
給湯器が水漏れしていた時、水道代は減免できる?
もし給湯器の水漏れが発生したときに、下記の要件をいずれかを満たしているのであれば、水道代の一部を減免してもらえる制度があります。
【減免条件の例】
- 水漏れの原因が故意・過失によるものではない
- 蛇口以外の水漏れで、目視での確認が困難な場所である
- 水漏れの修繕が完了している
実際に減免してもらえるかどうかは状況によって異なりますが、まずは、お住まいの地域の水道局へ相談してみると良いでしょう。
自宅の場合の水道代減免
水漏れが発生したら、以下の流れで、速やかに減免申請を行いましょう。
- 給水管(水道メーターから蛇口までの間)に発生した水漏れを確認する
- 業者に修理を依頼する
- 水道局の「漏水減額請求書」に必要事項を記入し、修理業者から受け取った領収書のコピーを添付し、地域サービスセンターへ提出する
- 減免の決定を待つ
賃貸マンションの場合の水道代減免
賃貸物件にお住まいの場合は、お客様から直接修理業者に依頼することはできません。
水道代が高くなってしまったことや減免申請したい旨を、大家さんか管理会社に伝えましょう。
また、減免申請の手続きを、入居者ではなく大家さんや管理会社が行うケースもあります。とはいえ、減免されなかった場合、費用を負担する人が決められているわけではありません。
トラブルにならないよう、しっかりとした話し合いが求められます。
給湯器の水漏れ まとめ
給湯器の水漏れは、さまざまな要因が考えられますが、状況や水漏れの箇所によっては、一酸化炭素中毒の危険性もあります。
そのため、水漏れを確認したら、一度修理・交換業者に相談してみることをおすすめします。
また応急処置として、一度給湯器の使用を控えて、安全を確保してからチェックしましょう。
この記事が少しでもお役に立つと幸いです!
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