「寒冷地向け給湯器のおすすめってどの製品?」
寒冷地での厳しい冬を乗り切るために、寒冷地仕様の給湯器を探しているものの、どの製品が良いのか分からないケースも多いです。
この記事では、寒冷地向け給湯器と一般的な給湯器の違いを踏まえ、寒冷地向け給湯器の種類や選び方もご紹介します。
さらに選ぶ際の注意点や具体的におすすめな寒冷地向け給湯器3選も分かるため、寒冷地向け給湯器選びで迷うことがなくなります。
この記事が、寒冷地での給湯器選びに悩んでいる方のお役に立てば幸いです。
目次
寒冷地向け給湯器と一般的な給湯器の違いは?寒冷地仕様の特徴3選
寒冷地向け給湯器の選び方やおすすめをチェックする前にまず、寒冷地向け給湯器と一般的な給湯器の違いを見ていきましょう。
寒冷地仕様の給湯器には、下記の3つの特徴があります。
凍結防止ヒーターが内蔵されている
寒冷地向け給湯器には、凍結防止ヒーターが内蔵されています。
外気温がマイナス10度に達するような寒冷地では、一般的な給湯器で十分な量および温度のお湯を作ることができません。
それどころか、凍結して給湯器本体が故障する恐れも高いです。
寒冷地向け給湯器の貯湯ユニットに凍結防止ヒーターが内蔵されており、給湯器内部の凍結を防ぐことができます。
このようにあらかじめヒーターが内蔵されていることで凍結を防ぎ、外気温がマイナス10度近い環境下でも安全に使い続けられるのが、寒冷地仕様の特徴の一つです。
配管凍結防止運転機能が搭載されている
寒冷地向け給湯器には、配管凍結防止運転機能も搭載されています。
厳寒地で正常にお湯を出し続けるためには配管の凍結を防ぐことが重要ですが、寒冷地仕様であれば配管の凍結を防ぐ運転機能が搭載されています。
具体的には、下記の2つの運転機能で凍結を防ぐことが可能です。
- 循環凍結防止運転
- 圧縮機予熱運転 (外気0度時に予熱制御を行う)
上記の機能は一般的な給湯器でも搭載されている製品(フルオートタイプ)もありますが、寒冷地向け給湯器には上記2つおよび既述のヒーターもほとんど全ての製品に搭載されています。
このように備え付けられた特別な運転機能により、寒冷地仕様の給湯器は凍結を防止しています。
外気温マイナス10度でも運転可能
寒冷地向け給湯器の特徴としては、外気温がマイナス10度の環境でも運転可能なことも挙げられます。
多くのメーカーがマイナス20〜30度の環境下での動作をテストして給湯器を製造しており、外気温がマイナス10度くらいまで下がっても安全に使い続けられる点がメリットです。
例えば、ダイキンの寒冷地仕様のエコキュートであれば、外気温がマイナス25度でも85度のお湯を作れます。
なお、寒冷地向け給湯器の使用と外気温に関しては下記のような点に注意が必要です。
- 最低気温がマイナス10度を下回る地域では寒冷地仕様が推奨されている
- 特定温度(マイナス20度など)を下回る場合には屋外設置が不可となることも
寒冷地向け給湯器の種類3つ
寒冷地向け給湯器と一般向け給湯器の違いを見てきました。
続いて、寒冷地向け給湯器の主な3つの種類をチェックしましょう。
燃料 | メリット | デメリット | |
寒冷地向け石油給湯器 | 灯油 | ・取り扱いが楽 ・燃料費がガスよりも安い ・寒冷地ではマンションでも人気 |
・灯油の供給が必須となる ・灯油タンクの空気抜きなども必要になる |
寒冷地向けエコキュート | 大気熱と電気 |
・光熱費を大幅に削減できる |
・初期費用が高い ・広い設置スペースが必要 |
寒冷地向けガス給湯器 | 都市ガスまたはプロパンガス | ・本体価格が石油給湯器やエコキュートより安い ・設置スペースを取らない |
・ガス漏れなどのリスクがある ・プロパンガスは割高 |
寒冷地向け石油給湯器
寒冷地向け石油給湯器は、灯油を燃料とした寒冷地でも使用できる給湯器です。
灯油は取り扱いが楽な上に単価もガスより安く、北海道などで寒冷地では石油給湯器が広く用いされています。
寒冷地などのマンションでも人気の給湯器であり、多くの人が使用していることから安全面でも安心感があります。
初期費用はガス給湯器よりも高く、エコキュートよりは安いです。
注意点としては、使い続けるためには灯油の安定的な供給が必要な点や、オイルタンクの設置スペースが必要な点が挙げられます。
https://mizu-tech.co.jp/blog/blog/93981/
寒冷地向けエコキュート
寒冷地向けエコキュートは、大気熱と電気の力でお湯を沸かす寒冷地でも使用できる給湯器です。
エコキュートは光熱費が他の給湯器に比べてかなり安いため、長期的な節約を実践したい人に向いています。
また、灯油やガスなどの燃料なしでお湯を沸かせる点も魅力であり、オール電化の住宅でも使える給湯器です。
注意点としては、本体価格が30~70万円と高い点や、広い設置スペースが必要な点が挙げられます。
10年程度使い続けることで初期費用分を回収することは可能ですが、導入時にまとまった費用が必要となります。
また、貯湯式のため災害時にタンク内に残ったお湯を使うことが可能な一方で、電気が復旧するまでお湯を使えない点もデメリットです。
https://mizu-tech.co.jp/blog/blog/87297/
寒冷地向けガス給湯器
寒冷地向け石油給湯器は、ガスを燃料とした寒冷地でも使用できる給湯器です。
ガス給湯器は石油給湯器やエコキュートなどに比べて本体価格が安く、10万円程度で購入できる製品も多いです。
また、広い設置スペースを必要としないため、住宅内や周辺にスペースを確保できない人にもおすすめです。
デメリットとしては、ガス漏れのリスクがある点や、プロパンガスの場合は都市ガスに比べてガス料金の単価が高い点などが挙げられます。
寒冷地向け給湯器を使用する際の注意点3つ
寒冷地向け給湯器にはさまざまな種類があることが分かりました。
性能面を比較し予算や目的に合った寒冷地向け給湯器を選びたいものですが、 どのタイプを選ぶにせよ、寒冷地向け給湯器の使用に際してはいくつかの注意点があります。
特に重要な3つの注意点をチェックしてください。
マイナス20度以下では屋外設置できない
寒冷地向け給湯器を使用する際には、マイナス20度以下では屋外設置できない点に注意してください。
具体的な温度ごとの設置方法はメーカーによっても異なりますが、多くのメーカーでマイナス20度以下の環境では屋外設置ができません。
例えば、ダイキンのエコキュートは外気温と機器の設置に関して下記のように定めています。
- ヒートポンプユニットはマイナス25度まで設置可能
- 貯湯ユニットはマイナス20度以下で屋内に設置
マイナス20度以下でも正常に使えないというわけではないものの、マイナス20度を下回ることの多い地域で屋外に設置すると、通常よりも寿命が短くなる可能性も高いです。
マイナス20度を一つの目安とし、安全な方法で設置を行ってできるだけ長く寒冷地向け給湯器を使い続けましょう。
故障を防ぐために積雪対策が必要となる
寒冷地向け給湯器の使用に際しては、故障を防ぐために積雪対策が必要となる点も理解しておきましょう。
たとえ寒冷地仕様の給湯器であっても、ヒートポンプユニットの底面に雪が接したり、雪が風によって吹き込んだりすると、エコキュートが故障する恐れがあります。
このようなケースを防ぐためにも、日頃から積雪対策を行うことが重要です。
具体的には、下記のような対策を行ってください。
- 給湯器周辺の雪かき
- 定期的な霜取り
- 別売りの防雪部材を使用(相場は20,000~40,000円)
雪が降り積もった時に雪かきや霜取りなどを怠らずに行うことで、給湯器の寿命を延ばすことができます。
修理費用や交換費用を抑えるためにも、積雪対策を徹底して行いましょう。
夏同様の設定だとお湯が不足することが多い
寒冷地向けエコキュートなどを冬に使用する際には、夏同様の設定でお湯が不足するケースにも注意が必要です。
外気温の低い冬場はエネルギー効率が低く、夏に比べて給湯にかかる費用が高くなります。
そのために省エネ設定などを活用して節約を図るケースも多く見受けられます。
冬はお湯の使用量も増えますが、省エネ設定のままだとお湯が足りなくなる可能性も高いです。
その結果電気料金の高い昼間に沸き増しが行われると光熱費がかさんでしまいます。
お湯切れとそれに伴う光熱費の高騰を防ぐべく、夜間に十分な量のお湯を作れるように、適切な設定変更を行ってください。
寒冷地向け給湯器を選ぶ際のポイント3つ
寒冷地向け給湯器を使用する際には、お伝えした3つの注意点を必ず守る必要があります。
寒冷地でも快適に給湯器を使う上では、給湯器の選び方も工夫したいものです。
ご自身に最も合った寒冷地向け給湯器を選ぶためのポイントを3点ご紹介します。
居住地域で希望機器の設置や燃料確保が可能かを確認
寒冷地向け給湯器を選ぶ際には、希望機器に関して下記の2点を必ず確認しましょう。
- 居住地域で希望機器の設置が可能かどうか
- 希望機器に使用する燃料の確保が可能かどうか
寒冷地向け給湯器は種類やメーカーによって、何度まで屋外設置が可能かが異なります。
また、吹雪の多い地域などでは業者から給湯器の屋外設置が奨励されていないケースなどもあります。
既述の通り、一般的にはマイナス20度以下の環境では給湯器の屋外設置は推奨できません。
ただし給湯器ごとに異なるポイントのため、居住地域と希望機器を照合して業者に確認をとっておきましょう。
都市ガスであれば安定的な供給もしやすいですが、プロパンガスや灯油は一本ずつタンクによって供給されており、世界のエネルギー事情や天候次第では供給が滞る可能性もあります。
このような点も考慮し、希望機器をお住まいの地域で安全に使い続けられるかを、確認することが重要です。
家族人数に合わせてタンク容量や号数を選ぶ
寒冷地向け給湯器を選ぶ際には、家族人数に合わせたタンク容量や号数を選ぶことも重要です。
給湯器は家族人数によって選ぶべき容量・号数が異なります。
各給湯器の家族人数ごとの容量目安は下記の通りです。
タイプ | 容量目安 |
石油給湯器 | ・3人以下:3万キロ ・3~5人以上:4万キロ |
ガス給湯器 | ・2~4人:370L ・4~5人:460L ・6人以上:550L |
エコキュート |
・1〜2人:16号 |
家族人数に対して給湯能力や容量が小さい給湯器を選んでしまうと、すぐにお湯切れを起こしたり水圧が弱くなったりする恐れもあります。
特に寒冷地では厳寒期にお湯が使えなくなると他地域以上に不便なため、適切な容量の給湯器を選ぶようにしましょう。
https://mizu-tech.co.jp/blog/blog/12475/
予算や目的ごとにフルオート・オート・給湯専用を選ぶ
寒冷地向け給湯器を選ぶ際には、予算や目的を考慮した上で適切な性能別のタイプを選びましょう。
給湯器の性能別のタイプには、主に下記の3つがあります。
- フルオート:お湯はり・追い焚き・保温・足し湯・配管洗浄など全てが全自動
- オート:お湯はり・追い焚き・保温までが自動
- 給湯専用
フルオートタイプは設定した水位まで自動でお湯はりができたり、自動で配管洗浄まで行えるなど機能が豊富です。
その反面、オートタイプや給湯専用に比べて費用が1.5~2倍程度高くなります。
例えば石油給湯器の場合、給湯専用であれば20万円台前半で購入できる製品が、同シリーズのフルオートの場合40万円以上かかるというケースもあります。
このような費用と性能の違いを考慮し、家族とも相談しながら予算と目的に合った給湯器を選びましょう。
寒冷地向け給湯器としておすすめの給湯器3選
寒冷地向け給湯器を選ぶ際のポイントを見てきました。
選び方が分かったところで、具体的におすすめの給湯器も見ていきましょう。
数ある給湯器の中でも特に寒冷地向けとしておすすめの給湯器を3つご紹介します。
ノーリツ製石油給湯器OQBシリーズ
(出典:ノーリツ)
寒冷地では冬にお湯を使う量が多いため、ガスよりも単価の安い灯油を用いる石油給湯器が使われることも多いです。
数ある石油給湯器の中でも、ノーリツのOQBシリーズは定番とも言える石油給湯器でおすすめ度も高いです。
排熱を回収して再利用することで効率よくお湯を沸かせるエコフィールにも対応しており、灯油の使用量を抑えて節約につなげられます。
OQBシリーズの各ラインナップの価格目安はOQB-C06シリーズで約27万円〜、OQB-C4711シリーズで約34万円〜となっています。
給湯機能に加え追い焚き機能や暖房機能も活用したい方には、ノーリツの石油温水暖房付ふろ給湯機のOTHシリーズもおすすめです。
こちらは価格が50万円以上と高価ですが、多機能で利便性が高く、お風呂の機能をフルに使いたいという人に向いています。
また、ノーリツの石油給湯器はシリーズを問わず下記のように便利な機能が搭載されています。
- スマート配管クリーン:気になる配管を自動で洗浄
- わかすアプリ:専用アプリで遠隔操作
寒冷地向け給湯器として燃料代が比較的安い石油給湯器をご希望の方は、OQBシリーズをはじめとするノーリツ製石油給湯器をぜひチェックしてください。
リンナイ製ガス給湯器RUSシリーズ
(出典:リンナイ)
寒冷地向け給湯器として石油給湯器ではなくガス給湯器を検討している方には、リンナイ製ガス給湯器RUSシリーズもおすすめです。
リンナイ製ガス給湯器のRUSシリーズは、ほとんどの製品が寒冷地仕様にも対応しており、選択肢が多いです。
また、下記のような特徴があり安全に使い続けられる点も魅力です。
- 消し忘れ防止装置
- 立消え安全装置
- 点火時炎検出装置
- 過熱防止装置
また、本体価格も10万円以下と安いモデルもあり、初期費用をあまりかけずに寒冷地向け給湯器を導入したい方にも向いています。
オール電化ではない家庭・灯油ではなくガスの寒冷地向け給湯器を購入したい方には、リンナイ製ガス給湯器RUSシリーズも検討してみてください。
ノーリツ製ガス給湯器GTH-C52・50シリーズ
(出典:ノーリツ)
ノーリツ製の寒冷地向け給湯器としては、石油給湯器だけでなくガス給湯器のGTH-C52・50シリーズもおすすめです。
- 給湯・お風呂沸かし・追い焚き・暖房に対応
- 排気ガスの熱を再利用し効率よくお湯を沸かす「エコジョーズ」も選べる
- 専用アプリで遠隔操作「わかすアプリ」
- 知らない間にエコを実践できる「エコスイッチ」
ノーリツ製ガス給湯器GTH-C52・50シリーズは、寒冷地向け給湯器の中でもハイスペックであり、価格帯は40~60万円と高めです。
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寒冷地向け給湯器 まとめ
この記事では、寒冷地向け給湯器について詳しく見てきました。
寒冷地向け給湯器には凍結防止ヒーターに加えて配管凍結防止運転機能などが搭載されており、外気温がマイナス10度の環境でも安全に使用することができます。
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