エコキュートと電気温水器はどちらも電気を使用する給湯器ですが、あらゆる点で違いが存在します。全く異なる給湯器であるため、選び方を間違えると期待する効果は得られません。
エコキュートと電気温水器は、初期費用やランニングコストも異なります。
自分の生活に合っていない給湯器を導入すれば、経済的な負担も大きくなるため注意が必要です。
今回はどちらを導入すべきか迷っている方向けに、エコキュートと電気温水器の違いやメリット・デメリットを紹介します。エコキュートまたは電気温水器への買い替えを検討している方や、電気代を比較したい方には特におすすめです。
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目次
エコキュートと電気温水器の違いを徹底比較
エコキュートは空気の熱と電気を利用してお湯を沸かす家庭用給湯システムで、正式名称は自然冷媒ヒートポンプ給湯機です。貯湯タンク内にお湯が貯まっていれば、非常時にも利用できて安心です。
電気温水器は、内蔵されている電熱ヒーターでお湯を沸かします。ガスを使用しないため、火災やガス漏れする心配がありません。
電気温水器は、稼働音が小さいです。深夜に稼働させても、近隣との騒音トラブルに発展するリスクも低いです。
エコキュートと電気温水器のどちらが合っているかは、重視するポイントやライフスタイルによって異なります。適した給湯器を選択するために、それぞれの違いを明確にしておくのが重要です。
電気代
電気代は、電気温水器よりエコキュートの方が安く抑えられます。電気代が安い深夜電力を使用してお湯を沸かし、貯湯タンク内に貯めておく仕組みはどちらも同じです。
ただし、エコキュートは大気中の熱エネルギーを回収して効率的にお湯を沸かします。電気温水器と同じ電力を使用した場合、エコキュートは電気温水器の約3倍もの熱エネルギーを生み出します。
2016年4月に電力の小売全面自由化が始めると、各電力会社がさまざまなプランが打ち出されました。主要な電力会社の夜間電気料金を、表にまとめます。
電力会社 | プラン | 夜間電気料金 (1kWh) |
---|---|---|
北海道電力 | エネとくスマートプラン | 28.99円 |
東北電力 | よりそう+スマートタイム | 29.86円 |
東京電力エナジーパートナー | スマートライフS | 27.86円 |
北陸電力 | くつろぎナイト12 | 26.98円 |
中部電力ミライズ | スマートライフプラン | 16.52円 |
関西電力 | はぴeタイムR | 15.37円 |
四国電力 | でんかeプラン | 33.78円 |
中国電力 | 電化Styleコース | 30.35円 |
九州電力 | 電化でナイト・セレクト | 14.59円 |
沖縄電力 | Eeホームホリデー | 28.79円 |
東京電力エナジーパートナーの、場合を見てみましょう。
オール電化向けのスマートライフSプランの場合午前1時〜午前6時の間は27.86円/kWhなのに対し、そのほかの時間帯は35.76円/kWhでした。
夜間の電気代は、そのほかの時間帯と比較すると割安です。
表に記載されているプランは、あくまでも一例です。生活リズムにあったプランの具体的な価格を確認したい方は、契約している電力会社の公式HPをチェックしてください。
電力会社(プラン)を合わせて見直すのがおすすめ
エコキュートや電気温水器を設置・交換するときは、電力プランの見直しも合わせて行うのがおすすめです。
電力自由化以降、数多くの電力会社から安い電力プランが登場しています。電力プランを見直して毎月の光熱費を下げれば、大きな節約効果が見込めます。
電気代を抑えるために電力会社を乗り換えるときは、乗り換え割キャンペーンの有無をチェックするのが重要です。キャンペーンを活用すれば、通常よりさらにお得に契約できます。
オール電化の場合はエコキュートと電気温水器のどちらがお得?
エコキュートと電気温水器は、オール電化に適しています。
電力会社のオール電力プランは、夜間の電気代が安く設定されている場合がほとんどです。エコキュートや電気温水器を設置・交換すれば、電気代の節約につながります。
エコキュートと電気温水器のどちらが適しているか、重視する点で異なります。電気代を節約したい方には、エコキュートがおすすめです。維持費がガス・石油給湯器より安いので、使い続けやすいです。
初期費用を抑えたい方は、電気温水器を検討してください。エコキュートよりも低価格で導入できるため、予算が限られていても設置しやすいです。
オール電化で給湯器の電気代を節約する方法を解説する記事はこちら
お湯の沸かし方
エコキュートと電気温水器は、お湯を沸かすために電気を使用します。
エコキュートの熱源はヒートポンプで、大気中の熱と電気を併用してお湯を沸かす仕組みです。電気温水器の熱源は電気ヒーターで、電気ポットと同じ仕組みで水を温めます。
エコキュートのヒートポンプユニットは取り込んだ熱を圧縮し、さらに高温・高圧にしてお湯を沸かす装置です。
空気の温度は圧縮されると高くなり、膨張すると低くなる性質があります。性質を利用して、熱を効率よく生み出しているのがヒートポンプです。電力の利用を最小限に抑えつつ、残りを再生可能エネルギーでまかなっています。
エコキュートは、冷媒として二酸化炭素を利用しています。地球温暖化への影響が大きい二酸化炭素を活用しているため、環境にも家庭にも優しい給湯器です。
エコキュートの仕組みやメリット、デメリットを解説する記事はこちら
設置スペース
エコキュートを導入するには、貯湯タンクとヒートポンプを設置するスペースが必要不可欠です。2つの機器を設置できるスペースがあるかを、事前に確認しておくのがおすすめです。
マンションやアパートなど、集合住宅向けのコンセプトなエコキュートも販売されています。十分なスペースが確保できない場合は、機器の再選定も視野に入れておくのが重要です。
電気温水器を使用するために設置するのは、貯湯タンクユニットのみです。コンパクトで、限られたスペースにも設置できます。
補助金
エコキュートの設置や交換は、国や自治体からの補助金対象です。給湯省エネ2024事業の要件を満たすと、最大で230,000円の補助金が受け取れます。自治体によっては、独自の補助金制度を設けているところもあります。
国・自治体両方の制度を活用すれば、設置・交換時の負担軽減につながります。
電気温水器は、補助金の対象外です。住まいの自治体から活用できる補助金制度が発表されていないか確認したり、余裕を持った予算を設定したりする必要があります。
電気温水器は本体代が400,000~800,000円、工事代は100,000~150,000円程度です。メーカーやタンクの容量、搭載している機能によって異なります。
工事費用は、設置状況によって変動する可能性があります。設置工事を依頼するときは、詳細を事前に確認しておくと安心です。
エコキュートの補助金の買い替え時の費用相場を解説する記事はこちら
寿命(耐用年数)・メンテナンス
寿命はエコキュートが10~15年、電気温水器は10年程度です。
使用方法や頻度、設置環境、定期メンテナンスの有無などによって多少変動します。定期的なメンテナンスは溜まった汚れを綺麗にしたり、不具合や故障を未然に防いだりする効果があります。
エコキュートの点検は半年に1回、水抜きは年に2~3回が目安です。簡単な清掃は1週間に1回程度行って、汚れが溜まりにくい環境を維持するのが重要です。
電気温水器の点検は3年に1回、水抜きは年に2~3回程度行います。電気温水器は使用し始めてから7~8年程度経過すると、不具合や故障が出始めます。
エコキュートの寿命や交換時期に出やすい症状を解説する記事はこちら
エコキュートと電気温水器の価格の違い|工事費込みで比較
エコキュートと電気温水器の本体代+工事費込みの価格の相場を、貯湯タンクの容量別にまとめました。事前に理解しておけば、相場からかけ離れた額を請求してくる業者の被害に遭わずに済みます。
タンクの容量 | エコキュート | 電気温水器 |
---|---|---|
370L(3~5人家族) | 370,000~870,000円 | 400,000~600,000円 |
460L(4~6人家族) | 400,000~930,000円 | 500,000~700,000円 |
550L(5~8人家族) | 490,000~730,000円 | 600,000~800,000円 |
貯湯タンクの容量は、使用人数や湯水の使用頻度によって異なります。
容量選びを間違えるとお湯切れを頻繁に起きる可能性があるため、注意が必要です。
タンクの容量に関係なく、初期費用は電気温水器よりエコキュートの方が高額な傾向にあります。国や自治体が実施する補助金制度を上手に活用しないと、費用面の負担は大きいのが現状です。
電気温水器からエコキュートへの買い替えをシミュレーション
電気温水器からエコキュートに買い替えるなら、ミズテックにご相談ください。専門の資格と知識、豊富な施工実績をもつスタッフが担当します。
電気温水器からエコキュートへの買い替えは、撤去・取付工事費込みで260,000~650,000円程度です。初めに、既存機器を撤去して設置工事を行います。配管の接続工事やリモコンの取り付けを行った後、試運転をして問題なければ設置完了です。
電力会社への電力申請や、料金プランの契約変更なども同時に済ませます。
ミズテックはメーカーからの一括仕入れで、最大80%オフでの提供を実現しています。初期費用の負担を軽減したい方にとっては、お得で利用しやすいです。
電気温水器からエコキュートに交換するメリットや費用を解説する記事はこちら
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違いを深く知りたい方向け!エコキュートのメリット・デメリット
エコキュートの違いや特徴をより詳しく知りたい方向けに、メリットとデメリットを紹介します。エコキュートには省エネ性に優れた製品で緊急時に活用できる良い面がある一方、水圧や騒音などのデメリットもあります。
メリット | デメリット |
---|---|
・ランニングコストが低い ・省エネ性能が高い ・非常時に貯湯タンクの水を飲料水として利用できる ・補助金を活用できる | ・設置費用が高い ・お湯を使いすぎるとお湯切れを起こす ・水圧が弱くなる ・定期的なメンテナンスが必要 ・室外機の稼働音が気になる |
エコキュートのメリット
電気温水器と比較したときのエコキュートのメリットは、4つあります。
ランニングコストが非常に低い
エコキュートは、電気温水器と比較したときにランニングコストが非常に低いです。貯湯式の電気温水器は保温にも電気を使用するため、さらに電気代がかかります。
1日あたりの電気代を計算すると電気温水器が90~150円なのに対し、エコキュートは30~40円で済みます。
導入コストはエコキュートより電気温水器の方が安く済みますが、ランニングコストの低さで差額分を回収するのは容易です。
省エネ性能が高い
エコキュートは、大気中の熱と電気を使用する給湯器で、ガスは使用しません。消費電力は電気温水器と比較すると非常に少なく、二酸化炭素排出量の削減に貢献しています。
エコキュートはお湯を沸かすのに大気中の熱を利用するため、電気使用量が少ないです。電気を発電する火力発電の燃料である、石炭や石油などの使用量軽減にもつながります。
非常時に貯湯タンクの水を飲料水として利用できる
貯湯式であるエコキュートは、非常時に貯湯タンク内の水を利用できます。断水や停電が起こっても、タンクに貯まっている湯水を生活用水として使用できる作りです。
ただし、貯湯タンク内の湯水を飲用水として使用するのは避けてください。細菌が繁殖しているリスクがあるため、飲用水として使用する場合は一度沸騰させるのが重要です。
災害時の備えとしては貯湯タンク内の水はトイレや洗い物用として、飲用水は前もって用意しておくのが安心です。
補助金を活用できる
省エネ性が高いエコキュートは、要件を満たしていれば国や自治体から補助金が受け取れます。
給湯省エネ2024事業では、エコキュートの設置・交換時は補助金の対象です。受け付けは予算の上限に達した時点で締め切られてしまうため、早めに手続きを済ませておくのが重要です。
エコキュートの補助金の手続きはメーカーや機種、購入店などにも条件が設定されていることがあります。補助金を確実に受け取るには、エコキュートを購入する前に詳細を確認しておくのが必要です。
エコキュートへの補助金は、自治体でも実施している場合があります。条件や補助金支給額は自治体によって異なるため、居住地域の自治体の公式HPを確認しましょう。
エコキュートのデメリット
電気温水器と比較したとき、エコキュートには5つのデメリットがあります。
設置費用が高い
エコキュートの設置は、電気温水器よりも費用がかかります。
ただし、電気温水器より月々の光熱費が安いため、中長期の費用で比較した際にランニングコストで回収することができます。補助金を利用し導入費用を抑えることで、費用対効果が逆転するまでの期間も短くなります。
結果的には割安になるため、導入費用を確保できるのであればあまり気にする必要はないといえます。
お湯を切らすとお湯切れを起こすケースも
エコキュートは貯湯式となっており、一般的に電気代が安い時間帯にまとめて沸かしてお湯を溜めておく仕組みです。
沸き上げる湯量を減らすことで電気代を抑えることができますが、溜めている湯量以上にお湯を使うとお湯切れに繋がります。
お湯切れが起きるとお湯を再度沸かすまでに一定時間かかるため、予定どおりにお風呂を焚かすことができなかったり、洗い物が進まなかったりということも考えられます。
日中にお湯切れを起こした場合は、電気料金の高い日中に沸かすことになり電気代もかさんでしまいます。これでは節約どころか、かえって電気代がかさむため湯量はしっかり計算してお湯を使うことが大切です。
水圧が弱くなる
エコキュートは、一般的な電気温水器と比べて水圧が弱い機種があります。貯湯タンクに水を入れる際に減圧弁を使用して水圧を下げる必要があるためで、シャワーや蛇口をひねったときの勢いが物足りないと感じる方もいるかもしれません。
こういった懸念がある場合は、高圧給湯タイプのエコキュートを選びましょう。水道直圧式であれば瞬間式と変わらない水圧でエコキュートを利用可能です。
もしくはシャワーヘッドを変えることで水圧を調整することもできます。
定期的なメンテナンスが必要
10~15年といわれるエコキュートの寿命を少しでも伸ばすためには、定期的なメンテナンスを行う必要があります。定期的な浴槽フィルター掃除、漏電遮断器や逃し弁の点検、風呂配管の掃除といった作業が必要です。
エコキュートの汚れや、本体のすぐ近くにものが置かれている場合も故障につながることがあるため注意しなければいけません。また、冬の寒い時期には配管が劣化しやすくなります。アルミシートなどで保温することをおすすめします。
エコキュートは半導体など精密機器が使われており、強い衝撃にも注意が必要です。
エコキュートの交換には30~60万円程度と大きな金額がかかってくるので、できるだけ長持ちさせるためにもメンテナンスが重要になります。
騒音が気になるケースも
エコキュートは電気温水器に比べて稼働時の音がやや大きく、機種にもよりますが40db程度の音が発生します。40dbというと図書館や閑静な住宅地に相当する音で、音の大きさはそこまで気にする必要はないかもしれません。
ただし音としては小さいものの低周波音も発生する場合があり、人によっては不快感や大きく聞こえる可能性もあります。
エコキュートを設置する際には、寝室から話した場所に設置するなど騒音が聞こえにくいような対策をしておくといいでしょう。
ガス給湯器のようにガスを燃焼をさせることもなく、また消費電力も電気温水器と比較して非常に少ないためCO2排出量の削減にも貢献しています。
そして、エコキュートは省エネ性が高いモデルであることから、自治体によっては導入に対して補助金が出ることもあります。
支給条件や支給額は自治体によって異なるため、まずは補助金の有無を暮らしている地域の自治体に確認するようにしてみましょう。
電気温水器のメリット・デメリット
対して、電気温水器のメリットとデメリットもチェックしていきましょう。
電気温水器のメリット
電気温水器のメリットは以下の3つです。
では、順に解説していきます。
安全性が高い
電気温水器は、電気の力でお湯を沸かす仕組みであるため、ガス給湯器のように火を使いません。そのため、火災のリスクが低く安全性が高いのがメリットです。
また、ガスを燃やすことがないため、一酸化炭素の不完全燃焼で中毒を起こすリスクも避けられます。
非常時にもお湯や水が出る
貯湯式の電気温水器は、タンクの中にお湯を貯められます。
そのため、災害時に停電した時などでも非常用取水栓から水を取り出して生活用水に使えるので安心です。
ただし、エコキュート同様にそのまま飲用水として使えるわけではないため、その点は注意しましょう。
音が静か
電気温水器は静音性が高く、稼働中ほぼ無音です。
ガス給湯器は使用するたびにガスを点火するためファンの音がしますし、エコキュートもある程度の稼働音がします。
電気温水器なら、隣近所への騒音を心配する必要がありません。
電気温水器のデメリット
電気温水器のデメリットは以下の3つです。
では、順に解説していきます。
湯切れする場合がある
貯湯式の電気温水器は、エコキュートと同様に湯切れすることがあります。
電気代が安い夜間に沸かして保温しておき、日中に使うといった使い方が多いため、途中でお湯が足りなくなれば、電気代が高い昼間に沸かさなくてはなりません。
水圧が低い
貯湯式の電気温水器は水圧が低くなるというデメリットがあります。貯湯式の電気温水器は、水の圧力を下げてタンクに貯める仕組みであるため、水が水道管から出てくる時の圧力のまま使用することはできません。
ただし、瞬間式の電気温水器であれば、ガス給湯器と同様に強い水圧のまま使用できます。
ランニングコストが高い
電気温水器はエコキュートよりもランニングコストがかかります。
これは、電気温水器が電気だけでお湯を作るのに対し、エコキュートは電気だけでなく大気中の熱を利用するため消費電力を大幅に抑えられるからです。
電気温水器は初期費用こそエコキュートより安く抑えられますが、ランニングコストも踏まえて長い目で見ると、電気温水器の方が総コストは高くなります。
電気温水器とエコキュートどちらがおすすめ?
電気温水器とエコキュートは貯湯タンクに沸かしたお湯を貯めておくという共通点もありますが、お湯の沸かし方など明確に違いがある部分もあります。
そのため、どのような人は電気温水器がいいのか、そしてどのような人はエコキュートがいいのかということについて解説していきます。
電気温水器がおすすめな人
電気温水器がおすすめな人は「導入コストを抑えたい人」です。
電気温水器とエコキュートを比較した際に最も大きなメリットは導入コストの低さにあります。
前述したように交換サイクルも長いため、例えば40年間でエコキュートであれば2回の買い替えが必要なのに対して電気温水器では1回で済む可能性があります。
また、「設置スペースがあまり確保できない人」も電気温水器の方がおすすめです。
電気温水器が貯湯タンクのみを設置すればいいのに対して、エコキュートでは貯湯タンクと、ヒートポンプユニットの設置が必要になります。
ヒートポンプユニット分のスペースを余分に確保しなければならないため、都心など土地に余裕がないような場合などは電気温水器の方が導入しやすいでしょう。
さらに、エコキュートは低周波による騒音問題もあります。自宅はもちろん、近隣住民の寝室近くへの設置も避けるのが無難です。
と言うのも、エコキュートは電気代が安い深夜の時間帯にお湯を沸かすため、多くの方が就寝している深夜に稼働します。そして、稼働しているからこそ低周波音を発生させます。
そのため、寝室近くに設置した場合には騒音問題で訴訟になる可能性もあるため、設置場所にも気を配らなければなりません。
エコキュートがおすすめな人
エコキュートがおすすめな人は「導入コストが高くなってもいい人」です。
エコキュートは電気温水器と比較して導入コストが高くなってしまうのがデメリットではありますが、ランニングコストは電気温水器と比較して非常に低くなります。
ランニングコストはお住まいの地域によっても違いますが、その差は年間で3万円〜10万円程度です。
平均で5万円程度の差だったとしても10年間使用すれば50万円の差となり、導入コストの差を十分に回収することができます。
このように、長い目で見ればエコキュートの方がお得になる可能性が高いため、導入コストが高くなっても問題ないのであればエコキュートが選択肢になるでしょう。
また、「環境問題に意識がある人」もエコキュートがおすすめです。
前述したように、エコキュートは大気中の熱とわずかな電力を利用してお湯を沸かします。
お湯を沸かすための力の大部分は大気中の熱という再生可能エネルギーであり、消費する電力もわずかで何かを燃焼させることもないため環境には非常に優しい給湯システムです。
特に、エコキュートはオール電化住宅との相性が良いという特徴もあります。固定価格買取制度終了後はエコキュートで自家消費する方も多いですし、太陽光発電を利用して昼間にお湯を沸かす「おひさまエコキュート」も人気です。
環境問題に意識がある人や省エネ性能の高さを求めている人にはエコキュート一択と言ってもいいかもしれません。
エコキュートは、パナソニックや三菱電機、ダイキン(DAIKIN)などさまざまなメーカーから販売されています。生活スタイルに合わせて適切なエコキュートを選ぶためにも、こちらの記事でメーカーによる違いをチェックしてみてくださいね。
まとめ
電気温水器とエコキュートは電気料金の安い深夜の時間帯にお湯を沸かし、沸かしたお湯を貯湯タンクに貯めるという共通点があります。
共通している部分がある一方で明確に違う部分もあり、その違いを理解しておかなければどちらを購入すればいいのかを決めることができません。
電気温水器とエコキュートのどちらが優れているというわけではなく、どちらのメリットが自分の暮らしには合っているかを考えながら選択するといいでしょう。