「エコジョーズを使う時はドレン排水に気をつけた方がいいって本当?」
給湯器をエコジョーズに切り替える場合に、ドレン排水とは何か気になっている方も多いでしょう。
この記事ではエコジョーズの使用時にドレン排水が発生する仕組みに加え、住宅の種類ごとにドレン排水の処理方法もお伝えします。
またドレン配管が凍結した際の処理法もお伝えするため、エコジョーズ使用時のトラブルに関する疑問も解消できます。
この記事が、エコジョーズの使用に関して悩んでいる方のお役に立てば幸いです。
目次
エコジョーズのドレン排水とは「熱のリサイクル時に発生する凝縮水」
エコジョーズのドレン排水とは、熱のリサイクル時に発生する凝縮水のことです。
従来の給湯器では、廃棄しなくてはならない燃焼排ガスが生じていました。エコジョーズでは、燃焼排ガスとして捨てていた熱をリサイクルすることで熱効率を約80%から約90~95%にまで大幅に向上させ、排熱温度を50℃近くまで下げています。この排熱温度を下げる過程で水蒸気が発生します。この水蒸気が凝縮し、結露したものが「ドレン排水」です。エコジョーズのドレン排水量は、1分間に約60~100ml・1日あたり500~1,500mlです。しかし、水道水の温度が低く結露が起きやすい冬場には、特に量が増えます。
通常であればph3程度の酸性であるドレン排水は炭酸カルシウムを充填した中和器を通すことで、ph7程度の中性にして排出されます。エコジョーズのドレン排水に関しては汚水問題が懸念されますが、このように酸性から中性に変えて排出されるため安心です。
エコジョーズのドレン排水は垂れ流してもOK|ただしカビや腐食の原因になる
エコジョーズのドレン排水は垂れ流しても法律的に問題はありません。
エコジョーズのドレン排水を垂れ流してもOKな理由は、排出前にドレン排水が酸性から中性に変えられるためです。ドレン水が酸性状態のままだと、人体や環境に害を及ぼします。従来のドレン排水は、下水道法第2条によって「汚水」に分類されていました。しかし機器の品質向上などにより、国土交通省のガイドラインに準ずる形で雨水系統への排出が可能となりました。現在では、エコジョーズの設置が不可であった住宅でも、エコジョーズを導入できるケースが増えています。
ただしドレン排水がカビや腐食の原因になり得る点には注意が必要です。ドレン排水を適切なケアを怠ると、エコジョーズの機器周辺は常に濡れた状態となり、コケやカビが発生しやすくなります。また長期的な使用によって中和器が劣化するとドレン排水がより酸性に近い状態で流れることになり、配管の腐食やコンクリートへの侵食などを招く恐れもあります。
住宅の種類ごとに正しい方法でドレン排水を処理した上で、定期的なメンテナンスを行うことが重要です。
エコジョーズのドレン排水における4つの処理方法|「戸建て」「マンション」に分けて工事の種類を解説!
ドレン排水の処理方法は、戸建てやマンションなど住宅の種類によって異なります。ここでは、戸建てとマンションそれぞれの処理方法を、具体的に紹介します。
戸建て
戸建てにおけるドレン排水の主な処理方法は、下記の4つです。
雨水系統・側溝への排出
給湯器の位置が側溝に面している場合・側溝が近い場合には、排水管を伸ばして雨水系統にて側溝にドレン排水を排出します。
エコジョーズの位置が側溝から離れている場合には、ドレン排水管を伸ばして設置する必要があります。そのため、エコジョーズが側溝に面している場合・側溝に近い場合が理想です。
雨水系統・雨どいへの排出
給湯器の位置が雨どいに近い場合、ドレン管を延長して雨水立て管に接続することでドレン水を排出します。
形状としては、エコジョーズの本体下部から雨どいに向かって、細い配管が繋がれるものです。このように雨どいに接続してドレン水を排出する方法は、戸建てで特によく採用される方式の一つです。
雨水系統・雨水枡
雨水立管や汚水枡がない場合、簡易的な雨水浸透枡を設けることでドレン水を排出することも可能です。
ただし、この方法による処理を実施できるかどうかは、自治体によっても異なります。雨水枡を設けての排水ができない地域もあるため、注意が必要です。
汚水系統への排水
従来のように、ドレン用の排水管を汚水枡に接続し、ドレン水を汚水系統に排出する方法もあります。
エコジョーズからドレン管を引き吐水空間を設けることで先端が水につからないように接続した上で、臭気対策としてトラップも作成します。以前まではこの方法でドレン水を処理する必要がありましたが、現在では雨水系統への排水も認められています。
マンション
マンションなどの集合住宅でエコジョーズを使用する場合は、戸建てに比べてドレン水の処理が難しいものです。管理規約によってエコジョーズが使用できない場合もあるので、まずは大家や管理会社に確認することが重要です。しかし以前よりもドレン排水処理方法は増えており、条件が整ったマンションであれば容易に設置できるケースもあります。
集合住宅におけるドレン排水の主な処理方法は、下記の3つです。
PS設置(雨水側溝・立て管への排出)
集合住宅におけるドレン排水の処理法としてはまず、PS設置が挙げられます。PSとは、パイプスペースまたはパイプシャフトの略で、玄関の横にある、配管が入っているスペースを指します。このPS内にエコジョーズを設置する場合、雨水側溝への排水、または立て管への排水の2つの処理方法があります。それぞれの特徴は、下記の通りです。
- 雨水側溝への排水:側溝のある方向にドレン排水の部品や材料を敷きながら設置し、敷設した部材にドレン管を接続する
- 立て管への排水:雑排水立て管またはドレン排水専用の立て管に接続する
バルコニー設置(雨水側溝・立て管への排出)
バルコニーやベランダにエコジョーズが設置されている場合には、雨水側溝や立て管にドレン排水を排出します。雨水側溝に排水する場合には、エコジョーズからドレン用の配管を伸ばすために、敷設用の部材を使用します。配管は、地面に取り付けるか、勾配をつけて外壁に沿わせて取り付けます。
ドレン排水用の立て管や雑排水立て管との距離が近い場合には、立て管にドレン排水管を接続します。
ドレンアップ方式
集合住宅におけるドレン排水の処理法としては、ドレンアップ方式も挙げられます。ドレンアップ方式は、ドレン水を給湯器内部のタンクに溜め、浴室内の排水経路から流す処理法です。この処理法は、雨水側溝や立て管がエコジョーズの付近にない場合に採用されることが多いです。
新築のマンションなどでは、「トリプルチューブ」と呼ばれる一体化した3本の管を、浴室とエコジョーズの間に敷設します。3本の管のうち、2本は追い焚き用の管で、残りの1本がドレン水の排出用です。
一方で、既存の給湯器をエコジョーズと交換する場合には、三方弁切り替え方式を採用します。三方弁を浴室内の風呂配管に設置し、お湯張りや追い焚きが行われていない間に、回路を切り替えることでドレン水を排出します。排水後は、配管を洗浄してから通常の風呂回路に戻すことが可能です。
エコジョーズのドレン配管が凍結した時の2つの対処法
続いて、エコジョーズのドレン配管が凍結した時の対処法を見ていきます。
凍結した配管部分にぬるま湯をかける(急ぎの場合)
急ぎの場合には、凍結した配管部分にぬるま湯をかけて凍結に対処します。ドレン管の凍結している部分にタオルを巻きつけ、40~50℃ほどのお湯をタオルの上からゆっくりかけます。
お湯の温度が高温すぎると、配管を破損する恐れがあるので注意が必要です。凍結が解消されたら、タオルを外して配管の水分を拭き取ります。
この方法は、あくまですぐにお湯を使いたい時にのみ行いましょう。急ぎでない場合は、自然解凍を待つのが無難です。
自然に配管が解凍されるのを待つ
ドレン配管の凍結をより安全に解消するためには、自然に配管が解凍されるのを待つのがおすすめです。冬場は、急な寒波の到来などでドレン配管が凍結することも多いですが、気温が上昇して自然に解凍されるのを待つことで、配管への負担を抑えられます。無理に解凍しようとすると、ひび割れや破裂などが発生する可能性もあるため、注意が必要です。
また凍結を予防するためには、凍結防止用の保温材やヒーターをドレン配管に巻きつけましょう。保温材やヒーターは、必ずドレン配管専用のものを使用してください。
通常の水道管用のヒーターを水道管よりも細いドレン配管に使ってしまうと、温度が上がりすぎて故障する可能性もあります。また、厳寒期は、本体に内蔵されている凍結防止用のヒーターの電源を切らないことも重要です。
エコジョーズの設置・故障に対して不安がある場合はミズテックへの依頼がおすすめです!
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エコジョーズ ドレン排水 まとめ
この記事では、エコジョーズのドレン排水について詳しく見てきました。
- エコジョーズのドレン排水とは、「熱のリサイクル時に発生する凝縮水」のこと。
- ドレン排水は基本的に垂れ流してOK
- 凍結したときはできるだけ自然解凍を待つのがおすすめ。急ぎの場合はぬるま湯をかけるとOK。
エコジョーズは従来の給湯器とは異なり、熱をリサイクルすることで熱効率を上げますが、このリサイクルのプロセスでドレン排水が発生します。エコジョーズのドレン排水は中和器によって酸性から中性に変えられた上で排出されるため、垂れ流しても問題ありません。
ただし、長期的に使用するとカビや腐食の原因になる点や、戸建てとマンションでは処理方法が異なる点に注意が必要です。ドレン排水に対して適切な処理を行い、熱効率の高いエコジョーズを上手く活用しましょう。
この記事が少しでもお役に立てると幸いです。
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