エコキュートの利用年数が10 年を超えると、そろそろ交換時期だと言われます。
一方で、実際は20 年使い続けている人がいるのも事実。
エコキュートの買い替えはそれなりの費用がかかるため、壊れていないなら使い続けたい、調子が悪くてもだましだまし使いたい気持ちがあるのも当然でしょう。
それでも、利用年数が10 年を超えたら、交換の検討を始めることをおすすめします。
そこで、今回はエコキュートを10年超えたら交換した方が良い理由と交換もかかる費用相場を紹介します!
目次
10 年を超えると部品がなく修理ができない可能性があるから
ここがポイント
- メーカーが補修用部品を保有しているのは10年だけ!10 年を過ぎると部品交換ができない
- 部品を交換しても本来の能力が発揮できない可能性がある
10 年を超えるとエコキュートの修理ができなかったり、本来の性能を十分に発揮できなかったりなど、リスクが高まります。
また、故障している部品を交換しても、他の部品の劣化が隠れているケースも少なくありません。
特に、エコキュートの心臓部ともいえる「ヒートポンプユニット」は、下記の図をご覧いただくと分かると思いますが、多くの役割を担っており、大きな負担がかかります。つまり、毎日の運転によって電装基盤などの故障が起こりやすいのです。
【参考】エコキュートの仕組み
補修用性能部品の保有期間は10 年
補修用性能部品とは、その製品の性能を維持するために必要な部品のことをいい、各エコキュートメーカーで部品を保有している期間は10年です(一部の製品を除く)。
保有期間の開始時期はその製品の製造を終了したとき。そのため、10年を経過した製品は部品の供給ができずに交換時期(寿命)を迎えてしまいます。
補修用性能部品の保有期間の詳細について、以下をご覧ください。
https://mizu-tech.co.jp/blog/blog/5498/
部品交換しても本来の機能を発揮できない
使用後10年が経過したエコキュートの場合、故障した部品を交換しても、それ以外の部品の摩耗や劣化などによって本来の性能を発揮できないことがあります。
複数の部品に不具合を起こしている場合は、修理が可能な場合でも修理金額が想像よりも高額になってしまうケースがあります。
動画でも解説しました!最後までご覧いただくと良いことがあるかも♪
エコキュートは機械です。
機械は多くの部品から成り立っており、時間の経過とともにどんどん劣化していってしまいます。
つまり、不具合箇所の修理を行ったとしても本来の性能が100%回復するとは限らないということなのです。
したがって、10年が経過したエコキュートを修理するメリットがあまりなく、エコキュート自体の交換を視野に入れておくほうが、結果的にお得だといえるのです。
このあたりの判断は難しいので、修理の見積りをお願いする際にアドバイスをもらうといいでしょう。
10年経つとエコキュートの省エネ面&機能面での差が歴然だから
ここがポイント
- 年間給湯保温効率に大きな差がある
- 利便性の高い機能の差が歴然としている
10年という長い年月の間、各メーカーの技術の進歩によってエコキュートの能力が各段と向上されます。
つまり、10年前に製造されたエコキュートと比較すると日常生活の中でさまざまな恩恵を受けられるようになるということです。
たとえば、機能が使いやすくなっていたり、電気代が安くなっていたりすることが挙げられます。
時代の変化とともにエコキュートは進化を遂げており、省エネ性や性能面の向上は交換時期を見据える大きな材料となるでしょう!
省エネ面:10年前と比較して電気代が最大で15,000円/年違う!
10年前と今では、年間給湯保温効率に大きな差があり、年間の電気代が最大で15,000円違ってきます。
年間給湯保温効率とは日本工業規格であるJIS C 9220:2011に基づいて、エコキュートを運転した時にどれだけ少ない電力で給湯および保温ができるかを示したものです。
年間給湯保温効率が高ければ高いほど、電気代の削減に繋がります。すなわち、省エネ性の高さを裏付けている数値であるといえます。
この数値は各メーカーのカタログに書かれており、省エネ性を判断する一つの指標となるでしょう。
■年間給湯保温効率の比較
項目 | 2010年頃 | 2021年現在 |
---|---|---|
年間給湯 保湿効率 |
2.5~3.0 | 3.0~4.0 |
電気代目安 (年間) |
155,000~150,000円 | 150,000~140,000円 |
10年前との差 | 年間給湯保温効率で0.5~1.0、年間の電気代が最大で15,000円 |
※年間給湯保温効率0.1に対して年間の電気は1,000円程度
10年前のエコキュートを10年間使用した場合の電気代は、最新のエコキュートと比較して年間最大約15,000円の差があります。
年間15,000円も差があるということは、10年使えば150,000円も差が出るということです。
つまり、最新のエコキュートに交換することで、電気代の削減を期待できるのです。
機能面:利便性の高い機能の差が歴然としている!
最新のエコキュートは、10年前のエコキュートと比べると利便性の高い機能が多く搭載されています。三菱製のエコキュートを例に比較してみました。
10年前のエコキュートと最新エコキュートの機能はこんなにも違う!
機能名称 | 2010年モデル SRT-HP37WUX5 |
2021年現在 SRT-P375UB(後継機) |
---|---|---|
キラリユキープ | × | ○ |
ホットあわー | × | ○ |
スマホ連携 | × | ○ |
ふろ配管自動洗浄 バブルおそうじ |
○ |
○ |
ホットりたーん | × | ○ |
耐震クラス | Bクラス | Sクラス (耐震性能の更なる強化) |
機能の詳細については、次の記事で詳しく紹介しています。
https://mizu-tech.co.jp/blog/blog/14689/
新旧の機能の差は一目瞭然。
便利な最新機能が搭載されており、使い勝手も安全性も格段に上がっています。
そのため、特に大きな故障が起きていなくても、機能面だけでなく光熱費削減効果も期待することができるため、10年を経過した時点で交換を検討することをおすすめします。
エコキュートの交換を検討したいタイミングは2回
ここがポイント
交換を検討するタイミングはズバリ!次の2回
- 利用年数が10年を超えたとき
- 利用年数が15年、または故障の症状がでたとき
エコキュートは高額なため、壊れるまで使いたいと思うのも当然ですが、ある日突然お湯が使えなくなったときのストレスは相当なもの!
ストレスフリーにお湯を使うためにも交換時期をしっかりと見据えておくことが大切です。
特に省エネ効果や安全性については格段にレベルが上がっているため、効果を実感しやすいでしょう。
交換タイミング1回目:利用年数が10年を超えるとき
最初にエコキュートの交換を考えたいタイミングは、利用年数が10年を超えたとき。その理由は次の5つです
- 故障した場合に修理ができない可能性がある
- 複数の部品故障のリスクが高くなり、修理金額が高額となる場合がある(具体的な金額は下表「参考:修理費用の目安」を参照)
- 最新エコキュートと比較して電気代が高い
- 最新エコキュートと比較して機能面で劣る
- 安全面を考慮した点検時期の目安が定められていない
豆知識
ガス給湯器は機器を安全にお使いいただくための点検時期の目安「設計標準使用期間」が10 年と定められていますが、エコキュートは対照的に定められていません。このため一度も点検をしないまま10年ご利用中の方もいらっしゃることと思います。その場合は利用期間が10年を経過したら、本当に安全上の問題がないか、交換も念頭におきつつ点検を依頼することをおすすめします。
参考:修理費用の目安 ※部品代+技術料+出張費=修理費用
修理箇所 | 費用 |
---|---|
貯湯ユニット内部の部分的な部品交換 (三方弁、混合弁、風呂循環ポンプ 等) |
約15,000円~50,000円 ※交換部品による |
貯湯タンク | 約300,000円 |
基盤交換 (貯湯ユニット、ヒートポンプユニット) |
約50,000~100,000円 |
配管交換 | 約20,000円~30,000円 |
ヒートポンプユニット内部の部品交換 | 約100,000円~200,000円 |
もともと導入メリットが多いエコキュートですが、使用年数が10年を超えるとデメリットが目につくようになります。
もちろん、エコキュートの使用状況や定期的なメンテナンスによって10年を超えても本来の性能を維持しているケースも珍しくありません。
しかし、故障のリスクは年々高まっているのも事実。
常に、故障リスクの認識を念頭においておき、安心して使用するためにも交換時期を見据えておくことが大切です。
交換タイミング2回目:利用年数が15年&故障の症状が出たとき
エコキュートの交換時期の目安は10年。
しかし、設置から15年以上も故障せずに長持ちする場合もあります。
もちろん、使用年数が長くなるほど故障のリスクは高まり、ある日突然動かなくなってしまうことも……。
そのため、使用年数が15年を超えたり、故障の症状が少しでも出たりした場合は早めに交換したほうが良いでしょう。
下記のような故障の症状が出た場合は、寿命時期が迫っているサインかも知れません。
こんな症状が出たら要注意です!
症状:エラーコードが頻繁に表示される
ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットに不具合が発生するとリモコンにエラーコードが表示されます。
症状:お湯の出が悪い
すべての蛇口からお湯の出が悪い(お湯の水圧が弱い)場合はエコキュートの不具合が疑わしくなります。
症状:水漏れが発生している
ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニット周辺が常に濡れている場合は、機器内の部品が劣化しているなどの可能性があります。その他、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットを繋ぐヒートポンプ配管から水漏れすることもあります。
症状:お湯がぬるい、温度が安定しない
お湯がぬるく、温度が安定しない場合は温度センサーなどの部品の故障の可能性が考えられます。
症状: 漏電遮断器が作動する
貯湯タンクユニットの電源レバー操作窓内に漏電遮断器が設置されており、何らかの原因で漏電が発生すると、遮断器が作動して電気流れを遮断します。(レバーOFFの状態)
症状:お湯が止まらない
電装基盤やセンサー類の故障の可能性があります。
上記であげた6つの症状は、「ご自身で対処できるもの」「一時的なエラー」「修理に急を要するもの」など、様々ですが、何度も同じ症状を繰り返す場合は故障の可能性が高いといえます。
その他の症状や原因について詳しくは以下の記事をご覧ください。
https://mizu-tech.co.jp/blog/blog/5498/
エコキュートの交換費用相場は、30万~70万円
エコキュートの交換費用は、エコキュート本体、標準工事費、その他の費用(標準工事費以外の工事費)で決まります。
ここを押さえよう!
- エコキュートの種類とタンク容量、値引き率で交換費用は大きく変わる!
- エコキュート交換費用の相場は30万~70万円!
メーカー側が提示している定価でエコキュート本体を販売している業者はごく少数。ほとんどの業者が割引した価格で販売しています。
また、標準工事費は業者による大きな差はなく、標準工事費以外の工事費も必ずしもかかる費用ではないことから、エコキュートの販売価格に着目しておくと相場が把握しやすくなります。
エコキュート本体の価格相場は、20万~50万円
エコキュート本体の価格相場は、約20万~50万円です。ただし、業者によって「リモコン」と「脚部カバー」が交換費用に含まれている場合と含まれない場合があるため、事前に確認しておきましょう!
ミズテックではリモコンも脚部カバーも全て込みの料金でご提示されていただいております。
多くのお客様から選ばれている貯湯タンクの容量からエコキュート本体の相場を表にまとめました。
種類 | タンク容量(L) | 相場 |
---|---|---|
給湯専用 | 370 | 160,000~330,000円 |
460 | 170,000~360,000円 | |
追い炊き付きフルオート | 300 | 180,000~330,000円 |
370 | 170,000~450,000円 | |
460 | 190,000~500,000円 | |
追い焚き付きオート | 370 | 165,000~260,000円 |
460 | 180,000~300,000円 | |
床暖房付きフルオート | 370 | 320,000~370,000円 |
460 | 350,000~410,000円 |
※タンク容量目安:300L(2~4人用)/370L(3~5人用)/460L(4~7人用)
エコキュート本体の相場は定価の6割引は当たり前。さらに定価の8割引まで値引きしてくれるのであれば、その値段は最安値に近いとお考えください
リモコンの価格
台所リモコンと浴室リモコンのセットの場合、15,000円~30,000円が相場。
業者によってはエコキュート本体代と別に請求するところもあります。
脚部カバーの価格
370~460Lタンク用の脚部カバーは6,000~20,000円が相場。
脚部カバーは本体代金に含まれていないことが多いです。そのため、事前に付属品など内容の確認をしておくことをおすすめします。
以下の記事では予算別(50万円以上、40~50万円、40万円未満)に交換可能な機種をご紹介しています。エコキュートの交換をお考えの際はあわせてお読みください。
https://mizu-tech.co.jp/blog/blog/17677/
工事費用の相場
ポイント 標準工事 標準工事費以外の工事=工事費用相場
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
標準工事費※1 | 約100,000~200,000円 |
標準工事費以外の工事費(その他)※2 | 約35,000~55,000円 |
※1標準工事費:エコキュート設置の基本的な工事項目にかかる費用
※2標準工事費以外の工事費:標準工事では発生しない工事が必要となる場合にかかる費用
業者によって工事項目に若干の違いはありますが、相場としては概ね上記の範囲と考えて差支えありません。
また、エコキュートの交換工事では、搬入経路に障害物があったり、そもそも貯湯タンクユニットの搬入経路がなかったりする場合は、特殊作業としてユニック車(クレーン車)を使用して搬入することがあります。
ユニック車による搬入は標準工事費以外の工事費として計上され、30,000円~が相場です。
その他、工事費用について詳しくはこちらをご覧ください。
エコキュートの交換を検討中の方は、まずはお気軽にお問い合わせください
エコキュートは、10年に一度交換するかしないかの商品であるが故に、どの程度の交換費用がかかるのか不安がつきものです。
ミズテックは、お客様のお悩みや不安解消に向けて親身になって対応いたします。
お見積りをはじめ、商品選びのアドバイスなどエコキュートのことなら何でも大歓迎です!
■「ミズテック」の基本情報
- 受付時間:24時間365日(電話8:00~20:00)
- 受付方法:電話、FAX、お問い合わせフォーム、LINE
- 交換費用の目安(本体+工事費+保証):
①追い焚き付き(フルオート・オート)
タンク容量300L:310,000円~
タンク容量370L:320,000円~
タンク容量460L:350,000円~②おいだき付き(フルオート・オート)+床暖房
タンク容量370L:580,000円~
タンク容量460L:600,000円~
お気軽にご相談ください。