給湯器の交換をする際に、ユニットバスの同時交換を勧められる場合があります。実際にユニットバスの交換を勧められると「まだユニットバスは使えるのになぜ勧められるのかな……。もしかして騙さている!?」と不安になるのが正直なところでしょう。
そこで当記事では、ユニットバスが使える状態であっても給湯器との同時交換がおすすめの場合や、同時交換ならではのメリット、デメリットについて解説します。
目次
ユニットバスと給湯器の同時交換のメリット
ユニットバスと給湯器を同時交換するメリットは主に2つ。選べる給湯器の選択肢が増えることと、交換工事にかかる手間を減らし工事費用を抑えるられることです。
希望する機能が付いた給湯器を選択できる
給湯器のみを新しくしても、浴室の規格によっては、配管が合わない場合や追い焚きなどのオプション機能に対応できない場合があります。そのため、給湯器を交換し、浴室を古い型のままにしてしまうと、浴槽の型に合わせて給湯器を選択する必要があります。
給湯器が古く、浴室がある程度新しい型であれば同時交換でなくても十分ですが、浴室が古い場合は、古い浴室に配管や給湯システムを合わせることが必要です。
ユニットバスと給湯器を同時交換することによって、給湯器側やバスタブ側のどちらも機能や規格を自由に選ぶことができます。
交換工事の手間や工事費を節約できる
給湯器とユニットバスを同時交換をすることで、同じ業者が一度に工事を完了できるため、長い目で見れば工事費用を抑えられます。
また給湯器とユニットバスを別々の業者に発注した場合、工事の工程管理やスケジュール調整が必要になるため、工事完了までに余計な時間もかかってしまいます。手配の負担も大きいですね。そして給湯器とユニットバスを同時交換することで工事トラブルが発生する可能性もかかなり減らせます。
給湯器の耐用年数は10年程度。ユニットバスの寿命は使用状況によるものの15年程度で、しっかりとメンテナンスを行っていれば20年程度使えることもあります。その点も考慮に入れて、同時交換をするかどうかご検討ください。
ユニットバスと給湯器の同時交換のデメリット
ユニットバスと給湯器の同時交換の最大のデメリットは、一時的に見ると給湯器単独での交換よりも費用が高くなることです。
まだ使えるのに余計な設備コストが必要になる
当然のことながら、給湯器だけの交換より、給湯器とユニットバスの同時交換のほうが費用がかかります。
ユニットバスの寿命は15年前後であり、給湯器の10年前後と比べても5年近く長いため、給湯器を交換するタイミングが必ずしもユニットバス交換のタイミングとはなりません。交換を考えている給湯器を使うのに特に不都合がなければ、ユニットバスの同時交換は不要でしょう。
また費用面以外にも、交換にかかる時間は給湯器のみの交換の方が、同時交換よりも短時間で終わります。
給湯器と一緒にリフォームしたほうがいいケース
給湯器とユニットバスの同時交換がおすすめなのは、欲しい給湯器にユニットバスが対応していない場合以外に3つのケースがあります。
交換目安時期をどちらも超えている場合
ユニットバスの交換は15年、給湯器の交換は10年が目安。ただし、交換できるパーツの在庫や保管期間は有限です。なので故障した場合に、部品がなく修理ができず交換になるケースもあります。
給湯器もユニットバスも交換目安を超えている場合は、同時交換をしたほうが長期的に見れば交換コストを抑えることができるため、同時交換がおすすめです。
マンションなどの管理規約がある場合
戸建てではなくマンションなどの管理規約がある場合、専有部分であってもリフォームをする場合には自由にできないことがあります。特に給湯器のみやユニットバスのみの取替工事は、場合によっては建物の構造や間取り、配管や電気設備などの工事が必要な場合があり、専有部分であっても管理組合やオーナーの許可が必要なケースも……。
特に給湯器はマンション設備の中でも建物の付加価値となるような設備であり、賃貸経営にも影響が出る可能性が高いです。マンションなどの管理規約がある物件の場合、給湯器とユニットバスを同時交換することで管理側とのやり取りの負担を減らせます。
在来工法などの浴室機能性を改善したい場合
在来工法とは、ユニットバスとは異なりモルタルやタイルなどで壁や床、浴槽などが構成された浴室のことです。在来工法は様々な広さや間取りに合わせることができる一方で、ひび割れやタイルと設備間の隙間が起きやすく、断熱性や気密性などもユニットバスに比べて劣ります。
そのため、在来工法の浴室で給湯器が故障した場合には、ユニットバスと給湯器を同時交換した方が、工事費用を抑えて浴室の機能性を改善できます。
また給湯器は機種によってお湯を出すだけではなく、自動湯はり・自動足し湯・高温差し湯追い焚き・自動沸きあげなど様々な便利な機能があります。しかしユニットバスの型が古い場合、機能を活かせないこともありますし、追加工事が必要で工事期間がのびる可能性もあります。
お風呂の快適性を上げたい場合は、給湯器だけではなくユニットバスも同時交換するのがおすすめです。
ユニットバスの交換工事(リフォーム)の概要
ユニットバスの交換工事の概要について、耐用年数や工事内容、工事費用相場の3点から解説します。
ユニットバスの耐用年数
ユニットバスは建物の必須設備という扱いになるため、耐用年数は建物の構造に依存します。例えば、建物が木造の場合には22年、重量鉄骨造の場合には34年がユニットバスの耐用年数です。
しかしユニットバスの製品自体の寿命は、実際には15~20年と言われており、ユニットバスの管理状態やメンテナンス状況によって異なります。そのため、耐用年数ではなく以下のポイントを参考に劣化具合をご確認ください。
- カビは生えていないか
- 設備や壁・天井にひび割れがないか
- 浴室内に塗装ハゲがないか
- サビが発生していないか
- 撥水加工のコーティングは十分か
- 換気扇から大きな音はしないか
- 排水口の排水能力や匂いは問題ないか
メンテナンスの状態でユニットバスの寿命は大きく変わります。そのため、給湯器の故障まで特に不調がない場合には、給湯器と同じタイミングで業者にユニットバスの状態を確認してもらうといいでしょう。
ユニットバスの工事内容と工事費用相場
ユニットバスの工事内容は、主に以下の3種類です。
- ユニットバスの全体工事
- 在来工法からユニットバスへの取替工事
- 浴槽のみなど部分的な工事
ここからは、それぞれの内容について解説します。
ユニットバスの全体工事
主な工事内容 | 設備費用相場 | 工事費用相場 | 一般的な工事期間 |
---|---|---|---|
|
30万円~100万円 | 20万円~30万円 | 3~4日 |
ユニットバスの全体工事とは、古くなったユニットバスを新しいユニットバスに取り替える工事のことです。具体的には、浴槽の入れ替えや配管工事を行います。
ユニットバス全体の入れ替え工事をすることで、工期が短く解体や設備の取り外しが比較的ラクにできるため、工期や業者の選定の手間がかからないのがメリットです。 一方で、ユニットバス全体の入れ替え工事では、まだ使える設備がある場合でも、規格を合わせる必要があるため工事費用や設備費用が余計にかかってしまうというデメリットもあります。
工事に必要な期間は、3~4日程度だとお考え下さい。
設備費用相場は、浴室の坪数や設備のグレードにより幅があります。
ユニットバスの老朽化が進んでいる場合や、交換する給湯器の機能性に対応できない場合には、ユニットバス全体の取替を検討いただくといいでしょう。
在来工法からユニットバスへの取替工事
主な工事内容 | 設備費用相場 | 工事費用相場 | 一般的な工事期間 |
---|---|---|---|
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20万円~100万円 | 30万円~50万円 | 7~10日 |
浴槽の断熱性や掃除のしやすさ、カビ防止などの機能性なども含めて、近年では在来工法からユニットバスに取り替えるケースが増えています。浴室の機能性や見た目が良くなること、メンテナンスの手間を減らせるのがユニットバスへ取り替える大きなメリットです。
一方で、ユニットバスの取替工事に比べて工事期間が長くなり、工事費用が高くなるのはデメリットでしょう。
浴槽のみなど部分的な工事
主な工事内容 | 設備費用相場 | 工事費用相場 | 一般的な工事期間 |
---|---|---|---|
給湯器交換 |
10万円~40万円 | 2万円~5万円 | 2時間~1日 |
浴槽交換 |
10万円~50万円 | 4万円~10万円 | 1日 |
内装加工 |
― | 10万円~40万円 | 1日~2日 |
すぐに工事が必要な場合や、ユニットバスを取り替えからあまり時間が経っていない場合におすすめなのが部分的な工事です。内容に応じて工事費用や設備費用が異なります。
部分的な工事を行うメリットは、設備の交換などに無駄がなく、交換にかかる工事期間を最小限に抑えることができる点です。ただしメーカーなどに部品がなく部分的な設備交換だけでは対応できないケースもあります。細々、何かあるたびに工事を行うと、逆にトータルで見たときの工事費用は高くなってしまうケースも少なくありません。
強引な提案は「断る」ことをおすすめします!
給湯器とユニットバスの同時交換は、浴室の設備機能を高められるのが最大のメリットで、トータルで見たときの工事費用を抑えられる可能性があります。
しかし強引だと感じた場合は、断ったほうがいいでしょう。一般の方が正しい判断をするのは容易ではないため、同時交換すべきか迷った際は、給湯器駆けつけ隊ミズテックでもご相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡をください。