エコキュートを設置したいけれど、何から始めればいいのかわからない方へ。
今回は、エコキュートの選び方から設置の注意点まで、分かりやすく解説しています。
■本記事の内容
- エコキュートの基本的な知識とは何か、その仕組みと種類を詳しく説明
- エコキュートの選び方と、設置前に確認すべき重要なポイント
- 設置作業の流れと、トラブルを避けるための具体的なアドバイス
本記事を読むことで、あなたもエコキュートの導入をスムーズに進められるでしょう。
目次
エコキュートってなに?
エコキュートは、電気を利用して空気中の熱を利用し、お湯を沸かす家庭用の給湯器です。
特に、冷媒を用いて外気から熱を取り込み、その熱を水に移して加熱するシステムが特徴です。
エコキュートは、環境にやさしいだけでなく、電気代も削減できるため、多くの家庭で利用されています。
エコキュートは2つのユニットから成り立つ
エコキュートのシステムは、主にヒートポンプユニットと貯湯タンクの2つから成り立っています。
ヒートポンプ
ヒートポンプは、外の空気から熱を吸収し、その熱を使って水を温める役割を担います。
この部分が「エコキュートの心臓部」とも言える部分で、熱交換器を通じて低温の熱を高温の熱に変換することで、効率よくお湯を供給します。
貯湯タンク
貯湯タンクは、ヒートポンプで温められたお湯を一時的に貯めておく容器です。
大容量のタンクが家庭の外に設置されることが多く、いつでも温かいお湯を使用できるようにしています。
タンクは保温性能が高く設計されており、外気温が低い場合でもお湯の温度を一定に保てます。
エコキュートは全4タイプ
エコキュートには、ユーザーの住環境やニーズに合わせて選べる4つのタイプがあります。
それぞれのタイプは、サイズや設置できる空間に応じた特性があります。
以下に、各タイプの特徴と寸法を紹介します。
※メーカー、モデルによって寸法は若干異なりますので、表は概ねの寸法です。
角型タイプ
タイプ | 寸法 | 特徴 |
角型タイプ(460L) | 高さ210cm×幅60cm×奥行70cm | スタンダードな形状で、一般的な家庭に最も多く利用されています。屋外に設置することが多く、容量も大きめです。 |
薄型タイプ
タイプ | 寸法 | 特徴 |
薄型タイプ(460L) | 高さ210cm×幅100cm×奥行40cm | 狭いスペースに設置可能で、見た目もスタイリッシュ。ベランダや狭い通路にも設置できるため、マンションや都市部の住宅に適しています。 |
コンパクトタイプ
タイプ | 寸法 | 特徴 |
コンパクトタイプ(180L) | 高さ180cm×幅40cm×奥行60cm | 小さめの寸法で、設置場所を選ばず、小規模な家庭や単身者に最適。省スペースながらも必要十分な機能を備えています。 |
ローボディタイプ
タイプ | 寸法 | 特徴 |
ローボディタイプ(300L) | 高さ150cm×幅60cm×奥行70cm | 低い設計で、屋外設置時も周囲の景観を損ねにくい。ガーデンやテラスに馴染みやすいデザインが特徴です。 |
エコキュートは屋内にも設置できる?
エコキュートはその高いエネルギー効率と環境への配慮から、多くの家庭で利用されています。
しかし、その設置場所には注意が必要です。
屋内設置が可能かどうかは、住んでいる建物の種類によっても異なります。
マンション・集合住宅に住んでいる場合は許可が必要
マンションや集合住宅では、エコキュートの設置には管理組合の許可が必要となることが多いです。
これは、共有部分への影響や安全面を考慮した結果です。
設置を希望する場合は、事前に管理組合に相談し、必要な手続きを行いましょう。
また、屋外に設置するのが一般的ですが、設計によっては屋内設置が可能な場合もあります。
その際は、十分な換気が可能かどうかを確認し、専門の技術者と相談することをおすすめします。
寒い地域に住んでいる場合
寒冷地では、エコキュートの性能を最大限に引き出すために、室内への設置が推奨されます。
屋外の低温環境はエコキュートの効率を低下させる可能性があるため、温度変動が少ない室内での利用が効果的です。
ただし、室内設置の場合は、設置場所の選定に十分注意し、住宅の構造に影響を与えないよう配慮が必要です。
また、屋内設置には適切な排水設備や防音措置も考慮する必要があります。
エコキュートの工事依頼の前までにチェックすべきこと
エコキュートの設置を考える際、工事を依頼する前にいくつか重要な点を確認する必要があります。
これにより、設置後のトラブルを避けることができ、長期的に安心して使用できるでしょう。
エコキュート選びをしておこう
エコキュートの選び方について、家族の人数や生活スタイルに合わせた最適なモデルを選ぶことが重要です。
具体的な選び方のポイントを次に示します。
家族の人数や使い方にあったエコキュートを選ぼう
- 1人暮らしや夫婦2人:小型のエコキュートが適しています。消費電力も少なく、省エネ効果が高まります。
- 子どもがいるご家庭、4人以上のご家族:大容量のエコキュートを選ぶことが望ましいです。朝と夜のピークタイムにお湯の使用が多いため、十分な湯量を確保できるモデルが必要です。
- マンションや集合住宅に住んでいる場合:設置には管理組合の承認が必要なこともあります。事前に確認しておくことが大切です。
- 一戸建ての場合:屋外にヒートポンプユニットを設置するスペースが必要になります。庭やベランダのスペースを確認しましょう。
- 寒冷地の場合:凍結対策が施されたモデルを選ぶ必要があります。また、海辺のような塩害が心配される地域では、耐塩性に優れたモデルが適しています。
- 初期投資とランニングコストを抑えたい場合:経済的なメリットが最も大きいモデルを選ぶことが重要です。省エネ性能が高いモデルや、地域の電力会社からの補助金が適用される製品を選ぶと、長期的に見ても経済的です。
モデルについて詳しく知りたい場合は、エコキュート専門業者であるミズテックのサイトをご参照ください。
エコキュート寿命の「今後の10年間の生活スタイル」を目安に選ぼう
エコキュートは一般的に長寿命な設備ですが、購入時には今後の10年間の生活スタイルを見据えた選択が求められます。
例えば、これから家族が増える予定がある場合や、将来的に家をリノベーションする可能性がある場合は、それに合わせた容量や機能のエコキュートを選ぶとよいでしょう。
工事依頼の前までに確認しておきたいこと
エコキュートを設置する前には、いくつか重要な事項を確認する必要があります。
ここでは、設置前に検討すべき主な点を解説します。
- 設置スペースの確保:まず、エコキュートを設置するための十分なスペースが必要です。特に、ヒートポンプユニットは屋外に設置することが一般的であり、通風がよく、直射日光や雨水が直接かからない場所を選ぶことが重要です。
- 通路の確認:大型のヒートポンプユニットを運ぶ際、運搬経路が十分な広さがあるか、また障害物になるようなものがないかを事前に確認する必要があります。設置場所までスムーズに運べるかどうかをチェックし、必要に応じて事前に撤去や移動を行いましょう。
- 電力会社への申請時期の確認:エコキュートの設置は、高い消費電力を必要とするため、地域の電力会社に事前に申請が必要です。申請の際は、設置するエコキュートの型や容量、想定される消費電力量を明確に伝えることが大切です。
- 設置する容量の大きさによって変えるべき電力プランの相談:エコキュートの容量によっては、家庭内で使用する他の電気機器とのバランスを考慮し、最適な電力プランを選ぶ必要があります。多くの家電を使用する家庭では、全体の電力消費量に応じた電力プランを選定することで、電気料金を抑えられます。
エコキュートを設置するときの注意点
エコキュートは、環境に優しく、長期的に見て経済的な選択ですが、設置する際にはいくつか注意すべき点があります。
特に、既存の給湯器との交換を考えている場合、事前にしっかりと確認を行うことが重要です。
工事前に確認すべきこと
エコキュートを設置する前に、まずは設置場所となる環境をしっかりと確認する必要があります。
特に、エコキュートの設置は、その大きさや設置環境によって、最適な場所が異なるため、事前の準備が不可欠です。
1.既存の給湯器と交換する場合は、給水管や排水管の位置に注意
既存の給湯器をエコキュートに交換する場合、給水管や排水管の位置が非常に重要です。
新しいエコキュートのユニットは、既存の配管設備と異なった配置をしなければならないこともあります。
特に、排水管の位置は重要です。
不適切な位置にあると、設置後の水漏れやその他の問題が発生する可能性があります。
事前に専門の業者に相談し、適切な配管計画を立ててもらいましょう。
2.電気設備の有無や電気容量などの確認は必須!
エコキュートは、高効率のヒートポンプ技術を使用してお湯を沸かすため、一定の電気容量を必要とします。
したがって、設置を検討している家庭の電気設備がこれを支えられるかどうかを事前に確認しましょう。
特に、旧型の住宅では、電気配線が現代の電気機器に対応していない可能性があり、安全な設置と運用のためには、必要に応じて電気容量の増設や配線の見直しを行う必要があります。
また、万が一の停電や電力供給の問題に備えて、適切な保護装置の設置も検討しましょう。
設置を避けるべき場所
続いてはエコキュートの設置場所ですが、適切な場所を選ぶことで、長期的に安心して使用できます。
以下に設置を避けるべき場所について詳しく解説します。
寝室のそば
エコキュートは基本的に深夜に作動することが多いため、寝室の近くに設置すると、その騒音や振動で睡眠の質を低下させる原因となり得ます。
特に深夜電力を利用することで運転コストを抑えられるエコキュートは、作動時に発生する音が人によっては予想以上に大きく感じられるため、寝室から離れた場所に設置をおすすめします。
地盤の弱い場所
エコキュートを設置する際には、その重量も考慮する必要があります。
特に地盤が弱い場所では、土台の強化が必要になりますが、これには追加のコストや時間がかかります。
強固な土台の上に設置することで、エコキュートが正常に機能し、長持ちするようにしましょう。
使用場所から遠いところ
エコキュートはその設置場所が使用場所から遠すぎると、水の温度が低下しやすくなるため、効率よく使用できません。
特に、フルオートタイプのエコキュートでは、追いだき機能の効率も低下し、場合によってはエラーが発生することもあります。
設置場所は使用場所からできるだけ近い方が、省エネにも繋がります。
極端に狭いところ
エコキュートを設置するスペースは、メンテナンスを行う際に必要なスペースも考慮する必要があります。
極端に狭いスペースに設置した場合、メンテナンス作業が困難になり、場合によっては保険の適用外になるかもしれません。
通路が通れなくなるような場所には設置を避け、メンテナンスが行いやすい環境を整えましょう。
エコキュートを設置することで発生するトラブル
エコキュートは、家庭での省エネルギーと快適な生活を実現するための重要な設備ですが、適切な設置が行われないと、様々なトラブルが発生する可能性があります。
特に、低周波の騒音や冷風の影響、さらには設置準備の不備による問題が挙げられます。
低周波による騒音
エコキュートは高効率で動作するヒートポンプ技術を利用しておりますが、その動作中に低周波の騒音が発生することがあります。
特に、狭いスペースに設置された場合、音が反響しやすく、振動が大きくなるため、騒音の原因となります。
この騒音を軽減するには、設置場所を十分に広いスペースに設定するか、防音対策を施すことが推奨されます。
エコキュートから発生する冷風による隣家への影響
エコキュートのヒートポンプが作動する際、外気を利用するため、周囲に冷風が発生することがあります。
この冷風が直接隣家に影響を及ぼす可能性があるため、設置の向きの工夫が求められます。
例えば、出口が隣家に直接向かないように配置を調整すると有効です。
また、適切な風向きの調整を行うことで、この問題を最小限に抑えることが可能です。
トラブル回避のためにはきちんとした設置準備が大切
エコキュートの設置では、専門の知識と技術が必要となります。
そのため、専門業者による設置の依頼が最も確実です。
専門業者は、適切な設備の選定から設置場所の選定、さらには細かな設定調整まで責任をもって行います。
エコキュートのトラブルについて、より詳しく知りたい場合はミズテックのウェブサイトを参照してください。
エコキュート設置の手順
エコキュートを設置する際には、いくつかの重要な手順があります。
これらの手順をしっかりと理解し、適切に行うことで、効率的かつ安全にエコキュートを利用できるでしょう。
1.最適な設置スペースの確保
適切な設置場所を選定することで、エコキュートの性能を最大限に引き出し、エネルギー消費を抑えられます。
以下の点を考慮して、設置場所を選びましょう。
- 日当たりと換気のよい場所:エコキュートのヒートポンプユニットは、外気の熱を利用してお湯を沸かすため、日当たりがよく、空気が流れる場所に設置が望ましいです。
- 振動や騒音への配慮:エコキュートは運転時に振動や騒音を発生させます。そのため、設置場所は住居の寝室やリビングエリアから離れた場所をおすすめします。また、振動が周囲に影響を与えないよう、しっかりとした基礎の上への設置も重要です。
- 設置面積とアクセスのよさ:エコキュートを設置するためには、ユニットの大きさに合わせた十分なスペースが必要です。また、保守やメンテナンスを行う際に容易にアクセスできる必要もあります。設置場所は、後からメンテナンスが行いやすいように、前面に十分なスペースを確保しましょう。
2.土台作りのための基礎工事・既存設備の撤去
エコキュートを設置する際には、しっかりとした土台作りが必要です。
土台作りには大きく分けて「現場打ち」と「エコベース」の2種類があります。
これらの土台は、エコキュートの安定した運用と長期的な耐久性を支える基盤となります。
現場打ちとエコベースの比較
種類 | 特徴 | 完成までの日数 |
現場打ち | 現場でコンクリートを打設し、固める方式。重量がある機器に適しており、地盤が弱い場所にも対応可能です。 | 約2-5日 |
エコベース | 事前に工場で作られたプレキャストコンクリートのベース。設置が迅速で、価格も比較的安価です。 | 約1-2日 |
ガス給湯器からエコキュートに交換するとき
ガス給湯器からエコキュートに交換する場合、既存の土台が使用できるかどうかを確認する必要があります。
もし土台が不適切であれば、新しい土台を作るか、調整が必要です。
工事中に土台をしっかりと設定することで、エコキュートの安定性と効率を保てるでしょう。
エコキュートを交換するとき
エコキュート同士を交換する際には、既存の土台が適切であるか再評価することが重要です。
異なるモデル間で寸法や重量が異なる場合が多いため、新しいユニットに合わせて土台の改良が必要になることもあります。
適切な土台への投資は、エコキュートの長期的なパフォーマンスと安全性を確保します。
3.配管工事と配線工事が必要
エコキュートを設置する際には、配管工事と配線工事が不可欠です。
ここでは、具体的な工事内容とその必要性について説明します。
3つの配管工事
- 給水配管工事:家庭の水道からエコキュートまでの給水路を確保します。この工事には、耐圧性と耐久性に優れた配管材料が用いられ、水漏れのリスクを低減させます。
- ドレン排水工事:エコキュートの給湯過程で発生する凝縮水や余剰水を安全に排出するための配管を設置します。この配管は、家庭の排水システムに接続され、環境への影響を最小限に抑えます。
- 追いだき配管工事:使用中にお湯の温度を再加熱する機能を効率的に行うための配管を整備します。追いだき配管は、エネルギーの無駄遣いを防ぎ、常に適温のお湯を利用できるようにします。
配線工事
- ブレーカー新設工事:エコキュート専用の電源を確保するため、新たにブレーカーを設置します。これにより、他の家電製品と電力供給を分離し、安全性を高めます。
- 配線工事:エコキュートからの電力を家庭内の電源線に確実に供給するための配線を行います。この工事は、電気工事士によって正確かつ安全に施工されます。
- 分電盤の新設または交換:家庭全体の電気システムを最適化し、エコキュートに必要な電力が確実に供給されるように、分電盤の新設や交換を行います。
4.本体を取り付ける
エコキュートの設置工程の中で最も重要なのが、本体の取り付けです。
機器の性能を最大限に活かすためには、正確な工事が求められます。
設置ステップ
- 位置の決定:設置場所は、予め確保されたスペース内で、配管や配線が容易に行える場所を選びます。
- 本体の固定:本体を安全に支えるためのブラケットや固定具を使って、しっかりと固定します。
- 接続作業:電源ケーブルと水道の配管を本体に接続します。
- 絶縁と保護:電源部分は水濡れやホコリから保護するため、適切に絶縁材を使ってカバーします。
5.使用前に試運転をすれば完了!
エコキュートの設置が完了した後は、本体の機能を確認するために試運転が行われます。
試運転の主な目的は、「設置されたエコキュートがすべての機能を正確に実行できるか」を確認することです。
これには、加熱能力のチェックやシステムのシール(密閉性)のテストが含まれます。
また、操作パネルの各ボタンが正しく機能するかも確認します。
試運転を経て、エコキュートが正常に動作することが確認できれば、これで設置作業は完了です。
不具合がなければ、快適で効率的な給湯生活を送ることができます。
まとめ
エコキュートを設置することは、環境に優しく経済的な選択となり得ますが、適切なタイプの選定と正しい設置手順を理解することが大切です。
以下に今回の記事の要点をまとめますので、ご参考にしてください。
- タイプ選びは慎重に:家族構成や使用状況に合わせたエコキュートを選びましょう。
- 設置場所の選定が重要:騒音や隣家への影響を考慮し、設置場所を適切に選んでください。
- 工事の事前準備を忘れずに:給水管や電気設備の確認が必要です。専門家に相談することも検討しましょう。
- エコキュートの寿命と未来を見据える:今後10年間の生活スタイルを考慮し、将来的なニーズに対応できるモデルを選びましょう。
家庭に最適なエコキュートを選び、快適で環境に優しい生活を送りましょう。
また、より詳細な選び方や設置のヒントについてはエコキュートの専門業者であるミズテックのサイトをぜひ参考にしてください。