「エコキュートの電気代が高くなるのはなぜ?」
「ほかの給湯器よりエコキュートの電気代を安くするには?」
この記事では、エコキュートの電気代や節約法についてまとめました。
エコキュートを節約しながら使用したい人は、参考にしてください。
目次
エコキュートの電気代が高くなる原因は?
エコキュートの電気代が高くなるのは、住んでいる環境や電力会社の違いが主な原因です。
ご自身では変えられない環境もある一方で、見直しから電気代が安くなるケースもあります。
地域によってコストに差がある
電気料金は、地域ごとに電力量や発電施設が異なるため、コストに差があります。
以下は、2021年度における電力会社の1か月あたりの電気料金です。
電力会社 | 電気料金(月) |
北海道電力 | 9,420円 |
沖縄電力 | 8,055円 |
東京電力 | 8,010円 |
中部電力 | 7,920円 |
東北電力 | 7,779円 |
四国電力 | 7,489円 |
中国電力 | 7,464円 |
九州電力 | 7,137円 |
関西電力 | 7,101円 |
北陸電力 | 6,778円 |
電力会社が違うだけで、2,000円前後も料金の差が出ています。
そのため、住んでいる地域によっては、ほかの地域よりも電気料金が高くなります。
電気料金が割り増しの時間帯に使用している
エコキュートで湯沸かしを行う時間について、電気料金が高い時間帯に使用しているケースがあります。
一般的に電気料金が安くなる時間は、23時から翌日の7時までの夜間です。
夜間の電気料金が安い場合は、日中の電気料金が2〜5倍程度高い設定になっています。
反対に、電気会社によっては、日中が安めで夜間が高くなるプランもあります。
ご自宅で利用している電気会社のプランを確認して、安い時間帯に切り替えましょう。
寒い日や冬場は電気代が高くなる
寒い日や冬場は、全体的に電気代が高くなる傾向があります。
エコキュートの場合は、外気を取り込んだ際の空気の熱を利用して、水を温める仕組みです。
外気温が低くなると、温めるために必要な熱量が増えるため、エコキュートの稼働率が上がってしまいます。
そのため、寒い日や冬場は必然的に電気代が高くなります。
節約機能を使っていない
エコキュートの節約機能を使用していない場合、電気料金の効率が悪くなっているケースがあります。
節約機能を活用した場合、省エネ設定や湯沸かしの必要がないときの停止が可能です。
導入直後から設定を大きく変えていないご家庭では、節約機能の使用で電気料金が大幅に削減できる可能性があります。
エコキュートはお得?ガス式や電気式と比較!
給湯器にはエコキュート以外にも選択肢がありますが、コスト面ではエコキュートが優れています。
ガス式や電気式と比較して、エコキュートを使用するメリットを確認していきましょう。
エコキュートとガス給湯器を比較
ガス給湯器は、従来の給湯器として利用されてきましたが、近年はエコキュートに買い替える家庭も増えています。
買い換えられる理由として、長期間の使用で見た場合のランニングコストが影響しています。
エコキュートとガス給湯器を比較
ガス給湯器との料金面の比較は、以下のとおりです。
エコキュート | ガス給湯器 | |
商品の本体代金 | 20~50万円 | 5~30万円 |
設置料金 | 10~20万円 | 3~5万円 |
交換費用 | 2~20万円 | 3~5万円 |
ランニングコスト(年間) | 一般的な地域:約22,000円 寒冷地:約33,000円 | ガス給湯器(都市ガス):約75,000円 ガス給湯器(LPガス):約110,000円 |
本体価格と設置料金で見た場合は、ガス給湯器の方がコストは安く抑えられます。
しかし、年間の電気代は、寒冷地でもエコキュートの方が安くなります。
エコキュートとガス給湯器の違い
ガス給湯器との主な違いは、以下のとおりです。
- お湯を沸かすための燃料がエコキュートは電気と外気の熱、ガス給湯器はガスと電気
- お湯を沸かす仕組みがエコキュートは事前にお湯をつくって貯蓄、ガス給湯器は必要なときに水を熱する
ガス給湯器の主な燃料はガスですが、給湯器を稼働させるには電力も必要です。
お湯を必要な分だけつくるため、残量は気になりませんが、お湯をつくる度に電気代が発生します。
エコキュートと電気温水器を比較
電気温水器は、電気で給湯する点では、エコキュートと同じように見えるかもしれません。
しかし、実際には仕組みが大きく異なっているため、電気代で金額の差が発生します。
エコキュートと電気温水器を費用で比較
電気温水器との料金面の比較は、以下のとおりです。
エコキュート | 電気温水器 | |
商品の本体代金 | 20~50万円 | 10~25万円 |
設置料金 | 10~20万円 | 7~10万円 |
交換費用 | 2~20万円 | 2~5万円 |
ランニングコスト(年間) | 一般的な地域:約22,000円 寒冷地:約33,000円 | 約104,000円 |
ガス給湯器と同様に、本体や設置料金で見ると、電気温水器の方がコストを安く抑えられます。
一方、年間の電気代は同じ電力を使用する機器でも、約4倍の差が出ています。
エコキュートと電気温水器の違い
電気温水器との主な違いは、以下のとおりです。
- 水を温める仕組みがエコキュートは外気の熱をヒートポンプ技術を利用して発熱、電気温水器は金属に電気を流して電熱ヒーターで発熱
- 設置する機器がエコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクユニット、電気温水器は貯湯タンクユニットのみ
電気温水器は電力を用いる電熱ヒーターのみで発熱させるため、外気も利用するエコキュートより電気代が高くなります。
一方で、設置スペースでは、電気温水器の方が1つのユニットのみで済みます。
エコキュートを使用するメリット
ガス式や電気式と比較して、エコキュートを使用した際に得られるメリットは、以下のとおりです。
- 光熱費が抑えられる
- 自然に優しい
- 災害時に強い
- 2024年内の設置で補助金が支給される
ほかと比較して、高額だった導入コストについても、2024年以内に設置した場合は、補助金によってある程度軽減されます。
光熱費が抑えられる
エコキュートは、ランニングコストで見た場合、ガス式や電気式よりも圧倒的にお得です。
長期的な使用を考えると、光熱費が抑えられるため、導入費にかかったコストを回収できます。
自然に優しい
エコキュートは、ガス式や電気式と比較して、エコ性能が高い給湯器です。
お湯を沸かす際にガスによる燃焼は発生せず、消費電力も外気の熱の利用から抑えられます。
二酸化炭素の排出量削減や、発電する際の燃料の減少につながる点は、政府からも注目されています。
災害時に強い
エコキュートは、つくったお湯をタンクユニットに貯められるため、災害時にも有用です。
断水や停電があった場合、タンク内からお湯、または水を取り出して利用できます。
ライフラインの復帰は、ガスよりも電気の方が早いケースが多く、復帰後にすぐお湯を沸かせます。
2024年内の設置で補助金が支給される
エコキュートは、2024年内の設置に関して、「給湯省エネ2024事業」から補助金が支給されます。
給湯省エネ2024事業は、「2050年カーボンニュートラル」を実現するためのキャンペーンです。
その一環として、省エネにつながる高効率給湯器の導入が勧められており、エコキュートの多くの機種も対象になります。
キャンペーンは予算上限に達すると終了するため、2024年内の設置を考えているご家庭は、早めの設置がおすすめです。
エコキュートを安くお得に利用する5つの方法
エコキュートは、機能やお湯の使い方を工夫すると、より安くお得に利用できます。
電気代をさらに抑えたい人は、次から紹介する5つの方法を実践してみましょう。
1.節約機能を上手に活用する
エコキュートの節約機能は、ご家庭に合わせて活用した場合、電気代の削減になります。
導入してからエコキュートのリモコンや説明書を触っていない人は、機能面を確認してみましょう。
日常的に設定しておきたい機能
エコキュートで以下の機能は、日常的に設定や確認をしておくと節約につながります。
- 基本は各メーカーの「省エネモード」に該当する設定にしておく
- お湯が足りなくなる場合は、直近の平均使用量から湯沸かし量を判断する「学習機能」を活用する
- 「給湯ガイド」などリモコンに表示される1日のお湯の使用量や目標設定量を確認する
メーカーによって名称が異なる場合はありますが、上記の機能は多くの機種で基本機能として備わっています。
長期間不在の時に役立つ機能
仕事や旅行などで長期間不在になるときは、休止モードの利用がおすすめです。
休止モードは、設定した期間内の沸き上げを休止できる機能です。
期間を過ぎた後は、直前の設定に戻るため、利用する度に設定し直す必要はありません。
2.料金が高くなる時間帯を避けて使用する
節約機能のみで電気代が安くならない場合は、湯沸かしする時間帯や生活スタイルの見直しをしてみましょう。
湯沸かしやお風呂に入る時間を調整して、料金が高くなる時間帯を避けて使用できます。
電力が高い時間帯(ピークタイム)を知っておこう
電力会社では、電気を使用する量が多くなる時間帯をピークタイムとして、電気料金を割高にしています。
ピークタイムは10時〜17時の時間帯になる場合が多いですが、地域によって電力会社の設定は異なります。
電力会社の公式サイトなどを確認して、ピークタイムを避けて湯沸かしする時間を設定しましょう。
お湯が不足しないように1日のお湯の量を把握しておく
お湯が足りないときに、追い焚きを利用すると、稼働するための電気代が発生します。
ピークタイムを避けてお湯を貯蓄しても、電気代が高い時間帯に追い焚きしてしまうと意味がありません。
1日のお湯の量を把握するためにも、機能の給湯ガイドなどをよく確認しましょう。
3.使用量に合ったサイズのエコキュートを設置する
エコキュートの新規導入や買い替えをする場合は、ご家庭の使用量に合ったサイズを設置しましょう。
必要以上のサイズを使用していると、余分な電気代がかかってしまいます。
家族の人数や使い方で最適なサイズを選ぼう
エコキュートのサイズごとの容量や想定利用人数は、以下のとおりです。
サイズ | 容量 | 想定利用人数 |
16号 | 180リットル | 1~2人 |
20号 | 370リットル | 3~4人 |
24号 | 460リットル | 4~5人 |
28号 | 550リットル | 5~7人 |
お湯の使用量が少ない家庭、もしくは多い家庭では、想定よりも上のサイズが適しているケースがあります。
こんな人はあえて1つ上のサイズを選ぶのもおすすめ
以下の項目に当てはまる人は、想定利用人数よりもあえて1つ上のサイズを選ぶのもおすすめです。
- 同じ時間帯で同時にお湯を利用する家庭:サイズが小さい商品は、一気に利用するとお湯の勢いや量が弱まる
- 冬場でもお湯の勢いを強くしたい家庭:サイズを大きくした方がお湯の勢いが強い
- 将来的に複数の子どもを設けたいと考えている家庭
特に、子どもが増えてからは湯量が足りなくなるケースが多いため、将来設計しつつサイズを選びましょう。
今後10年間の生活スタイルでサイズを選ぼう!
エコキュートの寿命は、導入後から約10年間であると、各メーカーが提示しています。
そのため、サイズを選ぶときは、今後10年間の生活スタイルを想定しておきましょう。
1つ大きなサイズを選ぶ基準になる子どもの有無も、進学や就職によって、家を出るタイミングがあります。
家族が減った後は、使用する湯量も減るため、次の買い替えではサイズを小さくするなど、先を見越して選ぶのがおすすめです。
4.「高温足し湯」機能を使う
家族が多い家庭では、後の人が入るお湯がぬるくなるケースがあります。
追い焚きでもお湯をつくれますが、電気代を気にする場合は、「足し湯」機能を活用してみましょう。
貯蔵タンクユニットにあるお湯から適温の状態にして、温かいお湯を足せます。
「高温足し湯」機能がある機種の場合は、より効率的にお湯を温められます。
「高温足し湯」機能とは?
高温足し湯機能とは、貯湯タンクユニットの熱湯をそのままの温度で足し湯する機能です。
高温のお湯を取り出せるため、通常の足し湯よりも少ない湯量で、ぬるま湯を温められます。
追い焚き・保温との違い
足し湯と追い焚き及び保温機能には、以下のような違いがあります。
- 足し湯:貯湯タンクユニットから足したお湯分の水道代がかかる
- 追い焚き・保温::貯湯タンクユニットの水を再度沸かすための電気代がかかる
足し湯の場合、次に湯沸かしする時の水道代は少し増えますが、電気代には影響がありません。
5.電気料金の料金プランを見直す
節約機能や時間帯を調整しても、思うように電気代が下がらないときは、電気料金のプランを見直しましょう。
ピークタイムを避けて湯沸かしする場合は、以下のような料金プランが適しています。
- 夜間プラン:夜の時間に給湯器や洗濯機を稼働させる人におすすめ
- オール電化プラン:エコキュートも含めてオール電化の家庭におすすめ
ただし、地域によっては独自のプランから、夜間以外の時間帯の湯沸かしがお得になるケースもあります。
まとめ
エコキュートの電気代や節約法は、以下のようにまとめられます。
- エコキュートの電気代は、電力会社ごとの料金の違いやお湯を沸かす時間帯、外気温の影響から変動する
- 光熱費の安さやエコ性能がガス給湯器や電気給湯器よりも優れている
- 給湯省エネ2024事業により、条件を満たして2024年内に設置した場合は補助金が支給される
- 省エネモードや学習機能、休止モードなどの節約機能の活用から電気代は安くできる
- 湯沸かしする時間や生活スタイルの見直しから、電気料金が割高になるピークタイムを避ける
- ご家庭の人数や用途に合ったサイズのエコキュートを選ぶ
- お湯がぬるくなったときは、追い焚きよりも足し湯の方が電気代はお得
- 夜間プランなど、電気代がお得なプランに変更する
エコキュートを導入済みの人も、機能面や湯沸かしの時間帯から電気料金を抑えられます。
導入していない人は、2024年内は補助金がもらえるため、エコキュートへの買い替えを検討してみましょう。